「睡眠」に関する調査(20歳以上の男女対象) 

2018年04月11日

アサヒグループホールディングスは、全国の20歳以上の男女を対象に「睡眠」をテーマに調査を実施。

調査結果サマリー


  • 就寝時間の目安は「23~24時台」、仕事や育児に忙しい40代は「25時台」も目立つ
  • 6割近くが「睡眠時間6~7時間」、「あと1、2時間は寝たい」という本音も
  • 40・50代は「5時間以下」、シニア層は「8時間以上」、年代で変わる睡眠時間
  • 「日中に睡魔に襲われる」「疲れが取れない」など、現代人が悩む睡眠不足
  • 「夢をよく見るか否か」も快眠バロメーター、「悪夢にうなされる」という声も
  • 「規則正しいリズム」で体内時計を乱さず、「入浴・飲酒」で安眠を誘う
  • 「シーツの洗濯」「天日干し」など、常に清潔な睡眠環境づくりが快眠の第一歩

調査結果


就寝時間の目安は「23~24時台」、仕事や育児に忙しい40代は「25時台」も目立つ

日ごろ、皆さんが何時ごろに就寝しているのでしょうか。「朝5時半に家を出る旦那にお弁当を作るので、毎朝4時半には起床するため」(女性50代、千葉県)など、「(就寝時間は)23時台」と回答した人が最も多く26.1%。続いて「午後11時には寝たいが現状無理。忙しすぎる」(女性50代、兵庫県)など、「24時台」という声も21.3%を占め、全体の半数近くは「23~24時台」に集中。「深夜24時までに布団に入る」ことを、一つの目安にしている人がとても多いことが明らかとなりました。さらに自由回答の中には「21時台に寝るのは早すぎるかなとも思うが、9歳の子どもがいまだに一人で寝てくれないので、仕方なく一緒に寝ている」(女性40代、兵庫県)など、早めの「21~22時台」と回答した人が23.7%。その一方で「普段は深夜ラジオ聞きながら寝るのが習慣なので」(女性60代、北海道)など、夜更かしして「25時台」という声も13.6%を数えました。

年代別ではいかがでしょうか。60代では「23時台」(20代=34.4%、60代=40.0%)が圧倒的でしたが、20~50代では「24~25時台」(20代=40.6%)が急増。さらに40代では「仕事が終わるのは22時過ぎ。美容と健康には良くないが、頑張っている」(女性40代、愛媛県)など、「25時台」(18.3%)、「(就寝時間は)決まっていない」(15.2%)という声も多く、仕事や家事、育児等々で忙しい年代のせいか、就寝時間が不規則であることがうかがえます。

6割近くが「睡眠時間6~7時間」、「あと1、2時間は寝たい」という本音も

「深夜24時まで」に就寝している人が目立ちましたが、では睡眠時間はどの位でしょうか。「8時間が理想ですが、平日はだいたい6時間くらい。眠りが浅いので睡眠の質が良くないのかなと感じている」(女性40代、東京都)など、「約6時間」と回答した人が最も多く34.3%。さらに「約7時間」という声も25.3%を数え、全体の6割近くの人びとが「約6~7時間」の睡眠時間を得ていることが判ります。自由回答の中には「あと1時間寝たい…」(女性40代、大阪府)など、理想をいえば「あと1、2時間は寝たい」と考える人が目立ちました。

「6~7時間」が主流の一方で、「いつもお弁当の用意や朝風呂に入っているため、朝は早い」(女性20代、福島県)など、「5時間以下」と回答した人は26.5%。中には「理想は7時間ですが、現実は4時間。疲れが取れず、日中眠くなる点が困る。自転車通勤なのですが、睡眠不足だとペダルをこぐパワーが全くない」(女性40代、広島県)など、「4時間以下」(7.4%)という人もいました。

