「働き方」に寄せる期待と転職の価値観調査②(バイリンガル人材対象) 

2017年09月11日
ロバート・ウォルターズ・ジャパンは、日本語・英語の2言語と専門分野でのスキル・経験を用いて働くグローバル人材を対象に、「働き方」に寄せる期待と転職の価値観を聞いたアンケート調査結果を発表しました。

【調査結果】

利用したい「働き方」制度は1位「フレックスタイム」、2位「在宅勤務・リモートワーク」
当アンケート調査に回答した外資系企業、日系グローバル企業の第一線で活躍するバイリンガル会社員1,432 人のうち96%が「柔軟な働き方を支援する社内制度があれば利用したい」と答えました。利用したい制度は1位「フレックスタイム」(69%)、2位「在宅勤務・リモートワーク」(64%)、3位「長期研修休暇」、「週休3日」(共に38%)だったことから、この上位3つの施策の有効性が期待できます。利用の目的を聞いた質問では、78%が「ワークライフバランスを充実させたい」(1位)に同意「育児」は子育て世帯の多い中堅層の35-44 歳で29%、「介護」は55-64 歳で14%の回答者が同意しました。

約5割が「通勤負担を軽くしたい」。在宅勤務・サテライトオフィスの有効性を示唆
当調査では約半数の回答者が「通勤による身体的・精神的負担を緩和したい」に同意(48%)しており、外資系企業勤務者に絞るとこの割合は55%に上りました。これは2人に1人が在宅勤務・サテライトオフィスなどの勤務場所の柔軟化を求めていることを示し、勤務場所の柔軟化を実現する施策の有効性を裏付けています。サテライトオフィス新設となるとハードルが高いといった場合も先ずはデスクワークなど対応可能な所定勤務時間内業務の一部を在宅勤務で補うことを認めるなどといった施策はテスト導入からでも試す価値があると言えるでしょう。

7割は柔軟な「働き方」利用に懸念あり
柔軟な働き方を支援する社内制度があれば「利用したい」回答者が96%だったのに対して、そのうちの73%は利用することに何らかの懸念があるとして「利用しにくい」と感じていることが分かりました。最も多くの回答者が共有する懸念は、「評価・昇進への影響」(34%)。自分がフレックスタイムや在宅勤務などを利用した場合、利用しないほかの社員よりも評価・昇進で不利になるのではといった不安を多くの労働者が感じています。「周囲の反発」(34%)も同一首位につけていますが女性の回答者の42%がこの懸念を示しています。3位は「生産性・パフォーマンスの低下」(28%)。「利用しにくい」と感じる労働者が7 割以上を占めている以上、積極的な利用は見込めず、制度だけでなく従業員が利用しやすくなる仕組みも同時に作るなど工夫が不可欠だと考えられます。

「評価システム」と「研修・スキルアップ制度」充実で定着率向上
転職の決め手に「給与」、「仕事内容」以外を選んだ回答者は全体の3 割あまりに過ぎなかったものの、「現職で最も改善してほしいこと」では回答者の71%が評価システム、研修制度、労働・残業時間、勤務地などの「働き方」関連への不満を挙げています。中でも最も支持の多かった「評価システム」(全体2位)や「研修スキルアップ制度」(4位)が鍵を握るようです。終身雇用と年功序列の風潮が根付き年齢層ごとに給与の基準額が定められ、能力・成果をもっても基準以上の給与・職責を与えられることが少なかった日本ですが、今回の調査結果から「能力を向上して成果を上げたい」「その成果をより正当に評価してほしい」といった働き手の心理をうかがい知ることができます。「給与」と「社風」の改善にむけて中長期的に取り組む一方で、先ずは着手しやすい評価制度の見直し、研修・スキルアップ制度の見直し・新設を推進することが従業員の機動力と向上心を押し上げることにつながりそうです。

(実施期間:2017年5月1日~2017年5月31日、対象:当社登録者 n=1,432人)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ロバート・ウォルターズ・ジャパン]
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