主婦パートの働き方に関する調査(パート・アルバイトで働く20代~40代の既婚子持ち女性対象) 

2016年07月13日
アイデムの人と仕事研究所は、パート・アルバイトで働く20代~40代の既婚子持ち女性356名を対象に調査を実施しました。

【調査結果サマリー】

▼主婦パートとして働く理由
・「生活と仕事の両立を図りたい」54.8%
・「自分の都合の良い時間や曜日に働きたい」53.4%

▼1週間の所定労働時間
・「週20時間以下」48.6%

▼年収
・個人年収「103万円以下」61.2%
・世帯年収「600万円未満」53.6% 「1,000万円以上」10.7%

▼配偶者控除・第3号被保険者制度
・制度廃止なら「働く時間を増やす」45.5%
・主婦パートの意向は、6年前から“変化なし”

▼仕事探しで重視する項目
・「労働時間・日数」94.1% 「勤務時間帯」93.9% 「賃金額」91.0%
・意識の高い主婦パートは、「評価制度(昇級・昇給等)」や「正社員登用の有無」の重視度がその他の主婦パートよりも高い

【調査結果】

1. パート・アルバイトとして働く理由

回答者に、パート・アルバイトとして働く理由を聞いた。上位は、「生活と仕事の両立を図りたいから」「自分の都合のよい時間や曜日に働きたいから」で、それぞれ 54.8% 、53.4%となり拮抗している。次いで、「扶養の範囲内で働きたいから」42.4%、「家の近くで働きたかったから」35.1%となり、生活の時間が確保できる、勤務時間の融通が利くなど、自身に負担のない働き方を好んでいることがわかる。
また、 同様の設問があった『平成22年版 パートタイマー白書』内で行ったアンケート調査(以下平成22年調査)について、同調査から20代から40代の既婚子持ち女性の回答者を抽出し、比較した。6年の間に、「生活と仕事の両立を図りたいから」「自分の都合のよい時間や曜日に働きたいから」は減少傾向にあったが、パート・アルバイトで働く理由の上位であることは変わらないようだ。

2. 働き方に対する志向

回答者に、自身の働くことに対する考え方は、「しっかり働きたい」と「そこそこ働ければよい」のどちらに近いのかを聞いた。結果は、「『そこそこ働ければよい』に近い」「どちらかと言えば『そこそこ働ければよい』に近い」が合わせて59.9%となった。パート・アルバイトとして働く理由では、生活とのバランスに重きを置いていることが見えたが、働き方についてもその傾向があるようだ。

3. 労働時間

回答者に、1週間の所定労働時間を聞くと、「週20時間以下」48.6%、「週20時間超~30時間以下」33.7%、「週30時間超~40時間以下」15.2%、「週40時間超」2.5%となり、半数近くが「週20時間以下」で働いていることがわかった。
また、許容できる1日の労働時間(残業含む)を聞くと、「5時間超~6時間以下」という回答が最も多く22.8%となった。以降は、順に「4時間以下」18.3%、「6時間超~7時間以下」と「7時間超~8時間以下」が同率で15.2%となっている。

4. 個人年収・世帯年収

回答者に、昨年1年間のおおよその年収を聞くと、61.2%が「103万円以下」と回答し、多くが配偶者控除を意識していることがうかがえる結果となった。次点は、「103万円超~130万円未満」で20.8%となっており、社会保険の被扶養者となれる収入を意識している者も多い。
また、自身と配偶者の年収を合わせた昨年1年間の世帯年収は、多い年収帯から「400万円未満」19.9%、「500~600万円未満」18.5%、「400~500万円未満」15.2%となっており、全体の53.6%が世帯年収600万円未満となっている。一方、「1,000万円以上」の家庭も10.7%あるようだ。

