入社1年後の心境変化を追跡調査 

2014年03月26日
日本能率協会(JMA)は 2013年4月入社の社会人1年目の社員を対象に、「入社1年後の揺れる心の内」を調査した。転職意向、働き方、上司先輩に対する気持ちを、1年前の入社した時点と現在の心境との変化を調査したものである。2013 年4月入社の新入社員 1,002人のうち、今回の調査協力を了承した 314 人(プロフィールは4月時点とほぼ同じ)を対象に行った。入社時と1年後の比較調査は JMA 初の調査。

【調査結果】

1.会社への不満強まり、転職へと揺れる社会人 1 年目

◎今回の調査対象 77 人のうち、76 人(98.7%)が4月時点と「同じ会社」で働いている。転職者は1人。

◎入社時には9割弱が会社選びに満足(大変満足+どちらかといえば満足)していたが、1年を経たいま、5割強にまで半減(37 ポイント減)。不満(どちらかといえば不満+大変不満)が2割強に増加した。

◎その不満増加、満足度激減の要因を、入社時点の「期待」と1年後の現実との間の相違点にも見られる。入社後の会社について尋ねたところ、「期待以上」9.1%、「期待通り」64.9%、「期待外れ」26.0%。 1/4が期待外れと会社にやや失望している様子がうかがえる。なかでも、300 人以下の中小企業の社員の不満が 41.2%と高い。

◎期待外れの理由のトップの1つである「労働時間・休暇」では、期待以上+期待どおりとの開きも 11.2ポイント差があった。また、逆に期待以上+期待通りが多かった項目は、「職場の雰囲気」(9.8 ポイント差)、「自分の仕事内容」(9.6 ポイント差)である。

2.営業・販売系、事務・管理系に高い転職意向

◎1年の仕事経験を経て「定年まで勤めたい」は 40.8%とトップではあるものの、「 (独立・家業を継ぐを含) 転職意向」派が3割弱を占め、特に「転職したい」と明確に回答したのは 5.2%から 18.4%へ増加。

◎職種別に見ると、生産・製造系ならびに研究・開発系は「定年」までが多いが、事務・管理系、 営業・販売系の転職意向が 25%前後と高い。

◎会社が合わないと感じたときの行動は、営業・販売系の 20.8%、事務・管理系の 17.6%が「あまり我慢せず、できるだけ早く辞める」と回答。営業・販売系、事務・管理系のリテンション策や職場対応の工夫が求められる。

3. 上司・先輩に頼る気持ち抜けきれず、職場指導とチャレンジの場が鍵

◎職場経験1年を経て、上司先輩に期待する内容がガラリと変化。入社時に1、2位と突出していた「チャレンジする機会・場を与えてくれる」が 11.6 ポイント減、「頻繁にコミュニケーションをとってくれる」が 16.8 ポイント減。逆に、「困った時は、助けてくれる」10.4 ポイント増、「良い点を褒めてくれる」13.0 ポイント増となった。

◎会社への満足度別に、上司や先輩に期待することでは、“不満”層は「困った時は、助けてくれる」56.3%、“満足”層は「チャレンジする機会・場を与えてくれる」52.5%がトップとなった。


【調査概要】
・調査名称:社会人 1 年目調査
・調査対象:2013 年4月に入社、今年3月で社会人1年目を迎えた社員 314 人。(今回の調査協力に了承した人を対象とした)
調査方法:WEB アンケート 実施期間:2/25~3/8 回収数(率):77 人(24.5%)

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本能率協会]
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