第25回「MONEX グローバル個人投資家サーベイ」(日本、米国、中国(香港)の個人投資家対象) 

2018年06月14日

マネックス証券は、グループ会社であるTradeStation Securities, Inc(本社:米国フロリダ州)およびMonex Boom Securities (H.K.) Limited(本社:中国(香港))の3社共同で2018年5月28日から6月4日にかけて第25回「MONEX グローバル個人投資家サーベイ」を実施しました。

今年の2月以降、全世界で株価は大きく調整しましたが、徐々に回復しています。米国のダウ平均とドイツのDAX 指数はほぼ年初の水準を回復しましたが、日経平均と中国の上海総合指数は戻りが弱い状況です。

今回のグローバル個人投資家サーベイでは、株価調整を受け各地域の投資家センチメントが大きく悪化しましたが、他の地域に比べ株価の戻りが早く景気も堅調な米国への期待が高まったことが特徴的でした。

調査結果の要約


1.グローバル調査結果 調査対象:日本、米国、中国(香港)の個人投資家

(1-1)世界の株式市場見通し DI(注)は 3 地域そろって大幅に低下

各地域の個人投資家に今後 3 ヶ月程度の世界の株式市場に対する見通しを尋ねたところ、各地域とも前回調査(2017 年 11 月~12 月実施)から DI が大きく低下しました。特に米国と中国(香港)の個人投資家においては DI がそれぞれ 30 ポイント、48 ポイントの大幅な低下となりました。年明け以降の世界的な株価調整が個人投資家のセンチメントを悪化させたとみられます。

【世界の株式市場見通し DI】
日本: (2017 年 12 月)37→(2018 年 6 月)22(前回比-15 ポイント)
米国: (2017 年 12 月)48→(2018 年 6 月)18(前回比-30 ポイント)
中国(香港): (2017 年 12 月)46→(2018 年 6 月)-2(前回比-48 ポイント)

(注)DI(diffusion index)
「上昇すると思う」、「よくなると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」、「悪くなると思う」と回答した割合(%)を引いたポイント

(1-2)3 地域の個人投資家とも米国への期待が高まる

今後 3 ヶ月で株価の上昇が最も期待できる地域について、3 地域の個人投資家とも「米国」と回答した割合が最も高くなりました。さらに、前回調査と比較しても 3 地域の個人投資家ともに米国への期待が高まりました。他の地域に比べ景気が堅調で株価の戻りも比較的早かったためとみられます。

【今後 3 ヶ月のマーケットへの期待度】
日本:(米国: 51.1%、欧州/英国: 7.9%、アジア(日本を除く): 21.1%、日本: 19.9%)
米国:(米国: 70.8%、欧州/英国: 7.5%、アジア(日本を除く): 19.2%、日本: 2.5%)
中国(香港):(米国: 45.6%、欧州/英国: 5.7%、アジア(日本を除く):42.5 %、日本: 6.2%)

(1-3)米国・中国の投資家とも米ドルの上昇を想定する割合が高まる

米国、中国(香港)の個人投資家とも今後 3 ヶ月で最も上昇すると思う通貨は「米ドル」となり、両地域の投資家ともに前回調査と比較するとその割合が高まりました。
日本の個人投資家の今後 3 ヶ月程度の米ドル/円の見通しは、「円安になると思う」との回答が 45%となり、前回調査(2018 年 3 月調査)の 33%から大きく高まりました。

(1-4)魅力ある業種は 3 地域とも「テクノロジー」が引き続き首位に

業種別魅力度ランキングでは、日本、米国、中国(香港)の個人投資家ともに前回調査から引き続き「テクノロジー」が首位となりました。AI の進化や AR(拡張現実)、VR(仮想現実)などの最新技術を活かした製品が様々登場していることから、高い投資家の期待を集めているのでしょう。

(1-5)原油先物価格は大幅上昇したが、原油 DI は 3 地域の結果がまちまち

原油 DI は、米国の個人投資家において大きく上昇、中国(香港)では小幅低下、日本で大幅低下と 3 地域でまちまちでした。足元でやや調整したとは言え、WTI の原油先物価格は昨年末に 60 ドル程度だったのが一時は 75 ドル程度まで大きく上昇しており、上昇に対する評価が各地域で分かれる結果となりました。日本の個人投資家の原油DIは-5と2015年 12 月調査以来のマイナスを記録しています。

【原油 DI】
日本 (2017 年 12 月)37→(2018 年 6 月)-5(前回比-42 ポイント)
米国 (2017 年 12 月)39→(2018 年 6 月)52(前回比+13 ポイント)
中国(香港) (2017 年 12 月)35→(2018 年 6 月)31(前回比-4 ポイント)