5. 税・社会保険制度が廃止されたら働き方をどうするか

回答者に、もし配偶者控除や第3号被保険者などの税・社会保険制度が廃止となったら、働く時間をどのように変えるかを聞いた。45.5%が、「働く時間を増やす」と回答しており、「103万円の壁」「130万円の壁」が実際に“壁”として作用していることが見て取れる。一方、「わからない」という回答も20.2%に上り、対応に迷っている様子もうかがえる。
また、個人年収別に回答の分布を見ると、現在すでに130万円以上で働いている者は、130万円未満で働く者よりも「働く時間は変えない」と回答した割合が高い。また、「103万円超~130万円未満」の回答者では、他の年収帯の回答者よりも「働く時間を増やす」の回答割合が高く、「働く時間は変えない」の回答割合が低くなっていた。また、「わからない」と回答した者の割合は、年収が低いものほど高くなっており、「103万円以下」の者では、4分の1に上る。
1週間の所定労働時間別で見ると、現在「週20時間超~30時間以下」で働いている者では、他の者よりも「働く時間を増やす」の回答割合が高く、「働く時間は変えない」の回答割合が低くなっている。現状、社会保険加入の基準が概ね週30時間未満であることから、その前後の労働時間で働く者には影響が大きいようだ。

また、 同様の設問があった平成22年度調査と比較をした。設問文と選択肢は一部異なっており、下図の選択肢の表記は、今回の調査に合わせている。
結果を見ると、今回の調査と平成22年調査では、6年間の隔たりはあるものの大きな差異は生じていなかった。半数近くが「働く時間を増やす」と回答しており、“もっと働きたい”主婦パートは、一定数存在しているようだ。また、回答者の多くが年収103万円以下であることを踏まえると、配偶者控除の廃止を念頭において回答している可能性が高いと思われる。

6. 仕事探しで利用する情報媒体・方法

回答者に、パート・アルバイトでの仕事探しをするとしたら、どのような情報媒体や方法を使って求人企業を探すか聞いた。最も多かったのは、「インターネットの求人サイト」で52.0%だった。次いで、「求人情報誌(フリーペーパー等)」49.7%、「新聞折込求人広告」36.0%、「職業安定所(ハローワーク)」34.6%の順となっている。
年代別に見ると、20代では、「インターネットの求人サイト」が突出して高く、76.5%に上る。次点には、「求人情報誌(フリーペーパー等)」58.8%が挙がった。30代では、利用率が高い順に「インターネットの求人サイト」が49.4%、「求人情報誌(フリーペーパー等)」43.8%、「職業安定所(ハローワーク)」34.8%となっている。40代では、「インターネットの求人サイト」と「求人情報誌(フリーペーパー等)」が同率で51.2%となり、次点は「新聞折込求人広告」39.6%となっている。

7. 仕事探しで重視する項目

回答者に、パート・アルバイトでの仕事探しの際に、以下の15項目をどの程度重視するかを聞いた。重視度(「重視する」と「どちらかと言えば重視する」の合計/以下同)が高かった項目は、「労働時間・日数」94.1%、「勤務時間帯」93.9%、「賃金額」91.0%となっている。
また、各項目に対する重視度を働き方に対する志向別に見た。「『しっかり働きたい』に近い」(「どちらかと言えば『しっかり働きたい』に近い」も含む/以下同)者ほど、各項目の回答割合が高く、より強く重視していることがうかがえる。特に、「正社員登用制度の有無」「評価制度の有無(昇給・昇級等)」において、「『そこそこ働ければよい』に近い」(「どちらかと言えば『そこそこ働ければよい』に近い」も含む/以下同)者との差が大きく、働く上でキャリアアップを意識していることがうかがえる。

8. 大切にしている仕事に対する姿勢

回答者に、日頃から仕事に対してどのような姿勢を大切にしているかを聞いた。結果は、「与えられた仕事に対して、最後まで責任を持って行う」が54.8%で突出して高くなった。次いで、「効率的に仕事を進められるように自分なりに工夫して取り組む」42.7%、「与えられた仕事は時間内にキッチリ終わらせる」34.6%、「報告・連絡・相談をこまめに行う」32.0%となっている。
仕事に対する志向別に見ると、「『しっかり働きたい』に近い」者は、「『そこそこ働ければよい』に近い」者よりも、「与えられた仕事はどんな仕事でも積極的に取り組む」「上司の指示を待つだけではなく自分から仕事を見つける」が5ポイント以上高くなっており、より積極的・主体的に仕事に取組む姿勢があるようだ。


【調査概要】
調査対象:パート・アルバイトで働く20代~40代の既婚子持ち女性
調査方法:インターネット調査
調査期間:2016年5月27日~28日
有効回答:356名

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