その一方で、「夜中は数回起きるが、朝はゆっくり寝ていられるので睡眠は足りている」(女性30代、愛知県)など、「8時間以上」と回答した人は13.9%。その中には「起きたいときに起きるので、睡眠時間は十分に足りている」(男性50代、東京都)など、「10時間以上」(0.7%)と十分な睡眠時間に満足している人もいました。一般的に睡眠時間の理想は「8時間」と言われてきましたが、実際には根拠に乏しく個人差も大きいそうです。「5時間」でも生活に支障なく十分な人、「8時間」でも寝足りないと感じる人も少なくなく、自分に合った睡眠時間の把握が健康的な生活を守る基本と言えるでしょう。

40・50代は「5時間以下」、シニア層は「8時間以上」、年代で変わる睡眠時間

年代別ではいかがでしょうか。「(睡眠時間)5時間以下」という声を見てみると、20・30代では20%前後でしたが、40・50代は一気に30%台まで急増。「食事の片付け、洗濯などをしていると深夜になってしまう。また早朝から家族のお弁当と朝食の準備もあるため」(女性50代、福島県)など、仕事からプライベートまで、時間の足りていない中年層がとても多いことがうかがえます。「5時間以下」という声は60代で18.9%、70代以上で7.1%と大幅に数値が減少する一方で、「8時間以上」(60代=18.9%、70代以上=32.1%)は他の世代よりも高く、仕事や育児から手が離れたシニア層の睡眠時間の長さが顕著でした。またシニア層と同じく、30代でも「8時間以上」(17.9%)という声が目立ちましたが、それはなぜでしょうか。自由回答の中には「時間はそこそこ寝られているが、子どもと一緒に寝ているのでしょちゅう起こされて疲れが取れない」(女性30代、千葉県)など、小さな子どもに合わせて睡眠時間は比較的に得られているものの、授乳や夜泣き等で深夜に起こされる頻度も多く、「睡眠の質は高くない」という人も少なくありませんでした。家族構成や仕事等、ライフステージが睡眠時間に影響を与えていることがうかがえます。

「日中に睡魔に襲われる」「疲れが取れない」など、現代人が悩む睡眠不足

ここまで就寝時間や睡眠時間を見てきましたが、では皆さんの「睡眠の質」はいかがですか。最も回答が多かったのは「日中に眠くなることがある」(40.5%)でした。「昼間にどうしようもない睡魔に襲われる事が出てきた」(女性50代、広島県)など、睡眠不足から日中に猛烈な眠気が起こるという声。さらに「お昼過ぎにいつも眠くなるから」(男性40代、東京都)など、ランチ後の血糖値上昇に伴い、眠気が促進されるという声も多く、仕事や家事の能率に影響が出ている人がいました。

現在、あなたの睡眠の質は?
1 日中に眠くなることがある 40.5%
2 疲れが取れない 33.5%
3 途中、何度も起きることがある 31.2%
4 寝足りず、朝起きるのがつらい 30.3%
5 夢をよく見る 16.1%
6 いびき・歯ぎしりがある 13.3%
7 寝つきがよく、一度寝ると朝まで起きない 13.1%
8 寝つきが悪く、寝るまで何時間もかかる 11.6%
9 朝早く起きすぎてしまい、その後に寝れない 10.4%
10 すっきり目覚めて、リフレッシュできている 8.1%
MA(複数回答)/n=558人

「睡魔」に加え、2位には「疲れが取れない」(33.5%)がランクイン。「育児と家事に忙しく、朝起きても疲れが取れていない」(女性30代、神奈川県)など、仕事や家事に追われて、倦怠感や疲労感が抜けないという声。さらに「朝もぼーっとしてなかなか動けない」(女性40代、兵庫県)など、4位にも「寝足りず、朝起きるのがつらい」(30.3%)など、慢性的な睡眠不足に悩まされている人が多いことがうかがえます。

