有期契約労働者の「無期転換」に関する意識調査(20~59歳の契約社員・臨時社員、派遣社員、パート・アルバイト対象) 

2018年03月01日
マクロミルは、有期契約労働者の「無期転換」に関する意識調査を実施。

2013年4月の改正労働契約法の施行から丸5年。今年2018年の4月より、有期契約労働者の「無期転換」が本格化すると言われています。実際に有期契約で働かれている方(契約社員・臨時社員、派遣社員、パート・アルバイトの方)は、どのように考えているのでしょうか。無期転換に関する意識を探るため、これらの方を対象に調査を実施しました。調査対象者は、全国、男女20~59歳の契約社員、派遣社員、パート・アルバイトの方、各200名(計600名)です。

【調査TOPICS】

・契約社員・臨時社員は、“無期転換ルール”を知っている? 認知率は54%
・契約社員・臨時社員の7割が、無期転換の申込みに前向き
・一方、無期転換や正社員登用の社内制度が整う企業はまだ少ない?契約社員・臨時社員の勤め先で「制度が整っている」16%、「制度はあるが、期待できるものではない」29%
・雇用の安定化はまだ遠い?無期転換ルールで「変わらないと思う」が多数。派遣社員は3割弱が「むしろ不安定になると思う」と回答
・番外編)実は、正社員になりたくない派が多い!?

【調査結果】

■契約社員・臨時社員は、“無期転換ルール”を知っている? 認知率は54%


現在、契約社員・臨時社員、派遣社員、パート・アルバイトとして働かれている方に、“無期転換ルール”について聞いたことがあるかを尋ねました。

契約社員・臨時社員の“無期転換ルール”の認知率は54%。その内訳は、「言葉は聞いたことがある」が23%、「ルールの内容を知っている」が31%です。内容まで知っている人は10人中3人程度という水準にとどまりました。

派遣社員では、ルールの内容まで知っている方は25%で、契約社員・臨時社員に比べてやや認知率が低い状況です。

パート・アルバイトにおいてはさらに浸透度が低く、“無期転換ルール”の認知率は19%で2割を切る状況となっています。ルールの内容まで知っている方はわずか6%でした。

また、既に無期転換の権利を持つ、就業期間が5年以上の契約社員・臨時社員の方に絞ってみても、認知率は62%で、約4割はルールを知らない状況でした。

政府は無期転換に関するポータルサイト等を作成し、ルールの浸透に努めています。しかし、現段階での浸透度は、いま一歩という印象です。

■契約社員・臨時社員の7割が、無期転換の申込みに前向き


有期労働契約が通算5年以上となった場合、無期転換の権利が発生する、というのが無期転換ルールの概要です。実際にはどの程度の方が無期転換の申込みを今後行いたいと考えているのでしょうか。それぞれの雇用形態ごとに尋ねました。

契約社員・臨時社員の方では、申し込みに前向きな回答は70%(「既に申込んだ」「是非申込みたい」「どちらかといえば申込みたい」の合計)でした。中には既に申込んだ方も含まれますが、潜在的な申込み意向者は非常に多いと予測されます。また、派遣社員では57%が、無期転換ルールの認知率が低かったパート・アルバイトの方を見ても47%が今後の申込み意向を示しており、各企業においては、制度面でのしっかりとした対応が期待されます。

■一方、無期転換や正社員登用の社内制度が整う企業はまだ少ない?契約社員・臨時社員の勤め先で「制度が整っている」16%、「制度はあるが、期待できるものではない」29%


潜在的な無期転換意向者が多いという結果が出ましたが、一方で受け入れる企業側の現状はどうなっているのでしょうか。勤め先の企業に、無期転換や正社員登用の制度が整っているかどうかを尋ねました。

その結果、契約社員・臨時社員では、「制度が整っている」という回答は16%、「制度はあるが、期待できるものではない」といった意見も29%と多く、企業側としても、旧来の制度をアップデートするタイミングに差し掛かっているのかもしれません。また、「(そもそも)制度ない、分からない」という回答も55%と半数以上を占めており、派遣社員、パート・アルバイトではその割合がさらに増えています。従業員が安心して働くためにも、企業側か制度ついての案内を発信をしていく努力が必要となりそうです。

■雇用の安定化はまだ遠い?無期転換ルールで「変わらないと思う」が多数。派遣社員は3割弱が「むしろ不安定になると思う」と回答


無期転換ルールは、雇止めの不安等を解消し雇用を安定化させるために作られた法律です。現在、有期契約で働かれている方々は、今後の雇用の安定化についてどの程度期待を持たれているのでしょうか。

今後雇用が安定化していくと思うかどうかを尋ねたところ、契約社員・臨時社員の26%が、「安定化すると思う」と前向きに捉えています。しかし、59%は「変わらないと思う」と回答しており、効果がまだ見えていない現段階では、あまり期待できないと考えている層が少なくありません。

また、派遣社員では、「むしろ不安定になる」との回答も28%と、他の雇用形態の方に比べて多くなっています。派遣社員は、派遣元と派遣先における契約の兼ね合いもあり、直接雇用の場合に比べて制度を正しく把握できない場面もあるのではないでしょうか。

いずれにせよ、現在有期契約で働かれている方々からすると、まだまだ大きな期待を持てる状況とはいい難い状況にあることが分かります。今後、政府と各企業が連携しつつ、無期転換ルールの浸透と、各企業内での制度面の拡充を図っていくことが重要と考えられます。

■番外編)実は、正社員になりたくない派が多い!?


本調査では、「無期転換」に関する質問とは別に、“有期契約の方に現在のお勤め先で正社員として働きたいか”についても聴取しました。結果をみると、契約社員・臨時社員においても、32%が、「正社員になりたくない」と回答しています。その理由としては、以下のような内容が多く挙がっていました。

会社への不信感
・一生やり続けたい仕事、勤め続けたい職場とは思えないから。
・会社の方針があまり自分とは合わないかもしれないと思っているから。
・会社のやり方に問題があると感じているから。すでに辞めたいと思っている。
・職場環境があまりよくないから。

仕事の負担が増えそう
・今の仕事以上の負担がかかりそう。
・仕事の責任が増すから。
・転勤したくないから。
・自由に働きたいから。

その他
・ダブルワークをしたいから。
・健康上の問題があるから。

現在の勤め先への不信感を示す意見も目立ち、雇用の安定化以前に、企業と労働力のアンマッチ・ミスマッチという問題もありそうです。価値観や働き方が多様化する中、上記のようなアンマッチ・ミスマッチを解消するためにも、企業と働く側の対話・コミュニケーションが、いままで以上に重要になってくるのではないでしょうか。


【調査概要】
調査主体:マクロミル
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:全国20~59歳の契約社員・臨時社員、派遣社員、パート・アルバイト(マクロミルモニタ会員)
割付方法:契約社員・臨時社員(200サンプル)、派遣社員(200サンプル)、パート・アルバイト(200サンプル)/合計600サンプル
調査期間:2018年2月20日(火)~2018年2月21日(水)

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