「ネットとリアル」消費者購買行動調査(20歳以上の男女対象) 

2018年06月20日

アサヒグループホールディングスは、全国の20歳以上の男女を対象に「ネットとリアル」をテーマに、日ごろの皆さんの消費者購買行動についてアンケートしてみました。

かつて商品購入といえば、商店街やスーパーでの店頭購入が当たり前でした。ところが、90年代後半にEC(電子商取引)が出現して以来、私たちの暮らしは大きな変化を遂げました。現在、食品や日用品の大半をネット注文しているという人も、きっと多いことでしょう。とはいえ、その一方で「これはネットではなく、店頭で買う」と決めている商品もあるのではないでしょうか。

調査結果サマリー


  • 7割近くが「ネットショッピング好き」、年代と共に好感度が低下へ
  • 半数近くが「月1回以上」の頻度で利用、ちょこちょこ買い物する女性の姿も
  • 男性は仕事に合間に「パソコン派」、女性・20代は携行性の高い「スマホ派」
  • 6年前よりもスマホ利用は15.3%増、スマホの大型化でタブレットは減少へ
  • 男性人気は「書籍」「家電」「PC関連」など、娯楽・趣味関連のアイテム
  • 「ファッション」「化粧品」など、女性は「美関連アイテム」をネットで入手!
  • 「衣類」は実店舗とネットの2極化、「宝飾・ブランド品」は失敗避けて実店舗へ

調査結果


7割近くが「ネットショッピング好き」、年代と共に好感度が低下へ

まず、ネットショッピングが好きという人はどの位いるのでしょうか。「いいもの、欲しい物があればすぐ購入してしまう。ついつい、夢中になってしまう」(女性40代、東京都)など、大好き」と回答した人は13.1%。さらにまあまあ好き」という声も55.4%を数え、全体の7割近くの人びとがネットショッピングをポジティブに受け入れていることが明らかとなりました。自由回答の中には「歩き回らなくても、同じ商品の価格の比較ができる」(女性50代、愛媛県)など、自宅に居ながら、商品比較や購買が出来て時間短縮に便利という人もいました。

年代別で「大好き」「まあまあ好き」という声を見てみると、20代で93.5%、40代で77.3%、60代で56.4%と徐々に減少。さらに70代以上で51.2%まで落ち込み、年代と共にネットショッピングに対する好感度が著しく低下しました。生まれた頃からネットのある生活が当たり前のデジタルネイティブと、それ以前の世代ではネットショッピングに対するイメージに大きな隔たりがあることがうかがえます。

では全体の3割以上を占める「(ネットショッピングが)あまり好きではない」「大嫌い」という理由を具体的に見ていきましょう。「実店舗より安いというイメージ。しかし実店舗と違い試着が出来なかったり、不備がないか見たりが出来ない」(女性30代、愛知県)など、直に見て触って確認できないため、「安かろう悪かろう」ではないかと不安が大きいという声。「個人情報の流出その他心配が多く、自分でトラブルの後始末をする自信がないので」(女性50代、神奈川県)など、セキュリティや安全性に問題を感じ、安心して買い物が出来ないという人も少なくありませんでした。

半数近くが「月1回以上」の頻度で利用、ちょこちょこ買い物する女性の姿も

ネットショッピンの利用頻度は? SA(単回答)
・週3回以上 3.4%
・週1回程度 6.9%
・月2~3回 17.1%
・月1回程度 24.4%
・半年に数回 22.8%
・過去に何回か購入 18.1%
・購入したことがない 7.3%

日ごろから多くの人びとが、ネットショッピングに親しんでいることが明らかとなりました。次に具体的な利用頻度を見ていきましょう。「探したい物がすぐ見つかるので、週一回ぐらいの頻度で本など探し買う」(男性40代、大阪府)など、「週1回以上」と回答した人は全体の10.3%。さらに「夜でも買い物が出来る事が便利で、月2~3回利用している」(女性60代、北海道)など、「月2~3回」「月1回程度」という声も41.5%を数え、全体の半数以上の人びとが「(少なくとも)月1回以上」の頻度でネットショッピングを利用していることが判ります。自由回答の中には「週3~4回は何かしら買ってしまう。なくてはならない存在」(女性30代、神奈川県)など、「週3回以上」(3.4%)という声も寄せられ、スーパーやコンビニ以上に常用しているというネットショッパーもいました。

