副業・複業に関する調査(上場企業に勤務する30代~50代管理職と、20代~30代一般社員対象) 

2018年06月06日

アデコは、上場企業に勤務する30代から50代の管理職(部長職・課長職)510名と、20代および30代の一般社員500名※2を対象に、「副業・複業※3に関する調査」を実施しました。

*2:一般社員の勤務先については上場・非上場を区別しておりません
*3:本調査では、副業を「本業の合間に行うサブ的な仕事」、複業を「複数の仕事をすべて本業として行うこと(兼業)」と定義しました

調査結果のポイント


管理職
  • 約7割の勤務先で副業・複業を禁止しているが、管理職の8割以上は、個人的には副業・複業を認めた方が良いと考えている
    ・企業が禁止する理由は「長時間労働に対する懸念」(29.9%)と「情報漏洩のリスク」(27.8%)が上位
    ・認めた方が良いと考える理由は、従業員の「収入アップ」(35.7%)と「スキルアップ」(34.9%)が上位
  • 約7割が今後、副業・複業が広がると見ており、副業・複業が働き方の主流になる社会に約8割が賛成
  • 副業・複業時代に必要だと思うスキルは、「コミュニケーション能力」、「専門性・スキル」、「時間管理能力」
一般社員
  • 約8割が副業・複業の経験がないが、そのうちの半数以上は、副業・複業をしてみたいと考えている
    副業・複業をしてみたい理由のトップは「収入を増やしたいから」(81.4%)
  • 8割以上が、副業・複業の働き方が主流になることに賛成する一方で、全体の5割は不安も感じている
  • ただし、約6割が、副業・複業時代に向けて「何もしていない」
  • 副業・複業時代に必要だと思うスキルは「時間管理能力」、「コミュニケーション能力」、「積極性・チャレンジ精神」

調査実施の背景


厚生労働省の懇談会が2016年8月に発表した、「働き方の未来2035 ~一人ひとりが輝くために~」という報告書では、日本では長寿化が進み健康寿命が延びる一方、事業のサイクルが短命化し、AIによって代替される職種も増えていくと指摘しています。これにより、これまでのように一生涯同じ仕事を続けることが難しくなり、誰もが学び直しをしながら、必ず何度かのキャリアチェンジを経験する時代が到来することになります。

さらに、テクノロジーの進化によって、働く場所に関する物理的な制約がなくなる一方、企業のあり方も変革し、将来的には企業はミッションや目的が明確な「プロジェクトの集合体」となっていくと見られています。この結果、本業の以外の業務に携わりながら新しいスキルを磨く「副業」だけでなく、プロジェクトごとに様々な企業や組織に同時に参加しながら働く「複業」が、働き方のスタンダードとして一般化するとも予見されています。

このような「副業・複業時代」を見据え、アデコでは、副業・複業の実態と意識を調べるため、管理職と一般社員それぞれを対象に、アンケート調査を実施しました。

調査結果詳細


管理職を対象にした調査

(1)約7割の企業で副業・複業が禁止:禁止の理由は、長時間労働に対する懸念と情報漏洩のリスクが上位

 管理職510人に対し、「あなたのお勤め先では、現在、自社の社員に副業・複業を認めていますか」と質問したところ、66.3%が「禁止している」と回答しました。その理由としてもっとも多く挙げられたのは、「社員の長時間労働や過重労働を助長してしまうから」(29.9%)、次が「情報漏えいのリスクがあるから」(27.8%)でした。

企業で副業・複業を認めているかどうか:認めており、推進してる7% 認めている16% 禁止している66% よく分からない11% (n=510、単数回答)

勤務先で副業・複業を禁止している理由:社員の長時間労働や過重労働を助長してしまうから29.9% 情報漏えいのリスクがあるから27.8% 労働時間の把握や管理が困難だから27.5% 競業となるリスクや利益相反につながるから27.5% 労働災害が起きたときに本業との区別が困難だから18.9% 人手不足や人材の流出につながるから15.7% 風評リスク(業績不振、将来不安とみられる可能性)があるから6.8% 細かい条件については分からない33.1% その他1.2% (n=338、複数回答)

