インテージとインテージコンサルティングは、「健康食品・サプリメント+ヘルスケアフーズ市場実態把握レポート2017年度版」のデータを基に、市場のトレンドおよび、シニア層にフォーカスした消費や意識の実態をご紹介します。

【ポイント】

・健康・美容市場のビッグピクチャーを描くには、“ヘルスベネフィット”で市場を捉えることが有効

・健康・美容市場規模の試算は1兆5624億円。うち、「健康維持・増進」のヘルスベネフィットが9.2%を占める

・成長トレンドの「ヘルスケアフーズ」市場の規模は2兆6,856億円。成長要因は、機能性表示食品制度を追い風とした「健康系の一般食品・飲料」の伸び

・健康を意識して食べている食品トップ3は「納豆」「ヨーグルト」「牛乳」。50代以上で利用率が高まる

・健康食品・サプリメントの年間購入額は、男女問わず、年代が上がるごとに上昇。特に50代以降の女性の購入額が目立つ。70代男性、60-70代女性の平均年間4万円以上購入

・50代以上の女性が購入した健康食品・サプリメントに求めているヘルスベネフィットは50代ではリカバリ系、60-70代は体の基本機能の強化・維持系

【調査結果】

健康・美容に関する消費 具体的に得たいのは何?

健康と美容は多くの人にとっての関心事です。毎年のように食品の健康効果が話題になり、ヒットが生まれています。2017年にも甘酒やもち麦のヒットがありましたが、これも健康効果への期待が背景にあります。
健康・美容に関係する商品やサービスはメジャーなものだけでも健康食品、サプリメント、OTC医薬品(処方箋なしで店頭で手に入る一般医薬品)、健康系の機能を訴求した食品・飲料、フィットネス、マッサージ、エステなど数多くあります。これらの商品・サービスは多様な効果・効能や成分・素材、技術を謳っており、訴求の似た商品・サービスがカテゴリーをまたいで存在しています。

このため、それぞれのカテゴリー実態データを基に「日本の健康・美容市場はいまどうなっているのか」といった、健康・美容市場のビッグピクチャーを描くことが難しくなっています。裏返せば、同じ効果・効能を求めている場合でも、生活者がどのような商品・サービスを購入・利用するかという選択肢は様々だということになります。自身が必要とする健康効果・効能(ヘルスベネフィット)を満たすことができれば手段は関係ありません。
健康・美容市場のビッグピクチャーを描く上では、ヘルスベネフィット別の市場を捉えることが有効と言えるでしょう。

では、どのようなヘルスベネフィットがあるのでしょうか?
インテージでは既存の商品・サービスの動向や企業の注目領域といった情報や業界専門家の知見を基に、46個のヘルスベネフィットを定義しています(図表1)。大きくは「体力」「栄養」「血液」「食・スタイル」の良化・維持・改善といった効果・効能と、具体的な症状への予防・対処に分かれます。健康・美容に関するニーズの幅の広さが感じられるのではないでしょうか。

健康・美容市場のうち「健康食品・サプリメント市場」をヘルスベネフィットで分類した結果が図表2です。全体の規模が1兆5,624億円と試算される中、最も大きな市場は「健康維持・増進」で9.2%となっています。人生100年時代とも言われ始めましたが、「健康維持・増進」は健康食品・サプリメントを利用して対処する、最大の関心事のようです。

健康効果を期待して食べる食品は?

各ヘルスベネフィット市場において、「健康食品・サプリメント」と「健康・美容目的で摂る一般食品・飲料」を合わせた「ヘルスケアフーズ※1」は巨大な市場規模を持っています。
直近では「ヘルスケアフーズ」市場の規模は2兆6,856億円となっており、さらに成長トレンドにあります。この成長要因は、約半分の1兆1,232億円を占める「健康系の一般食品・飲料」の伸びにあります(図表3)。
2015年の4月1日から始まった機能性表示食品制度により、健康への効果・効能を謳う商品が市場に増えたことが追い風になっているようです。

また、特に「特定保健用食品」「機能性表示食品」と記されていなくても健康のために摂る食品はあります。前述の甘酒などもその一つです。

健康を意識して食べている食品を調査したところ、図表4のようになりました。

納豆、ヨーグルト、牛乳の順に高く、発酵系の日配品が上位になっています。
上位は特別なものではなく、ほとんど毎日でも摂取するような食品です。日常的に健康を意識している人も多いのではないでしょうか?

このデータを男女別に見ると、女性の方が健康や美容を意識して様々な食品・飲料を摂っていることがわかりました。さらに女性がどのような食品・飲料を健康や美容のために摂取しているのかを年代別に見ると、上位の品目は年代によってそれほど変わりませんが、利用率に大きな差があります(図表5)。特に広義のシニアと定義される50代以上の年代で利用率が高くなっています。この結果は一例になりますが、現時点で日本の健康・美容消費を牽引する消費者はシニアであることがわかります。

シニアの健康食品・サプリメントの購入実態は?

ここからは健康・美容効果を明確に謳った健康食品・サプリメントについて、シニアの購入実態に注目します。
健康食品・サプリメント市場においては、50代以上による購入が全販売金額の約7割を占めていることがわかります(図表6)。

性年代別の健康食品・サプリメントの年間購入金額を示した図が以下になります。男女問わず、年代が上がるほど平均年間購入金額が多くなり、特に女性で50代以降の購入額が多いことがわかります。70代男性、60-70代女性においては、平均年間4万円以上の健康食品・サプリメントを購入していました(図表7)。

年を重ねるにつれて多くなる健康食品・サプリメント購入金額。そこで求めるヘルスベネフィットはどう変化していくのでしょうか。50代以上の女性について、購入した健康食品・サプリメントのヘルスベネフィットTOP 5を年代別に並べてみました(図表8)。

60,70代に比べて現役で働いている人が多いと想定される50代では「美肌・肌ケア」や「疲労回復」といったリカバリのためのヘルスベネフィットを求めているのに対し、60代、70代は「目の健康」や「健康維持・増進」「関節の健康」「骨の健康」といった基本機能を強化・維持するためのヘルスベネフィットを強く求めるようになるようです。


「インテージ調べ」

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