法的な課題をかかえる人たちに関する意識調査(20〜69歳の男女対象) 

2018年03月06日

日本弁護士連合会(日弁連)は、法的な課題を抱える方々が、実際に法律相談をすることに対してどのようなイメージを抱いているのかを明らかにするために、意識調査を実施しました。

調査サマリー


  • 「友人・家族にも相談できない悩み」を抱えている人は約5割
  • 法的な悩みを個人で抱え込んでしまっている(あるいはいた)人は約7割
  • 法的な問題を抱えつつも、弁護士に相談していない人が約8割
  • 最も大きな悩みのうち「借金」が約4割と最も多く、次いで、「職場でのセクハラ・パワハラ」「賃金・残業代の不払い」など働き方関連が2割
  • 年代別では、「賃金・残業代の不払い」の悩みは20代~30代に多く、「隣人トラブル」は年齢が上がるにつれ増加傾向
  • 「職場でのセクハラ・パワハラ」の悩みを持つ人は、男女ともに約5割

調査結果


1.「友人・家族にも相談できない悩み」法的な悩みを抱えている人は約5割(n=1029,単回答)
20〜69歳の男女で、何らかの悩みを回答した人に対して、『「友人・家族にも相談できない悩み」はありますか?』と質問したところ、「ある」と回答した人は52.4%という結果になりました。

2.法的な悩みを個人で抱え込んでしまっている(あるいはいた)人は約7割(n=1029,単回答)
20〜69歳の男女で、何らかの悩みがあると回答した人に対して、『「誰かに相談するのは気が進まなかった」「誰かに相談するのは気が重かった」ということはありますか?』と質問したところ、「ある」と回答した人は69.3%という結果になりました。

3.法的な問題を抱えつつも、弁護士に相談していない人が約8割(n=1029,単回答)
20〜69歳の男女で、何らかの悩みを回答した人に対して、それについて『弁護士に相談したことはありますか?』と質問をしたところ、81.7%の人が「ない」と回答しました。

4.法的な悩みのうち最も大きな悩みのうち「借金」が約4割と最も多く、次いで、「職場でのセクハラ・パワハラ」「賃金・残業代の不払い」など働き方関連が2割(n=1029,単回答)
20〜69歳の男女で、何らかの悩みを回答した人に対して、『最も大きな悩みは何ですか?』と質問をしたところ、1位は「借金」で36.9%、次に多いのは、「職場でのセクハラ・パワハラ」で15.2%、「賃金・残業代の不払い」も合わせた「労働」に関する悩みは、22.8%を占めました。

5.年代別では、「賃金・残業代の不払い」の悩みは20代に多く、「隣人トラブル」は年齢が上がるにつれ増加傾向(n=1029,単回答)
20〜69歳の男女で、何らかの悩みを回答した人に対しての『最も大きな悩みは何ですか?』という質問の回答を年代別にパネル集計したところ、「賃金・残業代の不払い」は20代が最も多く17.0%となり、平均である7.6%を大きく上回りました。それに対し、「隣人トラブル」は50~59歳が18.1%、60~69歳が18.9%と、平均である14.2%を大きく上回る結果になりました。

6.「職場でのセクハラ・パワハラ」は男女ともに約5割(n=1029,単回答)
20〜69歳の男女で、何らかの悩みを回答した人に対しての『最も大きな悩みは何ですか?』という質問の回答を男女比で見たところ、男性は「借金」が66.1%、「賃金・残業代の不払い」が65.4%、「架空請求や詐欺被害」も男性64.9%と「お金の悩み」 が女性を上回る結果となりました。それに対し、女性は「夫婦間・恋人間のDV」が56.8%、「両親からの虐待」、「いじめ」が53.1%と、「暴力やいじめの悩み」が男性を上回る結果となりました。「職場でのセクハラ・パワハラ」については、男女ともに50%という結果になりました 。

7.弁護士に相談しなかった理由のうち約7 割が「相談料が高そう」、約5 割が「気軽に相談できない」(n=1029,複数回答)
20〜69歳の男女で、何らかの悩みを回答した人で、「弁護士に相談しなかった」と回答した人に対しての『弁護士に相談しなかったのは、なぜですか?』『どのような条件が揃えば、弁護士に相談しやすいですか?』という質問の回答を見たところ、相談しなかった理由の第1位は「相談料が高そう」で66.7%、第2位は「気軽に相談できないから」で47.8%となりました。また相談しやすい条件については、「安く相談できる」が74.2%、「気軽に相談できる」が65.4%となり、弁護士の経験や自宅からのアクセスの2倍以上の結果となりました。

8. 弁護士の1 回あたりの相談費用は、4 割以上が「1 万円以上」とイメージ(n=1029,単回答)
20〜69歳の男女で、『弁護士への相談費用は、1回当たりどのくらいかかると思いますか?』という質問に対して、「5,000円未満」が29.8%、「5,000円~1万円未満」が29.7%と最も多かった一方で、「1万~3万円未満」も23.6%にのぼり、1万円以上かかるとイメージする人は合計で40.4%にのぼりました。

​調査概要


調査の方法:インターネットリサーチ
調査の対象: 全国20〜69歳の男女
有効回答数:10,010人(年代ごとの人口構成比に従う)
調査実施日:2018年2月7日(水)~2月7日(水)


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[日本弁護士連合会]
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