グローバル・ブランド原産国調査(世界63ヵ国対象) 

2017年11月27日

マーケティング調査会社ニールセンの最新の『グローバル・ブランド原産国調査』によると、世界的に消費者がローカル・ブランド製品よりもグローバル・ブランドを好む傾向を強めていることが示されました。

ニールセンが毎年実施している『グローバル・ブランド原産国調査(Nielsen Global Brand-Origin Survey)』は、世界中の消費者からのオンライン回答をもとに、グローバル・多国籍ブランド(多くの市場で展開するブランドと定義される)が製造する商品と、ローカル・ブランド(単一の市場、つまり回答者の居住国で展開するブランドと定義される)が製造する商品のどちらを消費者が好むか、を調査するものです。今回の調査は、63ヵ国31,500人以上のオンライン回答者から、34のカテゴリーにわたる回答をまとめたものです。
近年の調査結果と比較し、最新の結果では多くのカテゴリーで消費者がグローバル・ブランドを好む傾向が高いことが明らかになりました。

グローバル・ブランド志向が最も顕著なのは、ベビー用おしりふき・おむつと、ベビーフード・粉ミルクで、この2つのカテゴリーでローカル・ブランド製品を好んで購入すると答えた消費者はそれぞれ7%、10%のみでした。この他にローカル・ブランド志向が低かったカテゴリーには、ビタミン・サプリメント(ローカル・ブランドを好む消費者は12%)、ペットフード(12%)、女性用品(13%)、エナジードリンク・スポーツドリンク(14%)、食品缶詰(15%)などがあります。
これとは逆に、グローバル・ブランドよりもローカル・ブランド製品を選ぶ傾向が高かったカテゴリーは、乳製品(54%)、ビスケット・チップス・スナック菓子・クッキー(32%)、アイスクリーム(31%)、ミネラルウォーター・ボトルウォーター(30%)などです。

2016年に発表された前回の調査(2015年実施)と比較して、ローカル・ブランド離れが最も顕著だったカテゴリーは、ミネラルウォーター・ボトルウォーター(22ポイント減30%)、インスタント麺(21ポイント減21%)、オーラルケア製品(15ポイント減18%)、洗濯用品(13ポイント減21%)、ペットフード(13ポイント減12%)、炭酸飲料(12ポイント減18%)、ベビー用おしりふき・おむつ(11ポイント減7%)などです。ヘアケア(18%)、アルコール(16%)、ベビーフード・粉ミルク(10%)においてはそれぞれ10ポイント下落しています。

グローバル・ブランドとローカル・ブランドをめぐる消費者の好みは、多くのカテゴリーで地域によって大きく異なります。乳製品カテゴリーでは、中東・アフリカ(73%)、ヨーロッパ(66%)において、ローカル・ブランド志向が世界平均(54%)と比べて顕著に高くなっています。ビスケット・チップス・スナック菓子・クッキーのカテゴリーでは東南アジア(50%)、中東・アフリカ(41%)、中南米(41%)におけるローカル・ブランド志向が世界平均の32%に対して高い数値を示しています。またヨーロッパでは消費者がローカル・ブランドのアルコール飲料を選ぶ傾向が世界平均よりも高いことを示しました(22%対16%)。


ニールセン『グローバル・ブランド原産国調査』について
本調査は、2016年5月9日から5月27日のあいだにオンラインで実施され、世界63ヵ国31,500人以上の回答をもとに、グローバル・多国籍ブランド(多くの市場で展開するブランドと定義される)が製造する商品と、ローカル・ブランド(単一の市場、つまり回答者の居住国で展開するブランドと定義される)が製造する商品のどちらを消費者が好むか、を調査したものです。
ただし、オンライン調査ではグローバル規模の広範な調査が可能ですが、既にインターネット利用者のいる地域での意見しか得られないため、全世界の消費者すべての回答を反映したものではありません。またインターネットの普及が進みつつある新興国市場では、対象者が当該国の一般的な消費者よりも若く裕福な傾向があります。また、調査への回答は、実際の測定データではなく、回答者の主観に基づくものです。意見を回答する上での文化的な違いは、各国の経済展望を測る際にも見受けられる要素です。本調査結果は、これらの違いを調整または補正したものではない旨あらかじめご了承ください。各国および各地域を比較する際、特に異なる地域を比較する際には上記の点をご留意ください。


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[ニールセン]
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