日本生産性本部 余暇創研は、『レジャー白書 2017』を 8 月初旬に発行する。
同白書は、余暇活動調査等をもとに、わが国における余暇の実態を需給双方の視点から総合的・時系列的に分析・記録している唯一のもので、1977 年の創刊以来通算 41 号目になる。
白書の主なポイントは次のとおりである。

日本人の余暇活動の現状 ~「体操」や身近なレジャー楽しむ~

「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」(5,330 万人)が 6 年連続で参加人口の首位となった。
「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」「ウィンドウショッピング(見て歩きなど娯楽としての)」「体操(器具を使わないもの)」など身近なレジャーが順位を上げた。

余暇関連産業・市場の動向 ~過去最高から大幅減まで目立つバラツキ~

2016 年の余暇市場は 70 兆 9,940 億円となり、前年比 2.0%減少した。近年堅調であったスポーツと観光が横這いか若干のマイナスに転じ、プラス部門がなくなった。
【スポーツ部門】フィットネスが過去最高、観戦も好調だが、その他のサービス市場で不振。
【趣味・創作部門】映画が過去最高、演劇が復調、コンサート、カメラがマイナス。
【娯楽部門】公営ギャンブルと外食、モバイルゲームが堅調、パチンコの落ち込み続く。
【観光・行楽部門】遊園地・レジャーランドが過去最高、海外旅行は低調。乗用車は横這い。

2016 年のトピックス~スポーツと住宅周りの創作活動~

● オリンピックの話題が多かった 2016 年。スポーツ関連種目の参加状況をみると、「ウォーキング」「体操(器具を使わないもの)」「ジョギング、マラソン」など場所や相手を選ばない種目が上位になった。高年層はマイペース型の種目に参加している。
● 2016 年は「園芸、庭いじり」や「日曜大工」など、日常生活に近い空間での創作系の種目で参加人口が増加したり、順位を上げたりした。「日曜大工」「園芸、庭いじり」ともに 60~70 代が参加者の 5 割以上を占めている。

2016 年の余暇活動
「体操」や身近なレジャー楽しむ

2016 年は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」(5,330 万人)が参加人口の首位となり、6 年連続の首位となった。上位種目に大きな変動はないが、順位が上昇した種目としては、3 位の「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」、10 位の「ウィンドウショッピング(見て歩きなど娯楽としての)」、12 位の「温浴施設(健康ランド、クアハウス、スーパー銭湯等)」、13 位の「園芸、庭いじり」、16 位の「体操(器具を使わないもの)」がある。「体操(器具を使わないもの)」は圏外から20 位以内に順位を上げるとともに、参加人口が前年の 2,150 万人から 2,320 万人に増加した。
2016 年はリオ五輪があり、スポーツへの関心が高まるとともに、庭や住居周りでの手作業や日帰りで楽しめる身近なレジャーがじわりと順位を上げた。

余暇活動の参加人口上位 20 種目(万人)
1 国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など) 5,330
2 外食(日常的なものは除く) 4,090
3 ドライブ 3,880
3 読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての) 3,880
5 映画(テレビは除く) 3,560
6 複合ショッピングセンター、アウトレットモール 3,400
7 動物園、植物園、水族館、博物館 3,110
8 音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど) 3,070
9 ウォーキング 3,010
10 ウィンドウショッピング(見て歩きなど娯楽としての) 2,860
11 カラオケ 2,810
12 温浴施設(健康ランド、クアハウス、スーパー銭湯等) 2,740
13 園芸、庭いじり 2,660
14 宝くじ 2,620
15 ビデオの鑑賞(レンタルを含む) 2,610
16 体操(器具を使わないもの) 2,320
17 SNS、ツイッターなどのデジタルコミュニケーション 2,280
18 音楽会、コンサートなど 2,220
19 トランプ、オセロ、カルタ、花札など 2,160
20 ジョギング、マラソン 2,020

2016 年 の 余 暇 市場 動 向
過去最高から大幅減まで目立つバラツキ

2016 年の余暇市場は 70 兆 9,940 億円となり、前年比 2.0%減少した。近年堅調であったスポーツと観光が横這いか若干のマイナスに転じ、成長を牽引する部門がなくなった。ただし市場規模の突出して大きいパチンコ・パチスロを除くと、娯楽部門がプラスとなるため前年比 0.3%増となり、僅かだが 4 年連続のプラス成長である。

