ミレニアル世代の意識に関する調査(世界36 カ国のミレニアル世代対象) 

2018年05月21日

デロイト トーマツ グループは、デロイトグローバルが行った「2018年 デロイト ミレニアル年次調査」に基づき、日本のミレニアル世代の意識に関する調査結果を発表します。

今回、日本のミレニアル世代への調査結果から、勤務先への帰属意識が一層低下し、2年以内の短期での離職を考える割合が5年以上の長期勤続を見込む割合を上回る結果となりました。勤務先の選択において重視するのは、報酬に加え、従業員の柔軟な働き方や心身の健康維持を支援する取り組みであり、世界の同世代に比較し、「従業員の生活向上」を企業に対して期待する傾向が見られます。

昨今、世界的にギグ・エコノミー(主にインターネットを通じて単発や短期の仕事を受発注する非正規労働によって成立する経済形態)が急速に拡大する中、日本のミレニアル世代も短期雇用やフリーランスといった「雇用関係によらない働き方」を今後の選択肢として視野に入れていることがわかりました。一方、IoT、ビッグデータ、ロボット、人工知能(AI)等の技術革新による第4次産業革命が仕事に与える影響への期待感については、世界全体に比べ低い傾向がうかがえます。
ミレニアル世代のほぼ全員が社会人となる年齢に達し、今後は職場の管理職等に占める割合も上昇していきます。企業は、今後の事業活動の中核を担う当世代の視点を取り入れた人材施策に取り組んでいくことが求められています。

日本のミレニアル世代の主なトピックス


  • 2年以内の短期離職を考える割合が5年以上の長期勤続を見込む割合を上回る
  • 勤務先の選択では報酬に加え柔軟な働き方や心身の健康も重視、「従業員の生活向上」がポイントに
  • ギグ・エコノミーが拡大する中、約5割が「雇用関係によらない働き方」を肯定的に捉えている
  • 第4次産業革命への期待感は世界に比べ低く、それに備えた知識・スキルの開発に遅れが見られる

2年以内の短期離職を考える割合が5年以上の長期勤続を見込む割合を上回る

現在の勤務先で働き続ける期間を「2年以内」と見込む日本のミレニアル世代の割合は、過去の調査(2016年28%・2017年30%)から継続的に上昇し、今回の調査で37%(世界43%)となりました。それに対し、「5年以上」と回答する割合は30%(世界 28%)と減少し続けており(2016年33%・2017年32%)、今回の調査では、「2年以内の短期離職を見込む」人の割合が「5年以上の長期勤続を見込む」人の割合を初めて上回る結果となりました。また、離職を考えていない人の割合は14%(世界11%)となっています。
この結果から、日本のミレニアル世代は世界の同世代と同様に、比較的短期での転職を厭わない価値観を有していることが示されました。同世代の人材の定着化は世界・日本企業共通の課題となってきています。

勤務先の選択では報酬に加え柔軟な働き方や心身の健康も重視、「従業員の生活向上」がポイントに

日本のミレニアル世代が勤務先の選択で最も重視するのは、世界の同世代と同様に「報酬」ですが、重視すると回答した人の割合は70%となっており、世界(63%)より高い水準となりました。これには、日本の同世代における経済状況に対する悲観的な見方が少なからず影響していると思われます。今回の調査の中で、「今後1年間に自国の全体的な経済状況が改善する」と回答する世界のミレニアル世代は45%であるのに対して、日本のミレニアル世代は22%にとどまり、また、親世代より「経済的に裕福になれる」(日本24%、世界51%)、「幸福になれる」(日本17%、世界43%)と期待する割合も、世界の同世代の半分以下という結果が出ています。

また、勤務先の選択においては、「柔軟な勤務時間・場所」(日本57%、世界50%)、「心身の健康(well-being)実現に向けた取り組み」(日本50%、世界33%)を重視する割合も世界より高く、世界の同世代よりも、企業に対して、柔軟な勤務形態や心身の健康実現に対する取り組みを望む傾向があると言えます。