性別で「週1回以上」という声を見てみると、男性回答は9.1%。一方で女性回答は男性よりも2.6%も高い11.7%を示しました。自由回答の中には「重たいものを運ぶのが嫌なので、日用品等をよく買う」(女性30代、岡山県)など、食品や日用品購入等、より頻繁にネットで買い物を行う女性の消費行動が見られます。ところが「月2~3回」「月1回程度」という声を見てみると、男性回答は42.2%であったのに対して、女性回答は1.4%低い40.8%を示しました。高頻度でちょこちょこネットショッピングを行う女性に対して、購買間隔は空くものの、定期的に買い物を行う男性の姿がうかがえます。

続いて、年代別で「月1回以上」という声を見てみると、20代では77.4%と非常に高い利用率を示しましたが、40代で61.9%、60代で43.6%と次第に減少。さらに70代以上で僅か34.1%に留まり、ネットショッピングに対する好感度と同じく、年代と共に利用頻度も下がる傾向が見られました。

男性は仕事に合間に「パソコン派」、女性・20代は携行性の高い「スマホ派」

ネットショッピングに利用するのは?
1 PC(パソコン) 84.5%
2 スマートフォン 24.4%
3 タブレット 4.8%
4 携帯電話 0.2%
MA(複数回答)/N=582人

ネットでの買い物時、皆さんはパソコン、スマホ、タブレットのどのデバイスを利用しているのでしょうか。「パソコンの方が正確にちゃんと注文できる。携帯は信頼できない」(男性40代、大阪府)など、「PC(パソコン)」と回答した人は84.5%。画面の大きさや見やすさ、必要事項の入力などの利便性は、パソコンの方が高いという声が目立ちました。その一方で「昼の空いた時間にスマホから購入している」(女性40代、福岡県)など、「スマートフォン」という声も24.4%を数えました。携行性の高いスマホはPCと異なり、自宅に限らず、外出先からでも手軽にショッピングが出来る点に高い支持が寄せられました。日用品を買い切らした時でも、移動時や仕事の合間にスマホからポチッとするだけ。パソコンをいちいち立ち上げるよりも、素早く操作できるスマホを優先する人もきっと多いのではないでしょうか。

性別ではいかがでしょうか。「PC(パソコン)」(男性=89.8%、女性=78.8%)という声は男性回答が女性を11.0%上回り、男性はPCからのアクセスが目立ちました。一方で「スマ-トフォン」(男性=20.1%、女性=29.1%)、「タブレット」(男性=3.6%、女性=6.1%)は女性回答が男性を上回り、より携行性を重視したデバイスに人気が寄せられました。次に年代別で見てみると、「PC(パソコン)」(20代=56.7%、40代=86.9%、60代=93.3%)は年代と共に利用が高まる一方で、「スマートフォン」(20代=63.3%、40代=26.9%、60代=10.0%)は若い世代ほど増加する傾向が見られました。特に20代においてはスマホがパソコンを6.6%上回り、年代間の利用デバイスの違いが顕著に表れました。

6年前よりもスマホ利用は15.3%増、スマホの大型化でタブレットは減少へ

ちなみに過去に実施した同調査と比較してみると、「PC(パソコン)」(2018年=84.5%、2016年=90.9%、2012年=93.8%)は6年前と比べて9.3%減、2年前と比べて6.4%も減少。その一方で、「スマートフォン」(2018年=24.4%、2016年=17.2%、2012年=5.2%)は6年前と比べて19.2%増、2年前と比べて7.2%も増加し、この6年間でパソコンからスマホでの購買行動が飛躍的に伸びていることが判ります。ところがスマホと同じくモバイル性の高い「タブレット」(2018年=4.8%、2016年=5.9%、2012年=1.0%)は、この2年間で1.1%も減少し人気に陰りが見え始めています。モバイル性が高く、パソコンとスマホの中間的な製品として重宝されてきたタブレットですが、昨今ではスマホ画面も大型化しており、両製品の特長にあまり差異がなくなりつつあります。そういった意味では、スマホからのネットショッピング利用が拡大するのも当然といえるでしょう。

