家族形態別、「災害対策」実態調査 

2013年10月23日
オウチーノ総研は、20~69 歳の男女 562 人に「『災害対策』に関するアンケート調査」を行った。結果、「災害対策を行っている」と答えたのは全体で 78.1%だった。また、家族形態別に結果を見てみると、「夫婦」家庭が 86.3%と最も高かった。また、「『東日本大震災』を契機に災害対策を行うようになった」と答えたのは、全体で 58.6%にものぼった。

【調査結果】

1. 災害対策実施率が最も高いのは、「夫婦」家庭で 86.3%。

「災害対策」の実態を調査したところ、具体的な対策を講じているのは全体の 78.1%だった。家族形態別に見てみると、最も災害対策を行っている割合が高かったのは、「夫婦」家庭で 86.3%、次に「夫婦+子」が 79.7%、そして、「実家暮らし」が 75.8%、「一人暮らし」70.4%、「片親+子」69.2%だった。家族形態によって、最大 17.1%の差が生じる結果となった。
やはり、自分の家庭を持つと災害対策への意識も高まるのだろうか、「夫婦」家庭と「夫婦+子」家庭が 1、2 位となった。なお、「夫婦」家庭の約 7 割は 50 歳以上のため、子どもが既に独立した家庭も多く含まれていると考えられる。

対策を行っていない人にその理由を聞いてみると、最も多かったのが、「住んでいる地域ではめったに災害がないから」(50 歳/福岡県)という理由だった。地域によって地震発生頻度や台風上陸回数など、災害の発生頻度に差があることから、危機意識にも地域差があるようだ。他には、「そのうち、と思っている」(44 歳/富山県)、「何を準備すればいいか分からない」(26 歳/大阪府)、「防災の認識が甘いんだと思う」(35 歳/北海道)、「なんとかなると思っているから」(29 歳/千葉県)といった理由が多く聞かれた。

2. 「『東日本大震災』を契機に災害対策を行うようになった」、58.6%。


次に、災害対策を行うようになったタイミングを質問した。現在、災害対策を行っている人のうち、「東日本大震災を契機に行うようになった」と答えた人が 58.6%、「東日本大震災以前より行っていた」が 40.5%、「東日本大震災以後行うようになった」が0.9%だった。やはり、東日本大震災を目の当たりにして、危機意識を抱き、行動に移した人が多かったようだ。

家族形態別に見ると、「東日本大震災を契機に行うようになった」と答えた割合が最も多かったのが「一人暮らし」で、約 7 割だった。一方、「一人暮らし」全体のうち、東日本大震災以前に災害対策を行っていた人はわずか 22.4%だった。東日本大震災後、「絆」という言葉が多く聞かれるようになったが、特に「一人暮らし」の人は、頼れる家族が近くにいないことに不安を抱いた人も多かっただろう。今回の調査結果は、そういった不安感が行動を引き起こした結果ではないだろうか。

一方、「夫婦」「夫婦+子」家庭は、他の家族形態と比べると、「東日本大震災以前より行っていた」という家庭が多かった。 「東日本大震災以前より行っていた」人が、災害対策を行うようになった契機として最も多かったのが、「過去の自然災害」。なかでも多かったのが、「阪神淡路大震災」だった。阪神淡路大震災は、当時戦後最大規模の地震で、これを契機に日本のボランティア活動が活発化したり、建築基準法が改正されたりと、世の中に大きな影響を与えた。国民の防災意識も同様だったようだ。
次に多かったのが、「東海地震が心配なため」(40 歳/岐阜県)という理由と、「テレビの防災番組などを見て」(57 歳/北海道)という理由だった。他には、「子どもが生まれてから」(39 歳/大阪府)や、「家を新築したときから」(62 歳/千葉県)といった理由も聞かれた。また、「関東大震災以来、祖父、父から言い伝えられ最低限の備えを欠かしていない」(59歳/埼玉県)といった回答もあった。阪神淡路大震災、東日本大震災発生当時の状況や、災害対策の大切さを家庭内で伝えていくことも、我々のできる災害対策の一つなのだろう。

3. 最も行われている災害対策は「非常用水の確保」。

最後に、行っている災害対策の内容を聞いた。最も多かったのが「非常用水の確保」で 45.9%、次が「非常食の確保」で38.3%、そして「防災グッズの準備」が 32.4%だった。今回の調査では約 8 割の人が災害対策を行っていたわけだが、一つ一つの対策内容を見ていくと、最も多い「非常用水の確保」でも、行っている人は半数に満たないことが分かった。


【調査概要】
有効回答:20~69 歳の男女 562 名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2013 年 10 月 4 日(金)~10 月 5 日(土)

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[オウチーノ総研]
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