(2)将来的に社員に副業・複業を認めることを検討している企業は、わずか1割

 勤務先で、自社の社員に対する副業・複業を「禁止している」と回答した管理職338人に対し、「あなたのお勤め先では、自社の社員に副業・複業を将来的に認めることを検討していますか。あなたのお勤め先の方針を教えてください」と質問したところ、「認める方向で検討中」が0.6%、「一定の懸念が解消されれば、認めることを検討する」も8.6%のみでした。

今後、企業で副業・複業を認めるかどうか:認める方向で検討中0.6% 一定の懸念が解消されれば、認めることを検討する8.6% 今後も認める予定はない34.0% 決まっていない21.9% 分からない34.9% 「認める方向で検討中」と「一定の懸念が解消されれば、認めることを検討する」を合わせると9.2%(n=338、単数回答)

(3)約4割の企業で、今後も他社や個人事業主としての仕事が本業の人を受け入れる予定がない

 管理職510人に対し、「あなたのお勤め先では、他社や個人事業主としての仕事が本業の人を受け入れていますか」と質問したところ、38.8%が「受け入れる予定はない」と答えました。

自社での仕事が本業でない人財の受け入れ状況:すでに受け入れている15.1% 受け入れていないが、検討している(もしくは検討したい)12.9% 受け入れる予定はない38.8% 分からない33.1% 「すでに受け入れている」と「受け入れていないが、検討している(もしくは検討したい)」を合わせると28% (n=510、単数回答)

(4)企業が他社や個人事業主としての仕事が本業の人を受け入れていない、また受け入れる予定がない理由のトップは、制度がないから

 勤務先で、「他社や個人事業主としての仕事が本業の人を受け入れていない」「受け入れる予定はない」と回答した管理職264人に対し、「あなたのお勤め先で、他社や個人事業主としての仕事が本業の人を受け入れていない理由をすべて教えてください」と質問したところ、理由のトップは「そのような制度がないから」(61.0%)、次が「そのような文化がないから」(43.6%)でした。

自社での仕事が本業でない人財を受け入れていない理由:そのような制度がないから61.0% そのような文化がないから43.6% 人材を見つける方法が分からないから14.4% 給与や社会保障についてよく分からないから10.6% 労働時間の計算の仕方がよく分からないから8.7% その他1.5% (n=264、複数回答)

(5)企業で副業・複業が認められている理由のトップは、特に禁止する理由がないから。許可するときの条件でもっとも多かったのは、本業に支障が出ないこと

 勤務先で自社の社員に対する副業・複業を「認めており、推進している」「認めている」と回答した管理職116人に対し、「副業・複業が認められている理由は何だと思いますか」と質問したところ、もっとも多かったのは「特に禁止する理由がないから」(41.4%)でした。

 また、「あなたのお勤め先で、自社の社員に副業・複業を許可する際の条件をすべて教えてください」と質問したところ、もっとも多かったのは「本業に支障が出ないこと」(69.8%)でした。

企業で副業・複業が認められている理由:特に禁止する理由がないから41.4% 本人のスキルアップにつながるから32.8% 社外の人脈形成につながるから32.8% 従業員の収入増につながるから26.7% 人手不足の解消や多様な人材の活躍につながるから26.7% イノベーションや新事業の創出につながるから26.7% リーダーシップの醸成やリーダーシップを持つ人材の発掘につながるから25.9% 定着率の向上につながるから21.6%(n=116、複数回答)

勤務先で副業・複業を許可するときの条件:本業に支障が出ないこと69.8% 競業もしくは利益相反に当たらないこと56.9% 会社の社会的信用を傷つけないこと55.2% 企業秘密の開示を伴わないこと51.7% 細かい条件については分からない2.6% 特に条件はない1.7% その他0.9% (n=116、複数回答)

(6)管理職の8割以上が、個人的には副業・複業を認めた方が良いと考えている。理由は従業員の収入増加

 管理職510人に対し、「あなたは、副業・複業を認めたほうが良いと思いますか。それとも、禁止、もしくは、条件付きで認めたほうが良いと思いますか。あなたの個人的な考えを教えてください」と、質問したところ、「認めたほうが良い」が33.5%、「条件付きで認めたほうが良い」が50.6%でした。