男性人気は「書籍」「家電」「PC関連」など、娯楽・趣味関連のアイテム

では、皆さんがネットショッピングでよく買う商品は何でしょうか。次にランキング形式で見ていきましょう。まず、男性回答のトップは「家電・AV機器」(31.8%)でした。「家電は実店舗より安く購入できる」(女性30代、山口県)など、実店舗で機能やデザイン等を確認して、価格の安いネットで買うという声。同じく4位に「パソコン・関連機器・ソフト」(27.0%)、10位にも「CD・DVD、音楽・映画ダウンロード」(19.3%)が続き、家電やパソコン関連、音楽・映画等々、暮らしに必須のアイテムというよりも、娯楽・趣味性の高い商品をネットで買い求める男性が目立ちました。

男性:ネットショッピングで買うものは?
1 家電・AV機器 31.8%
2 雑誌・書籍 29.4%
3 パソコン・関連機器・ソフト 27.0%
4 ホテル・旅行予約 25.7%
5 日用品・生活雑貨 25.3%
6 食品(生鮮食品・米・油など) 23.6%
7 酒類(ビール・焼酎・ワインなど) 23.3%
8 ファッション(衣類・靴など) 21.3%
9 CD・DVD、音楽・映画ダウンロード 20.6%
10 各種チケット(航空券・コンサート・イベントなど) 19.3%
MA(複数回答)/n=296人

同じく娯楽・趣味性の高いアイテムとして、2位にも「雑誌・書籍」(29.4%)がランクイン。「書籍や雑誌は本屋に行く手間がないのが良い」(男性40代、東京都)など、本屋に寄る時間の取れない、忙しいサラリーマンに便利という声。さらに「特定の本は漫然と古本屋を回ってもなかなか見つからないが、ネットなら有無がすぐ分かって良い」(女性50代、京都府)という声も寄せられ、特にお目当ての書籍を探す場合は、書店よりも一発検索できるネットの方が断然便利であることがうかがえます。また、書籍は衣類や食品のように品質の良し悪しに違いがないため、ネット購買のハードルが低い商品と言えるかもしれません。

「娯楽・趣味関連アイテム」以外で男性回答に多かったのは、4位「ホテル・旅行予約」(25.7%)、9位「各種チケット(航空券・コンサート・イベントなど)」(27.0%)でした。「旅行のチケットを取ることが多い。新幹線や飛行機の予約では席を選べるので気に入っている」(男性50代、神奈川県)など、旅行時のチケット予約はネットでスマートに行うという声。さらに「ビールはケース単位で頼むので配送が必須」(男性50代、東京都)など、7位「酒類(ビール・焼酎・ワインなど)」(23.3%)など、重くて嵩張るお酒類も玄関口まで運んでくれるネットが便利という声。特に暑さが増すこれからのシーズンは、酒類をネット注文する頻度が益々高まるのではないでしょうか。

「ファッション」「化粧品」など、女性は「美関連アイテム」をネットで入手!

その反面、女性回答のトップは「ファッション(衣類・靴など)」(39.3%)でした。「服や靴はサイズが豊富で、街中では入手困難なものが見つかる」(女性50代、北海道)など、実店舗では選択の幅が狭くなるため、カラーバリエーションやサイズ等が選べるネットを重視するという声。試着せずに洋服を買うことに抵抗を持たない人も意外に多く、近場で手に入らないファッションアイテムをネット探す人が目立ちました。さらに「化粧品はネットのみ。店員と顔合わさなくていいので」(女性40代、千葉県)など、2位にも「化粧品・スキンケア用品」(33.3%)が挙げられ、「衣類」「化粧品」など、女性は「美」を意識したアイテムをネットでこっそり入手していることが判ります。

女性:ネットショッピングで買うものは?
1 ファッション(衣類・靴など) 39.3%
2 化粧品・スキンケア用品 33.3%
3 日用品・生活雑貨 32.2%
4 食品(生鮮食品・米・油など) 31.9%
5 ホテル・旅行予約 22.6%
5 スイーツ・お菓子 22.6%
7 酒類(ビール・焼酎・ワインなど) 21.5%
8 家電・AV機器 21.1%
9 雑誌・書籍 19.6%
10 各種チケット(航空券・コンサート・イベントなど) 19.6%
MA(複数回答)/n=270人

