新卒採用支援市場に関する調査 

2018年06月04日

矢野経済研究所は、国内の新卒採用支援市場を調査し、就職情報サイトや新卒紹介サービスなど各種サービス別の市場動向、参入事業者の動向、将来展望を明らかにした。

<新卒採用支援市場とは>
本調査における新卒採用支援市場とは、大学生(短大・大学院生含む)の新卒者の採用時に利用されるサービスをさし、その対象は、就職情報サイト市場、イベント・セミナー市場、新卒紹介サービス市場、新卒採用アウトソーシング市場、新卒採用アセスメントツール市場、内定者フォローサービス市場の6分野とする。

<市場に含まれる商品・サービス>
就職情報サイト、イベント・セミナー、新卒紹介サービス、新卒採用アウトソーシング、新卒採用アセスメントツール、内定者フォローサービス

1.市場概況

2016年度の新卒採用支援市場規模は、前年度比10.3%増の1,099億円であった。 近年の好調な景況感や労働力不足を背景に、企業規模や業界を問わず、新卒採用意欲は依然として高く、大卒求人倍率は上昇し、学生の売り手市場に拍車が掛かっている。 学生における就職活動は、就職情報サイトの利活用が主流であるが、就職情報サイトの膨大な掲載社数の中から、学生が自身の希望する、または条件にあった企業を見つけ出し、選別することは容易ではなく、結果として、大手企業や知名度のある企業にエントリーが集中し、中小企業や知名度に劣る企業は認知されにくいという傾向が強まっている。

また、2016年卒採用からの採用スケジュールの「後ろ倒し」(短期化)によって、学生、企業ともに就職活動および採用活動に十分な時間が確保できず、相互理解不足によるミスマッチが問題視されている。こうしたなか、企業(求人側)は自社や業界全体の認知向上や理解深耕を目的に、解禁前の早い段階から学生との早期接触を図る動きが顕著になっている。

​企業の採用意欲の高揚、学生の売り手市場、採用活動の早期化といった市場環境下、学生と企業間のミスマッチに加え、内定辞退の抑止、採用選考業務の省力化や効率化など、新卒採用活動(或いは就職活動)の各方面で様々な課題が表面化している。こうした課題解決に向けて、企業における新卒採用支援サービスに対するニーズは高まりを見せており、さらには採用手法やサービスに対するニーズの多様化も進行している。

2.注目トピック

新卒紹介サービス
新卒紹介サービスは、中小企業を中心とする新卒採用難や、求める要件を有する人材を獲得したい大手企業の増加などから、同サービスに対する需要は高まっている。 とくに、人事総務部門の人員が限られている中小企業にとっては、採用担当者が担う書類選考をはじめとするスクリーニングや学生へのコンタクトなどの業務負担が省略できるため、同サービスを利用するケースは増えている。

また、大手企業では、内定辞退が発生した際の欠員補充の手段として同サービスを利用するケースもある。さらに、法務や会計に関する専門知識を有する学生を希望する際に、就職情報サイトと併用する企業も増えている。

​とくに近年では、ITエンジニア人材の需要が高まっており、中途採用において人材が枯渇していることが影響し、新卒採用においても理工系学生を中心とするITエンジニア人材の需要が高まっている。こうしたITエンジニア需要の高まりを受けて、育成から採用支援(就職支援)までを手掛ける動きもあり、学生に対するプログラミングの教育・育成機関を立ち上げ、ある程度の技能を習得した学生を企業に紹介する仕組みを構築している新卒紹介サービス事業者もある。

3.将来展望

今後、景況感の好況が見込まれる限り、企業の旺盛な新卒採用意欲は続くものと見られる。
また、少子高齢化が進行する日本の人口構造上、若年層の労働力不足による学生・若年層の売り手市場が続くことから、採用活動における求める人材の獲得と採用選考業務の効率化を目的に、新卒採用支援サービスに対する需要は堅調に推移していくものと考える。
​こうした状況を踏まえ、2017年度の新卒採用支援市場規模は前年度比8.6%増の1,193億円を見込み、2018年度は同8.0%増の1,288億円を予測する。

調査概要


調査期間: 2017年10月~2018年2月
調査対象: 新卒採用支援サービス事業者、有力大学法人等
調査方法: 当社専門研究員による面接取材及び、電話・FAX・電子メールによるヒアリング、文献調査併用

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