 副業を認めた方が良いと考えている管理職258人に対し、「副業・複業を『認めたほうが良い』『条件付きで認めたほうが良い』とお答えになった理由をすべて教えてください」と質問したところ、トップは「従業員の収入増につながるから」(35.7%)でした。

副業・複業の許可・不許可に関する個人としての意見:認めたほうが良い33% 条件付きで認めたほうが良い51% 禁止したほうが良い16% 「認めたほうが良い」と「条件付きで認めたほうが良い」を合わせると84%(n=510、単数回答)

副業・複業を認めた方が良いと思う理由:従業員の収入増につながるから35.7% 本人のスキルアップにつながるから34.9% 社外の人脈形成につながるから21.8% イノベーションや新事業の創出につながるから19.8% 人手不足解消や多様な人材の活躍推進につながるから17.5% 禁止する理由がないから16.9% 社会が副業・複業を推進する方向に動いているから16.5% 会社が禁止すると隠れて副業・複業してしまうため、会社でルールを作って認めたほうがリスクが少ないから16.3% リーダーシップの醸成やリーダーシップを持つ人材の発掘につながるから15.9% 定着率の向上につながるから10.6% (n=258、複数回答)

(7)管理職の約7割が、今後日本で副業・複業が広がると考えている

 管理職510人に対し、「今後、日本では副業・複業が広がると思いますか。あなたの個人的な考えを教えてください」と質問したところ、「広がると思う」が25.7%、「どちらかというと、広がると思う」が44.1%で、69.8%が、今後、日本で副業・複業が広がると見ていました。

今後、副業・複業が広がると思うか:広がると思う25.7% どちらかというと、広がると思う44.1% どちらかというと、広がらないと思う22.0% 広がらないと思う8.2% 「広がると思う」と「どちらかというと、広がると思う」を合わせると69.8%(n=510、単数回答)

(8)管理職が副業・複業時代に必要だと思うスキルのトップは、「コミュニケーション能力」

 管理職510人に対し、「あなたは、『副業・複業』が働き方の主流になるとも言われている時代に必要なスキルは何だと思いますか」と質問したところ、第一位は「コミュニケーション能力」(38.6%)、次が「専門性・スキル」(34.1%)でした。

副業・複業の時代に必要だと思うスキル トップ10:コミュニケーション能力38.6% 専門性・スキル34.1% 時間管理能力33.1% 柔軟性29.8% 人脈・ネットワークを構築するスキル29.2% 積極性・チャレンジ精神28.0% マネジメント能力27.1% 情報収集力25.9% 課題に対する解決力25.5% 分析的思考力・概念的思考力22.0%(n=510、複数回答)

一般社員を対象にした調査

(1)一般社員の約8割が、副業・複業の経験がない

 一般社員500人に対し、「あなたはこれまでに、副業・複業をした経験がありますか」と質問したところ、76.2%が「過去も現在もしたことがない」と回答しました。

副業・複業の経験の有無:現在、副業・複業をしている10% 現在は副業・複業をしていないが、過去にしたことがある14% 過去も現在もしたことがない76% (n=500、単数回答)

(2)副業・複業の経験がないと回答した一般社員の半数以上は、今後、副業・複業をしてみたいと考えており、その理由のトップは収入の増加

 副業・複業の経験がないと回答した一般社員381人に対し、「あなたは今後、副業・複業をしてみたいと思いますか」と質問したところ、55.1%が「副業・複業をしてみたい」と回答しました。
 そして、「副業・複業をしてみたい」と回答した一般社員210人に対してその理由を質問したところ、トップは「収入を増やしたいから」(81.4%)でした。
副業・複業の意向:副業・複業をしてみたい55% 副業・複業をしたいと思わない45% (n=381、単数回答)

副業・複業をしてみたいと思う理由:収入を増やしたいから81.4% 空いた時間を活用したいから38.1% 本業だけでは将来が不安だから31.4% 今の会社に依存したくないから22.9% 本業では得られない知識や経験が得られるから20.0% 視野を広げたいから19.0% スキルアップしたいから18.1% 好きなことを活かした仕事ができるから16.7% 人脈を広げたいから11.4% 自分の専門性・スキルを活かして仕事ができるから10.5% 達成感・充実感が得られるから8.6% 社会貢献がしたいから4.3%(n=210、複数回答)

