デジタル化の進展に対する意識調査(会員企業の管理職以上対象) 

2017年03月01日
日本情報システム・ユーザー協会(略称:JUAS)は、会員企業の CIO および CIO 経験者の有志により、今年度初めから「経営に資する IT とは」の視点で意見交換を行ってきました。 意見交換の内容は IT に関する社内体制のあり方、システム開発のあり方、そして人材育成までと多岐に渡りました。その意見交換の中で、これからの IT 投資においてビジネスのデジタル化対応は非常に重要なテーマであるが、メディア等で盛んに取り上げられている割には、本件に関して、ユーザー企業に関する情報があまり無いとの意見が出されました。
そこで、会員企業の CIO、IT 部門長などの本体管理職、情報システム子会社の社長、その役員・管理職にお願いし、IT に携わる個人の立場として「デジタル化の進展に対する意識調査」にご回答いただきました。その結果、

1. デジタル化のもたらす影響に関して、危機感は相当大きく、業界外から新たな競争相手が出現するとの回答が半数である。
2. 回答者の企業は、概ねデジタル化に向けて積極的に動き出している。その中にはトップランナーと見なせる企業もあり、その特徴も見られる。
3. デジタル化への対応にとって、「法規制」や「レガシーシステムの扱い」が足かせと考えている回答者も多い。

などが、速報の結果として考察されます。
今回の調査は会員企業の協力を得て行った関係で、必ずしも日本企業全体の姿を表すものではありません。しかし、各社がデジタル化への対応を考える上で一助となると考え、調査結果の主なものの速報値を発表いたします。なお、最終集計・分析結果は 2017 年 4 月に発表予定です。今回発表の速報値と若干のズレが生じる可能性があることをご了承ください。

【調査結果】

■デジタル化の進行の影響ありは、7 割強。
「その通りだと思う(35.1%))」、「ある程度そう思う(38.9%)」と 7 割強の回答者が影響ありと回答。一過性のブームと考えているのは僅かである。

■日本のデジタル化への対応は「欧米に比して遅れている」が 9 割。
チャートに見られるように、「圧倒的に遅れている(39.4%)」、「多少遅れている(50.0%)」と、遅れていると認識している率が約 9 割と非常に高い。一方、6.3%と非常に少ないが、「遅れているとは思わない」との回答もある。
回答者の所属業種などとのクロス分析は、最終集計結果の中で発表となるが、遅れていると意識している回答者の所属企業は、比較的サービス系の業種に多いようである。

■9 割が自社の経営にビジネスのデジタル化の影響はあると考えており、2 割強が破壊的な影響あり。
「破壊的な影響あり(23.6%))、「ある程度影響あり(71.2%)」と 9 割が影響あり考えている。
「破壊的な影響あり」の危機感を持っている業種の回答者は、機械器具製造業が際立って多い。

■ビジネスのデジタル化の進展に伴っての新たな競合は、6 割が業界外を意識。
新たな競合は業界外からと意識している回答が 6 割であり、回答者の業種は金融、社会インフラ、そしてサービス系企業の回答者が多い。

■自社の対応が遅れていると感じているのが 6 割強、一方進んでいるとの回答も 3 割弱。
デジタル化への取り組みについて、「あまり進んでいない(50%))、「かなり遅れている(15.9%)」と6 割が回答している。しかし、一方では「進んでいる(27.4%)」との回答もあり、その回答者の業種は、建築・土木、金融、社会インフラが多い。

上記チャートから、他社に比べ進んでいる企業数と進んでいない企業数から加重平均を行って、下図チャートのように取組に関してのトップランナー、セカンドランナー、フォロワーに区分し、クロス分析を行った。
N=208 の回答の 27.4%をトップランナー、50.0%をセカンドランナー、そしてフォロアーを 15.9%として、主要な項目に関してクロス分析を行い、トップランナーの特徴を考察した。以下、その一部を報告する。

