「新入社員の入社後ギャップ」調査 

2017年04月05日
就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」を運営するヴォーカーズは、「新入社員の入社後ギャップ」を発表しました。

景気が上向くに従い企業の採用も回復し、16卒では過去最高の就職率(※1)、17卒でも90.6%という最高水準(※2)を記録するなど、就活においてここ数年「売り手市場」が続いています。企業側は優秀な人材の争奪戦を強いられる一方、学生側は複数社の内定持ちながら就職活動を続けるなど、「学生が企業を選ぶ」学生優位の状況が今年も見込まれています。就職決定企業の志望度についても「第一志望の企業」に決定した割合が36.1%(※3)と、3人に1人が希望通りの就職を叶えているといえます。

今回Vorkersでは、2014年から2016年の「売り手市場」就活を経て入社した若手社員が感じている「入社後ギャップ」に着目しました。「希望通りの就職」は「希望通りの働きがい」に直結するのか、クチコミから見える若手社員のリアルとは?

※1)厚生労働省 平成27年度「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」(2016年5月20日発表)
※2)厚生労働省 平成28年度「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」(2017年3月17日発表)
※3)キャリタス就活 2017 学生モニター調査結果(2016 年 8 月発行)

【サマリー】

・新入社員の入社後ギャップ1位は「仕事内容や配属について」
・次いで「組織の特徴や社風について」、「成長環境やキャリア開発について」

■ 新入社員の入社後ギャップ
1 仕事内容や配属について         30.0%
2 組織の特徴や社風について        21.3%
3 成長環境やキャリア開発について     19.2%
4 ワークライフバランスや勤務時間について 11.4%
5 給与や待遇、福利厚生について      7.2%
6 人間関係について            5.5%
7 会社や業界の展望や景気について     5.3%

※Vorkersに投稿された「入社後ギャップ」に関する社員クチコミを集計・分類
(2014~2016に新卒入社した社員によるレポート4,521件が対象)

■ 1位は仕事内容や配属について。配属を選べない「総合職」ゆえのギャップ

新入社員の入社後ギャップは、1位が「仕事内容や配属について」の内容となりました。多くの企業が新卒採用において総合職採用を行っていることから、希望の「会社」には就職できても、希望の「仕事」ができるとは限らない、また、入社前に職務内容までは把握できていないという実態が見えます。「仕事選び」ではなく「会社選び」が強いられる現在の採用システムにおいては、配属リスクも視野に入れた企業研究と、職種ごとの仕事内容の理解が必要となってきます。

1位:仕事内容や配属について
「自分から希望を出しても配属が必ずしも希望通りとなるわけではないため、もし希望通りの配属でない場合にどうモチベーションを保つかが問題。(開発/男性/SIer、ソフト開発、システム運用)」

「希望していた部署には行けず、開発とは全くかけ離れた部署への配属となったので、妥当性うんぬんの話ではなくなった。(事務/男性/化学、石油、ガラス、セラミック)」

「どの部署で何をしているかを事前に確認しておくべき。マッチングが大切。(開発/男性/総合電機、家電、AV機器)」

「どこの部署に行くのか全く分からないので、それぞれの仕事内容や勤務体系を理解しておくべき。例えばコンシューマー営業になった場合、量販店・ショップの担当営業になった場合、土日・祝は基本出勤であり、世間通りの休みはない。(ちゃんと日数は休めるが)。(営業/男性/通信、ISP、データセンター)」

「入社理由の妥当性はあったかと思う。実際に日本の根幹を支えるシステムを多く手掛けているし、そのような大規模プロジェクトをチームで推進していくことに対するやりがいは大きい。しかし、大企業である分、配属リスクも大きいことは認識しておくべきことだと思われる。(一般社員/男性/SIer、ソフト開発、システム運用)」

■ 2位は社風について。雰囲気や文化とのマッチングも大事

2位:組織の特徴や社風について
「入社してから不満に感じた点は特にはない。自分が希望していた環境が整っており、説明会や面接で受けた際に感じた印象と入社してからの印象に大きなギャップはなかった。ただ歴史が長く、平均年齢も高い。よって、年功序列の風土が形成されている(離職率が低く、長く働く環境ができているとも取れる)。(営業/男性/化学、石油、ガラス、セラミック)」

「給与水準、(昇給制度)や社内風土については一切調べずに入社した。仕事に対する憧れで入社したが、仕事をする環境や条件を、もっと精査するべきでした。(販促/男性/ファッション、アパレル、繊維)」

「働いている社員の声をもっときけばよかった。OB訪問等は特にやっているわけではないが、大量採用していることもあり、知り合い伝手でたどっていけば社員の方にあうことは簡単だったので、仕事の内容や社内の雰囲気についてもっといろいろな方から様子を聞いておけばよかったなと思います。(営業/男性/SIer、ソフト開発、システム運用)」

「やりたい事業だけでなく、社内の雰囲気や文化が自分と合っているかを確認するべきだと思う。人によって、合う合わないが分かれる。(セールス&販売/男性/不動産関連、住宅)」

「確かに安定はしているが、もっと業務内容や会社の雰囲気も深く質問して認識しておくべき。(窓口/女性/銀行(都市・信託・政府系)、信金)」

■ 3位は成長環境について。自分が思い描くキャリアパスが歩める環境か

3位:成長環境やキャリア開発について
「成長を求めてこの企業に入社しようと考える人が多いと思うが、自分の求める成長が本当にこの企業で実現できるかじっくり考えたほうがいい。(開発/男性/SIer、ソフト開発、システム運用)」

「技術力の高さは申し分なく、また周りのレベルも非常に高いです。基本的に解雇という話は聞かないので安定性も十分だと思います。ただ、一年目から大きく成長することは会社のシステム的に難しいと思います。また、安定を求めてはいる人も少なくないので雰囲気ががつがつしているわけではないです。(研究開発/男性/重電、産業電気機器、プラント関連)」

「本当に何事にもチャレンジでき、日々忙しくも充実した毎日を送ることができているため、妥当だと思う。認識しておくべきことは、自分からアクションを起こさなきゃ何も教えてくれないため、受動的な姿勢では何も得られず成長できない。主体性を持って仕事に取り組むことが必要である。(研究開発/男性/自動車、自動車部品、輸送機器)」

「自身にとっては妥当であった。合わなかったと後悔して退職した知人が数名いるため、コンサルタントという職業の特性はよくよく理解した上で、自分自身でキャリアを築くという覚悟を持って入社すべき。(コンサルタント/女性/コンサルティング、シンクタンク)」

「大企業で歴史がある分、社内の平均年齢が高い。新卒入社してもキャリアアップが中々難しい。(販売職/女性/ファッション、アパレル、繊維)」


■データの収集方法
「Vorkers」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。
会社評価レポートの回答条件は下記の通りです。
・社員として1年以上在籍した企業の情報であること
・500文字以上の自由記述項目と、8つの評価項目に回答いただくこと
・月間残業時間(実数)、有休消化率(実数)についても収集

■対象データ
Vorkersに投稿された会社評価レポートのうち、2014年から2016年に新卒入社した社員・元社員による「入社後ギャップ」4,521件を対象データとし、フリーコメントを集計・分類しました。一つのクチコミに複数のギャップがある場合には、それぞれの分類にカウントしています。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
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