国内の自治体向けBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービス市場調査 

2019年03月13日

矢野経済研究所は、国内の自治体向けBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービス市場 を調査し、各カテゴリーごとの市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

<自治体向けBPOサービス、自治体向けBPOサービス市場とは>
本調査における自治体向けBPOサービスとは、BPO事業者による地方自治体業務の代行サービスのことを指す。「事務代行サービス」「施設運営代行サービス」「社会インフラ関連業務代行サービス」の3カテゴリーを対象とする。おもに管理・運営部門向けのサービスであり、建設部門(建設費用)向けサービスは含まない。
また、自治体向けBPOサービス市場規模は、「株式会社(特例有限会社を含む)」のBPO事業者売上高ベースで算出し、その他法人や地方公共団体等は含まない。

<事務代行サービスとは>
「事務代行サービス」とは、窓口や総務・庶務、人事、経理、マイナンバー、戸籍・住民票、国民健康保険、介護保険、障がい福祉、臨時福祉給付金、生活保護、税務、庁舎清掃、ごみ収集・リサイクル、学校教務・事務・給食関連業務などの業務の代行サービスのことである。(バックオフィス系の従来型業務委託を対象とし、情報システムの開発・保守・運用業務および人材派遣は除いている)

<施設運営代行サービスとは>
「施設運営代行サービス」とは、図書館やスポーツ施設、公園、美術館、文化会館・市民ホール、福祉センター、老人ホーム、道の駅、宿泊施設、公営住宅、コミュニティバスなどの運営業務の代行サービスのことである。(建設部門以外の管理・運営部門向けサービスを指す)

<社会インフラ関連業務代行サービスとは>
「社会インフラ関連業務代行サービス」とは、水道や工業水道、交通(陸上交通)、電気、ガス、病院、下水道の事業に関わる業務の代行サービスのことで、「地方公営企業法の適用を受ける事業」に限定している。(簡易水道、下水道事業において、同法の任意適用事業は市場規模に含む)

1.市場概況

 2017年度の国内自治体向けBPOサービス市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比3.2%増の4兆2,399億9千万円となった。住民からの行政に対するニーズが多様化する一方、自治体職員数が減少しているため、職員の負担が大きくなっている。また、地方自治体の事業は利用者が少なくなっても事業を簡単に縮小できない。こうした事情から、民間ノウハウや民間資本を活用したアウトソーシング化が進んでいる。

2.注目トピック

コンセッション方式の水道事業の今後
 コンセッション(公共施設等運営権)方式で水道事業の運営権を移行することができるようになっても、設計から検針業務までを1社で実行できる企業は少なく、これらのミクロマネージメントは既存の水道事業者が従来通り行なうと予測する。
但し、コンセッション方式の導入により、配管の管理といったミクロマネージメントではなく、全体的な運営(マクロマネージメント)が可能なプレイヤー(BPO事業者)が出現すると考える。

3.将来展望

事務代行、施設運営代行、社会インフラ関連業務代行いずれのサービスも引き続き伸長する見通しである。市場の拡大とともに自治体向けBPOサービス市場にはさまざまなプレイヤーが現れており、自らの環境にあったBPOサービスを選択し、導入する地方自治体が増えている。こうしたことから、2017年度から2023年度までの年平均成長率(CAGR)は3.5%で推移し、2023年度の国内自治体向けBPOサービス市場規模(事業者売上高ベース)は5兆2,127億円になると予測する。

調査概要


調査期間: 2018年11月~2019年2月
調査対象: 自治体向けBPO事業者
調査方法: 当社専門研究員による直接面接取材、ならびに文献調査その他データ収集併用

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[矢野経済研究所]
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