また「睡眠不足」は、単に睡眠時間だけが原因ではないようです。3位は「途中、何度も起きることがある」(31.2%)。「朝も寝坊してはいけないと何回も目覚めてしまうので、体がだるく寝足りない」(女性20代、神奈川県)、「年齢と共に夜中にトイレに行く回数が増えた」(女性40代、広島県)など、夜中に目が覚めて寝付けないという声。さらに「寝付きが悪く、布団に横になっていても何時間も寝れないのが悩み」(女性30代、山口県)など、8位に「寝つきが悪く、寝るまで何時間もかかる」(11.6%)、9位にも「朝早く起きすぎてしまい、その後に寝れない」(10.4%)が続きました。夜中に起きてしまう「中途覚醒」、なかなか寝付けない「入眠障害」、朝早く目覚めてしまう「早朝障害」など、精神的なストレスや不規則な生活、病気等、様々な理由から多くの現代人が「睡眠の質」に悩みを抱えていることがうかがえます。

「夢をよく見るか否か」も快眠バロメーター、「悪夢にうなされる」という声も

また「睡眠の質」のバロメーターとして、5位には「夢をよく見る」(16.1%)がランクイン。「毎晩のように夢を見るのでぐっすり眠れたという気になれません」(女性40代、広島県)など、睡眠が浅く熟睡が足りないという声。さらに自由回答の中には「仕事が忙しいせいか上司がたびたび夢に出るので、睡眠の質は悪くなっている」(男性20代、神奈川県)など、仕事のストレスから「悪夢にうなされる」という人もいました。そのほか、「自分では熟睡していると思うが、いびき・歯ぎしりに加え、最近は寝言まで言っているらしい」(男性50代、福岡県)など、6位にも「いびき・歯ぎしりがある」(13.3%)が挙げられ、ランキング上位を見てみると、睡眠の質に満足している人はとても少ないことが判ります。

「規則正しいリズム」で体内時計を乱さず、「入浴・飲酒」で安眠を誘う

「日中に眠くなる」「疲れが取れない」など、睡眠不足や睡眠の質の低さに悩む人が目立ちましたが、では皆さんが快眠を得るために日ごろ心掛けていることは何でしょうか。最も回答が多かったのは「平日と休日の起床時間・リズムを変えない」(20.6%)でした。「休日に用事がなくとも平日と同じ時間に起床し、リズムを維持している」(男性40代、東京都)「体調が悪くなるので、なるべく寝る時間や起きる時間は同じにしている」(女性50代、神奈川県)など、規則正しい生活を心掛けているという声。「休日は寝だめ」」という人も案外多いかもしれませんが、かえって体内時計のズレを引き起こし、休み明けに疲れを残すケースも少なくないようです。自由回答の中には「平日も休日も犬に起こされるので」(女性60代、大阪府)など、ペットや子どもに起こされるため、結果的に規則正しいリズムが保たれているという人もいました。

快眠を得るために心がけていることは?
1 平日と休日の起床時間・リズムを変えない 20.6%
2 お風呂・シャワーでリラックスする 19.9%
3 シーツ・枕カバーを常に清潔に保つ 19.5%
4 枕や寝具にこだわっている 18.4%
5 防音・遮光カーテンを付けている 17.5%
6 適量のアルコールを飲む 14.9%
7 まめに布団を干す(日光に当てる) 12.7%
8 就寝の数時間前は食べ物を食べない 12.0%
9 就寝の数時間前はお茶、コーヒーなどカフェインを控える 9.9%
10 テレビや動画を観ながら寝る 7.7%
MA(複数回答)/n=543人

次に2位は「お風呂・シャワーでリラックスする」(19.9%)。「寝る一時間前には風呂に入る」(男性50代、愛知県)など、汗や汚れを洗い落としてリフレッシュすると共に、体を温めて入眠に向けたモードを高めるという声。さらに「お酒を飲んで寝ると、よく眠れる」(女性40代、東京都)など、6位にも「適量のアルコールを飲む」(14.9%)が挙げられ、入浴と同じく適量の飲酒は副交感神経を優位に働かせ、血行を促進して寝付きがよくなるという人も目立ちました。また、「飲酒で安眠を誘う」という声の一方で、8位には「就寝の数時間前は食べ物を食べない」(12.0%)、9位にも「就寝の数時間前はお茶、コーヒーなどカフェインを控える」(9.9%)がランクイン。アルコール摂取とは逆効果で、就寝前の飲食は消化エネルギーを費やして眠りを浅くしたり、カフェイン摂取で交感神経を刺激して寝付きを悪くします。夜中の飲食は十分に注意を払う必要がありそうです。