【貴金属 DI】
日本 (2017 年 12 月)34→(2018 年 6 月)21(前回比-13 ポイント)
米国 (2017 年 12 月)47→(2018 年 6 月)34(前回比-13 ポイント)
中国(香港) (2017 年 12 月)27→(2018 年 6 月)24(前回比-3 ポイント)

(1-6)日本の個人投資家は 6 月利上げを見込む割合が低くマーケットとの見方が分かれる

米連邦準備制度理事会(FRB)は 14 日(日本時間)に利上げを発表しましたが、事前のアンケート調査では、次の利上げの時期について「2018 年 6 月」と回答した割合は、米国と日本は 2 割強、中国(香港)は 4 割強と、市場の見方に比べ、やや低くなっていました。

(1-7)日本と米国の投資家は仮想通貨に投資している割合が調査開始以降、過去最高に

「ビットコイン」など、話題になっている「仮想通貨」への投資経験や意欲について調査を行いました。既に仮想通貨に投資している米国と日本の個人投資家の割合は、本質問を開始(2017 年 6 月)以降、過去最高となりました 12 月調査は 12/1 までとピーク前に行われたため、ピーク時の割合からは低下している可能性もありますが、昨年に比べると仮想通貨に投資する個人投資家の裾野が広がっていることがわかります。

2.日本限定の調査結果(四半期に 1 回) 調査対象:日本の個人投資家

(2-1)米国株と中国株の DI がそろって上昇し中国株 DI は約 6 年ぶりのプラス圏に浮上

日本の個人投資家の今後 3 ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)株価の見通しは、米国株と中国株の DI がそろって前回調査(2018 年 3 月)から上昇しました。米国株 DI は前回から 41 ポイントの大幅上昇となったほか、中国株 DI は 2012 年 2 月調査以降、約 6 年ぶりにプラスとなりました。徐々に中国株への期待が高まってきているようです。

【日本株 DI】(2018 年 3 月)17→(2018 年 6 月)13(前回比-4 ポイント)
【米国株 DI】(2018 年 3 月)5→(2018 年 6 月)46(前回比+41 ポイント)
【中国株 DI】(2018 年 3 月)-13→(2018 年 6 月)2(前回比+15 ポイント)

(2-2)日本株の売買頻度・投資金額・保有銘柄数 DI はまちまち

日本株の「売買頻度」「投資金額」の DI は前回調査から上昇したものの、「保有銘柄数」の DI は小幅に低下しました。いずれの DI に大きな変化は出ておらず、日本株については様子見ムードが高まっている印象です。

【日本株売買頻度の DI】 (2018 年 3 月)24→(2018 年 6 月)28(前回比+4 ポイント)
【日本株投資金額の DI】 (2018 年 3 月)19→(2018 年 6 月)21(前回比+2 ポイント)
【日本株保有銘柄数の DI】(2018 年 3 月)12→(2018 年 6 月)11(前回比-1 ポイント)

(2-3)個人投資家の注目、新興国の関連トピックが上昇

個人投資家の関心が最も高いトピックは、日本の「企業業績」でした。ただ、その割合は前回調査から 5%以上低下しました。前回調査と比較して最も注目が高まったのは新興国(中国除く)の「為替動向」でした。トルコ・リラが急落したことが注目されたほか、世界経済の中心である米国の金利が上昇していく中でドルへの回帰が強まっていき、新興国通貨が下落することが想起され注目が高まっているのかもしれません。

(2-4)半数近い個人投資家が消費税率引き上げに反対

2019 年 10 月に予定されている消費税率の引き上げについて調査しました。消費税率の引き上げに賛成か反対かを尋ねたところ、半数近い個人投資家が「反対」と回答し、「賛成」は約 3 割でした。消費税率引き上げによる家計圧迫が心配されるほか、税率を 5%から 8%に引き上げた際に消費が落ち込んだことなどから、来年の消費税率引き上げも日本の景気減速につながると懸念している個人投資家が多いのかもしれません。

調査概要


(日本)
調査方式: インターネット調査
調査対象: マネックス証券でお取引をする個人投資家
回答数: 532 件
調査期間: 2018 年 5 月 28 日~6 月 4 日
(米国)
調査方式: インターネット調査
調査対象: TradeStation Securities, Inc.でお取引をする個人投資家
回答数: 120 件
調査期間: 2018 年 5 月 29 日~6 月 1 日
(中国(香港))
調査方式: インターネット調査
調査対象: Monex Boom Securities (H.K.) Limited でお取引をする個人投資家
回答数: 353 件
調査期間: 2018 年 5 月 29 日~6 月 1 日

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