2018年海外直接投資信頼度指数(The Foreign Direct Investment Confidence Index(R):FDICI) 

2018年05月08日

経営コンサルティング会社A.T. カーニーは、2018年海外直接投資信頼度指数調査の結果を発表し、投資先として魅力のある国の上位25カ国をランキングした。今年も米国が首位の座を維持し、2位にはカナダが浮上、ドイツは3位に順位を落とした。英国は引き続き4位、中国が5位に入り、日本は昨年同様の6位だった。

2018年調査結果のポイント


  • A.T. カーニー「2018年海外直接投資信頼度指数(The Foreign Direct Investment Confidence Index(R):FDICI)」調査の結果によると、今年も米国が首位の座を維持し、2位にはカナダが浮上、ドイツは3位に順位を落とした。英国は引き続き4位、中国が5位に入り、日本は昨年同様の6位だった。
  • 北米自由貿易協定(NAFTA)をめぐる状況の変化により、北米の海外直接投資 の流れ はかなり大きな変化を見せると思われる。投資家の多くは、もしNAFTAが終了したら彼らの会社の営業コストは上昇するだろうと語っている。
  • 投資家の多くは、規制の動き及び市場の状況により、海外での活動を特定地域に局地化する動きを見せている。これにより求められる海外直接投資(FDI)の水準は高くなっている。

概要


本調査によれば、投資家の79%は、今後3年間に海外直接投資の増額を計画している。この割合は昨年より4%増え、地政学的な不安定さ、経済の拡大という動きの中で投資家が楽観的な見方を崩していないことが分かる。事実、投資家はグローバル経済にさらに大きな信頼を寄せており、66%がグローバル経済の見通しは昨年より明るくなったと考えている。

このような楽観的な見方にもかかわらず、「Investing in a Localized World (現地化する世界における投資)」と題された今年のFDICIレポートによれば、投資家は事業への保護主義の影響を小さなものに留めるための戦略を採用し、経済の混乱に対する備えをますます強めている。投資家の89%が投資の現地化を進めている、あるいは考慮していると回答した。このような決定の重要な要因となっているのが、政府による規制策である。投資家の3分の1以上が、市場に対するアクセスの規制が現地化の決断を促したと述べ、27%が保護主義的な貿易政策が現地化の決断を促したと述べている。現地化戦略により、投資家らは特定の地域においてサプライチェーンを作り、製品を生産し、労働力を求めるようになり、これに伴い投資家の海外直接投資額は増大している。

現地化するこの世界において、投資先としては先進国市場が優勢であり、今年のランキングでも上位25カ国のうち先進国が84%を占めた。ランキング首位は6年連続で米国。アジアのほぼ全ての先進国の市場はランキングでの順位を上げた。欧州先進国の市場も力強い動きを見せており、ランキング上位25カ国の半数以上が欧州先進国であった。

中国、インドなど新興国市場は今年のランキングでは順位を落としたが、全体的に見れば投資先として高い順位を維持している。これは、マーケットの規模の大きさ、早い経済成長によるものである。順位が落ちた理由は、投資家が経済のファンダメンタルズ全般の変化より、規制の不透明性、政治の不安定性に重きを置き、この点に大きな懸念を抱いているからだと思われる。

投資家はまた、今年は去年よりも新興国で政情が不安定になる可能性が高いと見ている。投資家は4年続けて、地政学的緊張の高まりがその年一番の不確定要素であり、しかもその発生の可能性は高いと判断している。

地域別概要


■アメリカ地域:
アメリカ地域を魅力的な投資先とみなすかどうかについて投資家の意見は割れている。米国 (1位) 、カナダ (2位) 、メキシコ (17位) など北米市場は上位を維持あるいは順位を上げたが、ブラジルは昨年の16位から25位に転落した。世界の投資家はアメリカ地域の経済見通しについては非常に楽観的である。投資家の40%以上がこの地域の経済見通しについて昨年より楽観的な見方を示している。

■欧州地域:
欧州は国外投資家にとって特に魅力の高い投資先であり、ランキング上位25カ国のうち14カ国が欧州諸国である。ドイツは3位に順位を落としたが、英国は4位の座を維持した。フランスは7位を維持、スイスは9位、イタリアは10位にそれぞれ順位を上げた。オランダ(13位)、スウェーデン(14位)、アイルランド(19位) はそれぞれ1つずつ順位を上げたが、スペインは15位にランクを落とした。ベルギーは21位、オーストリアは24位で昨年と同じだった。今年25位以内に初めて入った国はデンマーク(20位)、ポルトガル(22位)、ノルウェイ(23位)で、全て欧州の国であった。

■アジア太平洋地域:
投資家が最も強気の見通しを持っているのがアジア太平洋地域である。この地域については43%の投資家が昨年より楽観的な見方をしている。しかし、この地域の投資先としての魅力は少し下がっているようだ。今年のランキングに入っているのは7カ国のみ。中国(5位)、インド(11位)、シンガポール(12位) は全て順位を下げた。オーストラリアは8位に上がり、ニュージーランドは16位と、ランキング入り2年目にして大きく順位を上げた。日本と韓国はそれぞれ6位と18位で昨年と変わらなかった。

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