第5回「離婚したくなる亭主の仕事」調査(20~49歳の既婚者女性対象) 

2018年05月25日

リスクモンスター(リスモン)は、第5回「離婚したくなる亭主の仕事」調査結果を発表いたしました。

調査結果


(1)妻の約半数が夫の仕事に不満

夫の仕事に対する不満があるかと聞いたところ「不満がある」(回答率49.0%)が「不満はない」(同51.0%)を若干下回る結果となりました。

「不満がある」と回答した内訳を年齢別でみると「20代」(同53.5%)が最も高く、次いで「30代」(同52.0%)、「40代」(同41.5%)の順となり、40代においては半数を割りました。年齢別の前回(2017年4月発表)との比較では僅差ながらも20代と30代が逆転する結果となりました。

また夫の年収別に不満の有無を集計したところ「300万円以上400万円未満」(回答率62.3%)が最も不満が高く、次いで「400万円以上500万円未満」(同55.2%)、「500万円以上600万円未満」(同53.8%)と、年収600万円未満の層において不満が過半数を超えました。前回との比較では年収1,500万円以上の高所得層において不満の高まりが見られる結果となり、世帯年収別においても同様の傾向が表れています。

夫の仕事に対する妻の不満は、年収400万円未満の低所得層と年収1,500万円以上の高所得層の家庭において高く、中間所得層の家庭において不満が低いことがうかがえる結果となりました。(図表A)

(2)20代の妻が最も高い割合で離婚を希望

「夫の仕事を原因とする離婚意識の有無」を調査したところ、「夫の仕事が原因で離婚したい」と考えている妻が全体の12.0%存在していることが明らかとなりました。

「離婚したい」と回答した内訳を年齢別でみると「20代」(回答率13.5%)が最も高く、次いで「30代」(同12.5%)、「40代」(同10.0%)の順となり、年代が上がるに連れて離婚を希望する割合が低くなる傾向が見られました。

夫の年収別に離婚意識の有無を集計したところ「1,500万円以上」(回答率33.3%)が最も高く、次いで「300万円未満」(同16.0%)、「1,000万円以上1,500万円未満」(同14.3%)と、中間所得層以外の層において離婚意識が高い傾向が見られました。世帯年収別においても同様の傾向がうかがえます。(図表A)

「夫の仕事に対する満足度」を業種別に集計したところ「不満」、「転職希望」、「離婚意識」のいずれにおいても高い回答率となったのは、「農業」、「建設業」、「食品製造業」、「不動産業」、「飲食店、宿泊業」、「医療、福祉」でした。

中でも「飲食店、宿泊業」と「医療、福祉」は前回調査に引き続き高い不満を持たれる業種として挙がっていることを考慮すると、妻から不満を持たれやすい業種になっているといえるでしょう。(図表B)

(3)不満の最大の理由は依然として「給与」

「夫の仕事に不満がある」と回答した理由について集計したところ、最も多かった理由は「給料が低い」(回答率68.7%)であり、次いで「残業が多い」(同48.3%)、「休みが少ない」(同26.5%)の順となりました。前回との比較では「残業が多い」、「休みが少ない」、「土日休みではない」、「出張などで不在が多い」という、自宅で過ごす時間の減少につながる項目において、不満の度合いが高まっている傾向がうかがえます。

不満理由について、年代別に見ると「給料が低い」は全ての年代において70%近い回答率であるのに対して、「残業が多い」は中堅社員として働き盛りの30代において不満度が高いことが分かります。(図表C)

年収別の不満理由を見ると「給料が低い」という不満は「500万円未満」の層においては70%以上の回答率を有していますが、「800万円以上」の層では30%前後に低下する結果となりました。一方で、「残業が多い」という不満においては「600万円以上1,500万円未満」の層で高い回答率になる傾向があることを考慮すると、給与と仕事量(残業)は比例の関係にあり、男性の平均年収521万円(※)を超えると、不満理由の種類が「給与が低い」から「残業が多い」に変わる様子がうかがえます。(図表D)
※国税庁「民間給与実態統計調査」2016年版

夫の仕事に対する満足度別の不満理由を集計したところ「不満」、「転職希望」、「離婚意識」のいずれにおいても高い回答率となったのは、「給料が低い」でした。その他の項目が「不満」から「離婚意識」まで直結する傾向が薄い中で、「給料が低い」だけは「夫の仕事が原因で離婚したい」と回答した人の66.7%が不満理由として挙げていることを考慮すると、妻にとって家庭を維持していく上での必要条件が“夫の収入が最低限あること”だとわかります。(図表E)

[総評] 夫は自身の働き方を見直しつつ、企業側も改革が必要

近年、離婚に関して「3組に1組が離婚している」、「2分に1組が離婚している」などと言われ、離婚率の上昇が注目されています。本調査は夫の仕事が婚姻関係にどの程度の影響を与えているかを調査したものです。

今回の調査結果において、夫の仕事に対して妻の約半数は不満をもっていることがわかり、そして妻の3人に1人が夫に転職して欲しいと思っており、10人に1人は夫の仕事が原因で離婚したいと思っていることが明らかになりました。これらの数値を少ないと感じるか多いと感じるかは、人によって分かれるところでしょう。

本アンケートの結果から夫の仕事に対する妻の満足度は「夫の収入」に大きく左右されており、平均水準以上の年収があることが必要であるとうかがえますが、それだけでは十分ではないということがわかります。今回夫の勤務先に対して、「残業が多い」、「休みが少ない」、「土日休みではない」、「出張などで不在が多い」という項目の不満足度合いが高まっていることからも、家庭における家事や育児の時間が少ないことに対して、妻の不満が直結していることが見受けられます。妻の多くは「仕事ばかりでちっとも家庭のことを手伝ってくれない」という不満を持っていると考えられますが、その一方で夫としては「頑張って働いて給与を稼がなければ妻に不満を持たれてしまう」のであり、まさに板挟みの状態にあることが本アンケートで浮き彫りとなっているといえるでしょう。

とは言え、仕事が原因で離婚したいと考えている妻が10人に1人以上いることも事実です。仕事が原因で離婚したいと言われぬように、夫自身が働き方を意識することが必要でしょう。しかし一方で、勤務先である企業側も、政府の「働き方改革」の推進と歩調を合わせて、残業時間の短縮や休日出勤の低減などに努め、自社の社員が家族から不満を持たれない労働環境を積極的に作っていくことも必要なのではないでしょうか。

調査概要


・調査名称 :第5回「離婚したくなる亭主の仕事」調査
・調査方法 :インターネット調査
・調査エリア:全国
・期間   :2017年10月27日(金)~10月29日(日)
・調査対象者:20~49歳の既婚者 女性個人 600人
・有効回収数:600サンプル

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