国内非住宅木造市場調査 

2018年06月19日

矢野経済研究所は国内の非住宅木造市場を調査し、2020年度までの市場動向・見通し、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

〈非住宅木造市場とは〉
本調査における非住宅木造市場とは、国土交通省「建築着工統計調査」の分類における「産業用建築物(事務所、店舗、工場及び作業場、倉庫、学校の校舎、病院・診療所、その他の合計)」で「木造」構造の建築物を対象とし、市場規模は建築着工ベースにおける床面積および工事費予定額にて算出している。

1.市場概況

 2016 年度の国内の非住宅木造市場規模は面積ベースで423 万8,000 ㎡(前年度比106.5%)、工事費予定額ベースでは6,702 億円(同106.5%)となった。建築着工ベースにおける床面積は公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律(木促法)が施行された2010年度以降は右肩上がりに推移している。2014 年度には、消費増税の反動減の影響から民間分野の木造構造建築物が減少したことで全体も減少に転じたが、その後は堅調に推移している。
​ また、建築着工ベースにおける工事費予定額は、近年、職人不足による労務費の高騰や大断面集成材、耐火構造部材の建築物への適用増等から平米単価が上昇していることが要因となり、2010 年度以降右肩上がりに推移している。

2.注目トピック

“低層”か“高層”か、非住宅木造市場への参入事業者の2 極化が進む
現在、非住宅分野の木造構造建築物を展開する建設事業者の特徴は以下の2 つに分類することができる。

① 耐火構造部材を活用し、「中高層建築物」へ積極的に取り組む事業者
② 住宅用一般流通木材を活用し、在来軸組工法や2×4工法を応用した建築を行う、「低層建築物」へ積極的に取り組む事業者

①の主な事業者は、株式会社竹中工務店、鹿島建設株式会社、住友林業株式会社、株式会社シェルター等が挙げられる。木造による中高層建築物の建設には、耐火構造が求められることから、各社とも耐火構造部材のオリジナル開発に取り組んでいる。②の事業者には住友林業株式会社、ポラテック株式会社、三井ホームコンポーネント株式会社等が挙げられ、これまで住宅市場で展開してきたノウハウを活かし、非住宅市場へ展開している点が特徴である。

3.将来展望

 2020 年度の国内の非住宅木材市場規模は面積ベースで480 万㎡(2016 年度対比113.3%)、工事費予定額ベースで7,953 億円(同118.7%)と予測する。2018 年度から2019 年度にかけては、10%への消費再増税前の駆け込み需要とその後の需要反動減を想定している。
 今後も職人不足による労務費の高騰は続くとみられ、平米単価は上昇基調に推移することが考えられる。現在、東京オリンピック・パラリンピック関連施設の着工が進み、五輪特需が景気を下支えしているが、開催年の2020 年度以降は、工事費高騰により先送りとなっていた、民間分野の案件需要が高まることを予測する。

調査概要


・調査期間: 2018年3月~5月
・調査対象: 非住宅分野の木造構造建築物に取り組む事業者(ゼネコン、ハウスメーカー、集成材メーカー、建築金物メーカー等)
・調査方法:
■専門調査員による面接ヒアリングおよび電話による補足調査
■各種文献および公開情報等の収集・分析
■独立行政法人統計センターによる国土交通省「建築着工統計」のオーダーメード集計データを基に矢野経済研究所推計。なお、実績データは統計法に基づいて、独立行政法人統計センターから「建築着工統計」(国土交通省)のオーダーメード集計により提供を受けた統計成果物を基にしており、国土交通省が作成・公表している統計等とは異なります。

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