■トップランナーは、デジタル化の影響を経営や事業部門と共有している。
経営や事業部門など関係部門との影響度の共有具合は、トップランナーは比率が 31.6%、一方、セカンドランナーは 12.5%、フォロワーは 9.1%と大きな差がある。

■トップランナーは、デジタル化への対応の戦略を策定済みが 29.8%と相対的に高い。
トップランナーのデジタル化対応の戦略策定は「既に策定済み(29.8%)」、「現在策定中(54.5%)」と合わせると 85%弱が準備を進めていることが伺える。

■デジタル化への対応は事業部門と IT 部門の共同チーム中心が主体である。
デジタル化への対応の体制は、「事業部門と IT 部門の共同チーム中心と考えている」のが 40.9%であるが、トップランナーはデジタル化専門組織を立ち上げて対応しているケースがあり(14%)、業種別では、金融において顕著であった。

■トップランナーは、IT 投資の中のデジタル化への投資比率は高い。
IT 投資全体の 3 割以上をデジタル化に投資している比率が、トップランナーが 14.0%と比較的高く、セカンドランナーは 6.8%、フォロワーは 3.0%である。IT 投資の 1 割以上をデジタル化に投資している傾向を見ると、その傾向は際立ってくる。

■新技術で意識しているものは 1 位が IoT、2 位が AI であるが、3 位になると業種で差がでる。
第一位で見ると IoT(51.4%)、AI(37.0%)が高い。一方、第 3 位になると異なり、求められる新技術は様々であり、業種でその傾向は異なる。

■注目技術に関しては、積極的に対応中。
注目している技術に関しては何らかの対応を始めている回答者が半数である。

■デジタル化への対応で法規制が障害と考えているのは、約半数。
法規制が対応への障害と「強く感じる」が 9.6%、「ある程度感じる」が 39,4%と約半数の回答者が何らかの障害になると考えている。回答者の業種を見ると、機械器具製造、金融、そして社会インフラ関係が相対的に障害と感じている比率が高い。

■「レガシーシステムがデジタル化への対応の足かせ」と、7 割弱が感じている。
「強く感じる(17.2%)」、「ある程度感じる(50.0%)」と 7 割弱が足かせと感じている。そして、この傾向はデジタル化への対応が進んでいないと回答したケースほど、強い。

■トップランナーは、既にレガシーシステムから脱却している比率が相対的に高い。
トップランナーは、レガシーシステムから既に脱却している比率は 17.5%であるが、この比率はセカンドランナー、フォロワーと徐々にその割合は下がる。

■デジタル化の進展によって影響の大きいものは、商品・サービス形態とワークスタイルが上位。
「商品・サービス形態(70.2%)」「ワークスタイル(66.8%)」「意思決定スピード(61.16%))」、そして「顧客接点対応(58.7%)が高い。

■エコシステムの構築が必須で、他業界や IT ベンダーとの連携を模索している。
デジタル化への対応は、他社との連携であるエコシステムの構築を 9 割の回答者が必要と答えており、その連携先は他業界や IT ベンダーを考えているようである。

■デジタル化による事業価値向上に取り組んでいるものの、効果を実感できていない。
約 7 割の回答者が何らかの取組をしているようであるが、その効果はまだ実感できていない。


【調査概要】
この「デジタル化の進展に対する意識調査」は、CIO との意見交換がきっかけとなり、IT 関係者がデジタル化の動きに関してどのように意識し対応しているのかに関し緊急に調査したものです。
そのため企業を代表しての回答ではなく、あくまで IT に携わっている個人の意見として、本協会で何らかの活動に参加いただいている、会員企業の CIO、IT 部門長や管理職、情報システム子会社の社長、役員そして管理職の方々など、208 名の方から回答いただきました。従って今回の結果は国内の全企業の平均や、業界の数字を必ずしも表すものではない事を予めご承知ください。

本調査は、野村総合研究所のご支援を受け、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(略称:JUAS)が行いました。
本リリースは、調査結果をいち早く皆様にお役立ていただくために「速報値」として公開するものです。正式なデータや分析結果については、ダイジェスト版を 2017 年 4 月に報告する予定です。

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