「シーツの洗濯」「天日干し」など、常に清潔な睡眠環境づくりが快眠の第一歩

「規則正しいリズム」「リラックス」など、直接体に働き掛ける安眠術が挙げられましたが、「寝室の環境づくり」を重視する声も多数寄せられました。特に回答が多かったのは、3位「シーツ・枕カバーを常に清潔に保つ」(19.5%)。「枕カバーはほぼ毎日、ベッドシーツも1週間に1回は必ず洗濯している」(女性30代、愛知県)など、寝具の交換頻度を高め、気持ちの良い睡眠環境づくりを行っているという声。さらに「布団を干すとお日様の匂いがしてとても気持ち良く眠れる」(女性60代、神奈川県)など、7位にも「まめに布団を干す(日光に当てる)」(12.7%)が挙げられました。特に天日干しは、湿気を含む布団の乾燥・消臭、雑菌やダニの死滅などの効果を担い、丸洗いが難しい布団には欠かせないお手入れと言えるでしょう。

同じく「寝室の環境づくり」という点では、4位に「枕や寝具にこだわっている」(18.4%)がランクイン。「枕は自分の高さに合うものを作ってもらい、それを使っている」(女性40代、広島県)、「マットレスは8万円のテンピュール、枕も8千円の高額のものを使っている」(男性50代、東京都)など、枕・マットレスの高さや素材、固さ等々にこだわるという声。さらに「遮光カーテンなどで室内を暗くしてから寝ている」(女性50代、広島県)など、5位にも「防音・遮光カーテンを付けている」(17.5%)が挙げられ、自分に合った寝具選びや、寝室づくりにこだわる人もいました。

またランキング圏外ながら、見逃せないのは14位の「お気に入りのパジャマ等を着る」(5.5%)です。就寝時は何を着ても睡眠とは関係がないと思われるかもしれませんが、ワコールとオムロンヘルスケアの共同実験によれば、「パジャマを着て寝るだけで、寝付きが良くなったり、中途覚醒の頻度が減少したなど睡眠が改善した」という研究データが報告されています。ジャージやスウェットなどの部屋着からパジャマにしっかり着替え、「就寝モード」に気持ちを一気に切り替えることが、スムーズな入眠を促進する一番の要因なんだそうです。確かに昨今では部屋着とパジャマを分けている人が少なく、そういったライフスタイルの変化も「睡眠の質の低下」に少なからず影響を及ぼしているのかもしれません。


今回は気持ちの良い春を迎え、「睡眠」をテーマに皆さんのご意見を見てきました。全体の6割近くの人びとが「(1日に)約6~7時間」の睡眠時間を得ていることが明らかとなりましたが、理想としては「あと1、2時間は寝たい」など、睡眠不足を自覚する人が目立ちました。特に40、50代では「5時間以下」という声も多く、睡眠時間を削って仕事や家事、育児等に追われている中年層の姿が浮き彫りとなる結果となりました。睡眠の質の低下は「日中の睡魔」「疲労感が抜けない」「中途覚醒」などといった弊害を引き起こし、仕事や日常生活にも大なり小なり影響を及ぼします。OECD(経済協力開発機構)の調査でも、残業や長時間労働が多い割に日本人の生産労働性は、先進国35カ国中、22位と非常に低く、労働効率の低さが指摘されています。昔から日本では「睡眠を削って一生懸命に働く」が美徳と捉えられてきた時代もありますが、脳や体が十分に休めていなければ、かえって生産労働性を落とすだけ。今後、少子高齢化で労働力人口の大幅な減少が見込まれる日本においては、より高い生産労働性が必要ですが、そのためにも日本人の従来の働き方やライフスタイルを見直し、十分な睡眠時間の確保や質の向上が一層求められていくのではないでしょうか。

調査概要


調査対象:全国の20歳以上の男女
有効回答数:582人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2018年4月4日~4月10日

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[アサヒグループホールディングス]
 マイページ TOP