今回の調査では、当世代に対して一般的に「企業に期待する役割」も尋ねていますが、その結果としても、日本のミレニアル世代においては「従業員の生活向上」が最も多く挙げられ、世界と比較して高い水準となっています(日本49%、世界35%)。一方で、自身の勤務先が実際それに優先的に取り組んでいると認識する割合は20%にとどまり、期待と現実のギャップが現れています。日本企業は働き方改革や健康経営を強化し、当世代のニーズを踏まえた彼らにとって魅力ある職場づくりに取り組んでいく必要があるでしょう。

ギグ・エコノミーが拡大する中、約5割が「雇用関係によらない働き方」を肯定的に捉えている

昨今のギグ・エコノミーの拡大を受け、世界のミレニアル世代は、短期雇用やフリーランスといった「雇用関係によらない働き方」に魅力を感じています。日本でも、副業または本業としてそのような就労形態を通じてギグ・エコノミーへ参画している、または、参画を検討しうるという回答がそれぞれ55%(世界78%)、48%(世界57%)にのぼり、肯定的に受け止められていることがわかります。

日本のミレニアル世代がギグ・エコノミーへ参画している/参画を検討しうる理由として、最も多く選ばれたのは「より高い収入の獲得」(日本47%、世界62%)で、それ以降、「より良いワークライフバランスの実現」(日本45%、世界37%)、「好きな時間に働くため」(日本40%、世界39%)と続き、ここから経済的な便益を得ることに加え、自身のワークライフバランスを重視する傾向がうかがえます。この望みが現在の会社で叶わぬ場合、ギグ・エコノミーへの参画を現実的に検討する可能性が考えられます。

このような「雇用関係によらない働き方」の広がりを見込み、日本企業にも“優秀な人材の採用・流出防止”のために従業員への副業・兼業を容認・推進する企業も現れています。さらには、フリーランスや副業・兼業人材を外部から活用し、労働力としての人材の確保や第4次産業革命などビジネス環境の変化に合わせて必要とされる人材を組み替えていく、新たな人材マネジメントも今後、課題になってくると思われます。

第4次産業革命への期待感は世界に比べ低く、それに備えた知識・スキルの開発に遅れが見られる

幼い頃からインターネットやデジタルデバイスに慣れ親しんでおり「デジタルネイティブ」と称されることも多いミレニアル世代ですが、第4次産業革命に対する意識に関しては、日本と世界で大きく異なる結果となりました。

第4次産業革命が自身の仕事にもたらす影響について、「自身の仕事の一部もしくは全部が取って代わられる」と否定的に捉える割合は世界と同水準であるものの(日本18%、世界17%)、「よりクリエイティブで、人間らしい、付加価値の高い仕事に注力できるようになる」の割合が、世界では過半数(52%)を占めるのに対し、日本では32%にとどまっています。「何の影響もない」(日本33%、世界23%)、「わからない」(日本17%、世界8%)といった回答も多く、テクノロジーの進化がより良い働き方を実現するといった期待が世界に比べ低いことがわかりました。

このような意識の差に加え、日本のミレニアル世代のうち、第4次産業革命を迎えるにあたり「現時点で必要なスキル・知識に自信がある」(日本10 %、世界36%)、「会社からスキル・知識習得に向けたサポートを受けている」(日本13%、世界36%)と回答した割合も世界の同世代と比べて著しく低い結果となりました。デロイトグローバルが実施した「第4次産業革命への対応準備調査(2018年1月公表)」でも、世界と比較し日本企業の準備の遅れが明らかになっています。人材育成の面でも新時代を見据えた対応が急務になっていると言えるでしょう。

デロイトのミレニアル年次調査概要


デロイトグローバルが2017年11 月~2018年1月に世界36 カ国、10,455人(日本は337人)のミレニアル世代を対象に実施した調査に基づいています。調査対象者は、1983年1月~1994年12月生まれのミレニアル世代で、学位取得者であり、主に民間の大企業でフルタイム勤務をしている者となります。

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