国内M2M市場に関する調査 

2018年06月29日

矢野経済研究所は、国内外のM2M市場を調査し、アプリケーション分野別の動向、主要ITベンダー動向、次世代のIT技術動向、将来展望などを明らかにした。

〈M2Mとは〉
本調査におけるM2M(Machine to Machine:機器間通信)では、人が介在せずに、主に携帯電話/PHS通信規格に準じた通信モジュールを内蔵した機器・デバイス間で情報のやり取りをする仕組みを指す。

〈M2M市場とは〉
本調査におけるM2M市場規模とは、M2Mを実現を実現するためのデバイスやモジュール、システム構築やアプリケーション開発、回線利用料、M2M/IoTプラットフォーム利用料、データ解析・アナリティクス等のソリューション、運用・保守サービスなどを対象として算出した。

<市場に含まれる商品・サービス>
ソリューション/アプリケーション開発/運用管理、プラットフォーム/汎用クラウド、M2M回線/その他ネットワーク、通信モジュール/センサー・デバイス、その他

1.市場概況

2016年度の国内M2M市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比3.7%増の1,670億円であった。新たにLTE通信モジュールの普及やそれを利用したアプリケーションの拡大もあり、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクの主要3キャリアともに堅調に推移している。加えて、NTTドコモやKDDIのMVNOが提供するサービスも好調であった。2017年度も自動車や流通小売業向けなどMVNO関連での需要拡大を背景として伸びが加速しており、2017年度の同市場規模は前年度比6.0%増の1,770億円の見込みである。主要キャリアも引き続き拡大基調となっており、エネルギー関連(新電力含む)や防犯・セキュリティ、製造、運輸・物流といった分野でのM2M利用が好調である。

2.注目トピック

IoTスターターキットへの参入が続く
主要なITベンダーやSIerなどでは、「データ収集/見える化」及び「遠隔モニタリング」などを迅速・廉価に実現できるソリューションをパッケージ化して、トライアルユーザをメインターゲットにIoTスターターキット(スタンダードパック、お試しキット、PoCキットなど様々な呼称がある)の展開を進めている。
これまでのIoTスターターキットは製造業向けが主体であったが、物流や農業、公益・公共(社会インフラ、エネルギーなど)、見守り・セキュリティ、流通などの幅広い業種・業態向けのキットも販売が始まっている。このようなIoTスターターキットでは、M2Mも利用されており、40社以上の企業が参入している。

3.将来展望

2018年度以降は、MVNO関連の需要増等で国内M2M市場の拡大は続くものの、徐々にM2MとIoTの境界線が薄れており、M2M自体の呼称が消失する可能性もある。実際に大手ITベンダーではM2Mを冠した組織がなくなりつつあり、5G以外の次世代テクノロジーであるLPWA(Low Power Wide Area)を利用した通信やAI、VR/AR、作業支援用ロボット、コミュニケーションロボット、ドローンなどの機器・デバイス間への適用が進み、IoT社会を実現するためのアプローチが様々な領域で実装段階に入ってくる。
一方、M2M市場は安定的に推移し、2022年度の国内M2M市場規模(事業者売上高ベース)は2,020億円になると予測する。将来的に、センサーネットワーク社会と表裏一体の形でIoT社会が実現し、M2Mを含めたIoT技術は現在の通信インフラと同様に社会インフラの一翼を担うようになると考える。

調査概要


・調査期間: 2017年12月~2018年4月
・調査対象: 国内外のITサービス事業者、SIer、通信キャリア・MVNO(Mobile Virtual Network Operator)、プラットフォームベンダー、デバイスメーカー、ユーザ企業等
・調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングやアンケート調査、ならびに文献調査を併用

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