(3)一般社員の8割以上が、副業・複業が働き方に主流になることについて賛成しており、その理由のトップは「収入が増えるから」

 一般社員500人に対し、労働力人口が減少し働き手の数が少なくなると共に、テクノロジーが進展し、「副業・複業が働き方の主流になるとも言われています。あなたは、副業・複業が働き方の主流になることについて、どう思いますか」と質問したところ、「賛成」が33.4%、「どちらかというと、賛成」が48.8%で、82.2%が好意的な姿勢を示しました。

 「賛成」と回答した411人に対し、「副業・複業が働き方の主流になることに『賛成』『どちらかというと、賛成』とお答えになった理由をすべてお選びください」と質問したところ、もっとも多かった理由は「収入が増えるから」(63.5%)でした。 一方、副業・複業が働き方の主流になることについては、50.2%が「不安である」と回答しました。

副業・複業が働き方の主流になることをどう思うか:賛成33.4% どちらかというと、賛成48.8% どちらかというと、反対14.4% 反対3.4% 「賛成」と「どちらかというと、賛成」を合わせると82.2%(n=500、単数回答)

副業・複業が働き方の主流になることに「賛成/どちらかというと賛成」と答えた理由:収入が増えるから63.5% 余った時間を有効活用できるから44.8% 社会の変化を受けて、働き方も変わるべきだから32.4% 自分のスキルアップにつながるから24.8% 自分が持っているスキルを有効活用できるから22.9% 特に禁止する理由がないから11.4% 社外の人脈形成につながるから10.7% 海外ではスタンダードだから6.8% その他0.2% (n=411、複数回答)

副業・複業が働き方の主流になることを不安に思うかどうか:不安ではない19.0% どちらかというと、不安ではない30.8% どちらかというと、不安だ37.4% 不安だ12.8% 「どちらかというと、不安だ」と「不安だ」を合わせると50.2% (n=500、単数回答)

(4)一般社員の約6割は、副業・複業時代に向けて特に何もしていない

 一般社員500人に対し、副業・複業」が働き方の主流になるとも言われている時代に向けて、現在何か行っていることはありますか。あなたが現在行っていることをすべてお選びください」と質問したところ、もっとも多かったのは「特に何もしていない」(58.4%)でした。

副業・複業の時代に向けて行っていること:特に何もしていない58.4% 資格取得14.6% 情報収集13.6% 現在持っているスキルのレベルを上げる13.6% 人脈作り10.0% 自分のキャリアの振り返り8.8% 習い事7.4% 学校で専門的な知識を学ぶ(大学・大学院、専門学校、ビジネススクールなど)5.0% NPO団体などでのボランティア2.8% (n=500、単数回答)

(5)一般社員が副業・複業時代に必要だと思うスキルのトップは、「時間管理能力」

 一般社員500人に対し、「あなたは、副業・複業が働き方の主流になるとも言われている時代に必要なスキルは何だと思いますか」と質問したところ、第一位は「時間管理能力」(35.2%)、次が「コミュニケーション能力」(30.6%)でした。

副業・複業の時代に必要だと思うスキル トップ10:時間管理能力35.2% コミュニケーション能力30.6% 積極性・チャレンジ精神29.6% 専門性・スキル29.0% 柔軟性29.0% 情報収集力19.6% 人脈・ネットワークを構築するスキル19.4% マメさ、きめ細かさ19.2% 特にない19.2% マネジメント能力17.0% (n=500、複数回答)

調査概要


〈管理職の調査〉
調査対象:全国の上場企業に勤務する管理職(課長職・部長職)
サンプル:510名
年代:30代・男女(合計170名)、40代・男女(合計170名)、50代・男女(合計170名)
調査方法:インターネット調査
実施時期:2018年5月17日~20日

〈一般社員の調査〉
調査対象:全国の企業もしくは団体に正社員として勤務する一般社員
サンプル:500名
年代・性別:20代・男女(各125名)、30代・男女(各125名)
調査方法:インターネット調査
実施時期:2018年5月17日~20日

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