マーケティング調査&データ分析会社 ニールセンは、競争環境の大きな要素である、「ショッパー」の概要を捉える調査を実施し、分析した報告書を発行しました。

調査結果サマリー


  • 5人のうち2人の消費者は半年のうちに日常の生鮮食品の買物でも新しいお店で買い物をしている
  • 40%のショッパーは過去6か月のうちに新しい店舗で買物をしている
  • 22%のショッパーは昨年よりも多くのPB製品を購入している

ニールセンが2018年に発表したショッパー意識調査では、ショッパーは日常の買物であっても「楽しみ」を求めていることが確認でき、40%のショッパーが過去6か月の間に新しい店舗で買い物をしたと答えています。 日本では周知のとおり、他国には見られないほど多くの小売チェーンやメーカーがひしめき、熾烈な競争をしていますが、この事実からはショッパーへのアプローチの仕方によっては流通企業の成長余地はまだまだあると考えられます。

小売企業との取組みに関してニールセンは世界の人口の90%以上をカバーする100ヵ国以上でサービスを提供しています。 ショッパー意識調査は主要な小売企業やメーカー様から市場状況を俯瞰するために、様々な用途でご活用いただいております。 この度、日本で初めて実施したこの調査も今後日本において新しい枠組みでの考え方をご提案する基礎となるものと考えております。

さて、ご承知の通り、日本のショッパーのスーパーでの買物の頻度は世界的に見ても頻度は高く、今回のショッパー調査では月に平均9.4回と答えています。 多くの小売企業はこの頻度を活用して様々な取組がされていますが、これだけ多くある接触機会を生かしていくことは競争には不可欠な要素でしょう。

この調査では5人に2人が過去6か月のうちに日常の買物のためでも新しい店舗を訪れています。 41%は「単に注意を引いたから」、22%は「近くにできたから」と答えています。 当然、立地も重要なことは間違いがありませんが、既存店舗にとってみればいつでも顧客を奪われる可能性があることでもあります。

ショッパーは日常の買物であっても「楽しみ」の要素を求めていて、それが小売店にとっても差別化になることが今回の調査を分析した中でも明白になっています。 しかしながら、それぞれのチェーンを要素別に評価してもらったところ、「楽しみ」の部分は必ずしも多くの小売企業に対して高い評価をしていませんでした。

調査結果


ドラッグストアで求められていることはスーパーとは少し違い「簡便性」も

周知のとおり、ドラッグストアの成長は特筆すべきものがあり、直近の3年でもチャネル全体の売上額の上昇は23%に達し、コンビニエンスストアのチャネルのそれの13%を凌駕しています(商業動態調査)。 この成長は、業態のボーダーレス競争といわれているように食品部門の拡大(同時期に35%増)が大きく牽引していることは事実です。 ショッパーの視点からこの事実を解釈すると、ショッパーからみてドラッグストアに対して重視するポイントとして、「便利さ」「値段に対する価値の高さ」という要素があります。 つまり、ドラッグストアでの食品部門の成長もショッパーのドラッグストアに対する期待値に対してドラッグストアチェーンが正しく提供しているということなのかもしれません。

値下げやプロモーションが営業活動に重要なのは事実であるが、新規ショッパーを獲得するには生鮮の充実を

今回、価格やプロモーションに関してもショッパーの意識を調査しました。 もちろん、聞かれたからともいえなくはありませんが、56%のショッパーは「最も安い食材を探して購入」したり、60%はプロモーションによっては購入予定商品を変えると答えています。 ただ、これは販売促進の戦略を考える際に注意して理解する必要があるでしょう。 

まず、一般的にプロモーションというものは一般には既存の顧客に対して販売増を狙うことには適しています。 実際にショッパーが買物をする店舗数が2.3店舗ということを考えると、価格やプロモーションの違いで購入商品を変えるというのはあくまでもショッパーの普段の買物でいく決まった店舗の内の行動であって店舗の選択の大きな要素とは言い切れないようです。 その証拠に、今回の調査では、プロモーションが良いかどうかで違う店で購入すると答えた人は14%しかいませんでした。  

ショッパーが違う店舗での買物を行う可能性があるのは生鮮食品に特筆すべき魅力があるかどうかが最も大きな要素といえます。 本調査では44%が精肉、鮮魚、46%が青果や果物の良さによっては通常の買物を行う店舗を変えると答えています。 これは、惣菜や乳製品での30%よりも大幅に高いことから重要な要素であることは明白です。

ネットショッピングは成長しているとはいえ、成長の壁も存在

ネットショッピングは、食品などの日常の買物にも可能性は広がっているように見えます。 経済産業省の集計によると2017年は、Eコマースでの食品類(飲料・種類含む)の市場規模は前年に対して7.4%上昇しました。 しかしながら、まだこれは食品類の市場全体の2.4%にとどまっています。

Eコマース市場は数字からは堅実に成長しているように見えます。 しかしながら、ショッパーの意識から見ると今後の成長に関してはかなり慎重に手を打っていく必要があることが明確に示されます。 まずは、ネットスーパーの配送手数料、もしくは配送無料にするための最低購入額の設定などにより、ネットスーパーはおトクではない認識をさせています。 さらに、生鮮食品などを中心に購入前に質を確かめられないこともネットスーパーに対してショッパーが二の足を踏む要因として大きいことがあげられます。

現在のネットスーパーの利用者がネットで購入されているカテゴリーとしては水などの飲料はビール、ワインなどのアルコール類が多くなります。 ネットでの品揃えや展開の仕方は実店舗とは差をつけて、ネットの強みとショッパーの意識を生かして展開していくことが重要でしょう。

ショッパー調査について


ショッパー調査(Shopper Trends Report)は、ニールセンの消費者購買行動分析部門が、購買者の意識、や購買者が小売・流通企業をどう評価しているかを探り、経年のトレンドを明らかにするため、世界50ヵ国以上で毎年実施しています。 日本においては今回が初の調査で、今後継続的に実施予定です。
本調査は2017年11月21日から27日に実施され、日用品購入者、もしくはその意思決定にかかわる日本全国の18歳から65歳の男女、1630人を無作為に抽出し、インターネットによるオンライン調査を行いました。

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