次に3位は「日用品・生活雑貨」(32.2%)。「地方在住なので、日用品がすぐに手に入るのは有り難い」(女性40代、兵庫県)など、暮らしに必要な消耗品はすぐ届くネットが便利という声。さらに「お米や飲料は重いのでネットが便利」(女性40代、広島県)など、4位に「食品(生鮮食品・米・油など)」(31.9%)、5位にも「スイーツ・お菓子」(22.6%)が続き、日用品や食品・スイーツなど、日常的な買物をスーパーの代替としてネットで済ませるという声が多数寄せられました。男性のネットショッピングは、娯楽・趣味性が高い「非日常的な買い物」が目立った一方で、女性の場合は、日々の暮らしに必要な「日常的な買い物」を買い求める人がとても多いことがうかがえます。

「衣類」は実店舗とネットの2極化、「宝飾・ブランド品」は失敗避けて実店舗へ

ここまでネットでよく購入する商品を見てきましたが、その反面、オンラインではなく、皆さんが店頭で直に見て手に取って買っている商品は何でしょうか。最も回答が多かったのは「ファッション(衣類・靴など)」(71.2%)でした。「縫製などをちゃんと見たいから」(女性30代、京都府)、「洋服も同じMサイズでもメーカーによって違うので」(女性60代、千葉県)など、画像では生地の肌触りや縫製、サイズ等が正しく分からないという声が多く、ネットでの衣類購入を避ける人が目立ちました。中でも「(過去に」靴は何足か買ったがサイズで失敗した」(女性40代、兵庫県)、「靴は夕方、実際に履かないと分からない」(女性60代、千葉県)など、ネットでの靴探しにひと苦労したというエピソードも寄せられました。また女性の場合、ネットでよく買うアイテムの人気ナンバーワントにも「ファッション」が選ばれており、「ネット購入派」と「実店舗購入派」に大きく2極化していることがうかがえます。

実店舗で直に見て、手に取って買いたい商品は?
1 ファッション(衣類・靴など) 71.2%
2 食品(生鮮食品・米・油など) 38.4%
3 宝石・アクセサリー 22.2%
4 家電・AV機器 21.9%
5 海外有名ブランド品(バッグ、時計など) 19.8%
6 スイーツ・お菓子 14.6%
7 収納・インテリア 12.7%
8 キッチン・生活雑貨・食器 11.1%
9 日用品・生活雑貨 9.7%
10 スポーツ用品(自転車、ゴルフ、アウトドア等) 8.3%
MA(複数回答)/n=576人

「衣類」と同じく身に付けるものでは、3位に「宝石・アクセサリー」(22.2%)。「アクセサリーは繊細で少しお高いので、実際に目や手で確認し、店員さんとやり取りしながら購入したい」(女性30代、東京都)など、失敗の許されない高価なアイテムは、実店舗で慎重に検討して買いたいという声。さらに「ブランド品は偽物が横行しているので、正規店で確かめて購入したい」(男性50代、東京都)など、5位にも「海外有名ブランド品(バッグ、時計など)」(19.8%)が挙げられ、自分の目でしっかりと品定めしたいという人が少なくありませんでした。

続いて、2位は「食品(生鮮食品・米・油など)」(38.4%)がランクイン。「食品は安全面が気になるので、店頭販売の方が安心できる」(女性30代、大阪府)、「食品なら鮮度を確認してから買いたい」(男性60代、東京都)など、食の安全性や衛生面の上から、消費期限が短い生鮮食料品のネット購入は避けたいという声。さらに6位にも「スイーツ・お菓子」(14.6%)が挙げられました。以下、7位「収納・インテリア」(12.7%)、8位「キッチン・生活雑貨・食器」(11.1%)、9位にも「日用品・生活雑貨」(9.7%)が続き、日常使いの商品はわざわざネットで買うほどでもないと考える人もいました。

そのほか、「アフターサービスが不可欠な物は実店舗で購入」(男性50代)など、購入後にメンテナンスを必要とする製品は実店舗で買うという声。「店員の助言を期待したいものなどは、スーパーやデパートで買うようにしている」(男性70代、東京都)など、専門家のアドバイスを商品購買の参考にしたいという声も寄せられ、実店舗ならではのきめ細かいケアに期待する人も少なくありませんでした。また自由回答の中には「(お店を)見て買うのは楽しいですよね。出かけたい!」(女性70代、静岡県)など、あちこち、いろいろなお店や商品を見て回るのがお買い物の醍醐味という人もいました。

調査概要


調査対象:全国の20歳以上の男女
有効回答数:648人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2018年6月13日~6月19日

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[アサヒグループホールディングス]
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