スポーツ部門(前年比横這い)は、用品はスポーツアパレルとシューズが好調で僅かだが 5 年連続で増加した。スポーツ自転車とランニング用品も好調を維持した。スポーツサービスは、フィットネスが過去最高を更新し、スポーツ観戦が大きく伸びたが、それ以外は総じて厳しい結果となった。
趣味・創作部門(前年比 1.6%減)は、映画が過去最高を記録し、演劇が勢いを取り戻し、有料動画配信が伸びた。有料音楽配信も急成長し、電子コミックスと電子雑誌が大きく伸びた。だが、近年好調のコンサートは落ちた。カメラ、ビデオカメラ、ビデオソフトもマイナスとなった。
娯楽部門(前年比 2.6%減)は、公営ギャンブルと外食、モバイルゲームが堅調であり、ゲームセンターが復調した。パチンコ・パチスロは大きな落ち込みが続いた。テレビゲーム・ゲームソフト、宝くじ、カラオケボックス(ルーム)はマイナスとなった。
観光・行楽部門(前年比 0.3%減)は、インバウンドの影響で国内観光が好調で、ホテル・旅館は引き続き堅調だったが、海外旅行は落ちた。旅行業は横這いにとどまった。遊園地・レジャーランドは過去最高を更新した。会員制リゾートクラブも伸びた。乗用車はほぼ横這いであった。

スポーツ関連種目の参加率
若年層は多彩、年齢につれマイペース型へ

2016 年は世界的なイベントもあり、スポーツが話題になった。そこでスポーツ部門 28 種目のほか、観光・行楽部門の「フィールドアスレチック」、その他部門の「ウォーキング」「ヨガ、ピラティス」などを加え計 34 種目のスポーツ関連種目における参加率上位種目を巻頭図表 3 に示した。上位には「ウォーキング」「体操(器具を使わないもの)」など、場所を選ばず、1人でもできる種目が並んだ。

男性では「サイクリング、サイクルスポーツ」「ゴルフ(練習場)」「ゴルフ(コース)」が上位にあり、女性では「ヨガ、ピラティス」「エアロビクス、ジャズダンス」が上位に入った。年齢層別にみると、若年層(10~20 代)は男女ともチームスポーツを含めて多彩な種目が入っており、男性では「サッカー」「キャッチボール、野球」、女性も「バレーボール」「バスケットボール」などがある。中年層(30~50 代)では、男性では「サイクリング、サイクルスポーツ」「釣り」といった道具を使うアウトドアスポーツ、女性では「ヨガ、ピラティス」「エアロビクス、ジャズダンス」が 10 位以内に入った。高年層は男女とも「ウォーキング」「体操(器具を使わないもの)」が 1 位、2 位となり、マイペースでできる種目が上位となっている。

住生活・日常生活における創作活動
高齢層が楽しむ日曜大工、園芸

2016 年は「日曜大工」や「園芸、庭いじり」など住生活関連や、日常生活に近い空間での創作系の余暇活動で参加人口が増加したり、順位を上げたりした。「陶芸」「趣味工芸(組みひも、ペーパークラフト、革細工など)」「模型づくり」「日曜大工」「園芸、庭いじり」「編物、織物、手芸」「洋裁、和裁」の 7 種目について希望率と参加率の分布をみると、「園芸、庭いじり」は参加率が高いものの、希望率が参加率より低く、潜在需要はマイナスとなっている。潜在需要が最も大きかったのは「陶芸」で、「日曜大工」「模型づくり」などが続いている。年間平均費用と年間平均活動回数をみると、最も費用が多いのは「模型づくり」で次いで「日曜大工」「陶芸」の順、回数が最も多いのは「園芸、庭いじり」で、次いで「編物、織物、手芸」「洋裁、和裁」の順となっている。参加者の性別構成比をみると、「日曜大工」は男性が 8 割を占め、「園芸、庭いじり」は女性の割合が 6 割となっている。年代別構成比をみると、「園芸、庭いじり」と「日曜大工」は 60、70 代で 5 割以上を占めた。

余暇活動調査の仕様


調査方法 :インターネット調査
調査対象 :全国 15 歳~79 歳男女
有効回収数:3,328(人)
調査時期 :2017 年 1 月

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本生産性本部]
 マイページ TOP