介護離職予防の取組みに関する調査 

2018年01月16日
日本経済団体連合会(経団連)は、介護離職予防の取組みに関するアンケート調査結果を発表。

【調査結果】

1.社員の介護問題への支援に関する考え方
・4割以上の企業が、社員の介護問題への支援を人事労務管理上の重要課題と位置づけている。

2.社員の介護をめぐる状況の把握
(1)介護離職者数の把握
・介護事由による離職者数の把握に取り組んでいる企業はおよそ7割で、その方法としては、人事部門等への社員からの申し出や、職場の上司による聴取が多い。
・離職者本人が話しづらい場合があることなどを想定し、「退職願の中の介護に関する項目への記述」により把握している企業も2割強あった。

(2)介護に直面している社員の数や状況、ニーズ等の把握
・介護に直面している社員の実態把握に7割弱が取り組んでおり、介護の状況のほか、自社の支援制度・働き方等や仕事との両立に向けた上司・同僚への要望を確認している企業が多い。
・ 把握方法のうち、アンケート調査を特に効果的と考えている割合が高く、「全社員対象」と「対象者限定」のいずれも、実施企業の約7割が効果的と回答している。

(3)介護に直面した際の会社への早期申し出に関する働きかけ
・介護に直面した際に、早期に会社に申し出るよう社員に働きかけている企業はおよそ7割に達し、その主体は人事部門であることが最も多い。

3.仕事と両立しやすい介護体制の構築に向けた社員への支援
(1)介護に関するセミナーや説明会等の開催状況①
・セミナー・説明会等(以下セミナー)を開催している企業は6割弱となっており、「介護保険制度の仕組みや公的介護サービスの内容」や「介護を行う際の心構え」など、介護に直面する前の備えとして必要となる基本的な情報を提供している割合が高い。

(1)介護に関するセミナーや説明会等の開催状況②
・2016年度にセミナーを実施した企業(59社)のうち、およそ9割が対象者を限定せずに開催。1年間に実施した回数は1~5回が8割を占める。
・対象者を限定したセミナーは、特定の年齢層や管理職を対象にした例がみられた。

(2)セミナーや説明会以外の情報提供
・セミナー以外の方法で、介護に関する情報提供を行っている企業は7割を超え、その方法として、イントラネット等への掲載が最も多い。
・マニュアルやパンフレットの配付をイントラネットと併せて行っている企業は5割に達し、必要に応じて情報を入手・活用できるよう、多様な方法が採られている。

(3)介護に関する社員からの相談に対応する窓口の設置状況
・相談窓口は人事部門等への設置が最も多くなっており、福利厚生サービスに含まれる窓口の紹介、外部支援組織による窓口の設置が続いている。
・介護保険制度の複雑化等を背景に、外部の相談窓口に「公的介護サービスに関する説明」を期待する割合が最も高い。

(4)介護に関する不安軽減の取組み
・情報提供や相談対応の他に、介護に関する不安を軽減するための取組みを行っている企業は2割強にとどまったものの、検討中が5割を超えている。

(5)社員の介護経験の活用
・社内での情報提供や相談対応にあたり、社員の介護経験を活用している企業は2割強で、主に社内報等にて体験談などを紹介している。

(6)社員への介護に関連する費用の支援
・介護に関連する費用の支援は約6割が実施。個々の状況に応じて選択しやすいことなどから、「福利厚生サービスでの対応」が最も多い。
・公的介護保険ではカバーしない「社員自身が負担する付加的費用(家事代行サービスの費用等)」を補助している企業も約4割に上る。

4.介護に直面した社員が仕事と介護を両立できる職場づくり
(1)経営トップからのメッセージ発信
・仕事と介護の両立に関して、経営トップからメッセージを発信している割合はおよそ3割にとどまり、4割弱が検討中となっている。

(2)部下が介護に直面することを想定した管理職教育
・管理職教育に取り組んでいる企業(37.6%)の多くが、部下から介護に関する相談があった際の対応として、「部下の希望する働き方の確認」「両立支援制度等の紹介」「介護と両立できるよう支援する旨を伝えること」を実施するよう周知している。

(3)管理職が介護に直面した場合の業務体制の維持に向けた取組み
・管理職が介護に直面した場合に、業務体制を維持できるよう取組みを進めている企業(35.0%)では、約7割が社内制度の柔軟な運用により業務体制の維持を図っている。

(4)両立支援制度の整備① 介護休業制度
・8割以上の企業が育児・介護休業法(以下、法律)を上回る介護休業制度を整備している。
大半が最長期間(93日)を延長、3回を超えた分割取得も約半数が可能としている。
・直近3年程度の利用者数は「横ばい」(73.5%)が最も多く、「増加」と「その他(利用実績なし等)」がいずれも12.0%であった。

(4)両立支援制度の整備② 介護休暇制度
・介護休暇を法律を上回る内容に拡充している企業は約半数で、その内容として有給での休暇と回答している企業がおよそ8割と最も多い。
・直近3年の利用者数は「急激に増加」と「増加」を合わせると3割を超え、介護休業制度と比べると増加傾向にある企業が多い。

(4)両立支援制度の整備③ 選択的措置義務
・法律で定める選択的措置義務※について、法律を上回る内容に拡充している企業は8割超。
・大半が2つ以上の措置を導入しており、短時間勤務制度とフレックスタイム制度を併せて導入している割合はおよそ7割に上る。

※選択的措置義務…短時間勤務制度、フレックスタイム制度、時差出勤、介護サービスの費用助成、その他これに準ずる制度のいずれか1つを事業主が選択して措置

(4)両立支援制度の整備④ 法律で規定されている項目以外の制度
・介護を事由とした休暇、転勤等についての配慮、在宅勤務・テレワークの導入割合が高い。
・在宅勤務・テレワークと、短時間勤務制度・フレックスタイム制度と併せて導入している企業は、回答企業全体の約4割であった。


【調査概要】
・調査目的
介護を事由とした社員の離職の予防に関する主な取組みとして、以下の①~③についての現状や現時点での考えを調査し、会員企業が今後の対応策を検討する際の参考に供する。
 ①社員の介護をめぐる状況の把握
 ②仕事と両立しやすい介護体制の構築支援
 ③介護と両立できる職場づくり
・調査対象:雇用政策委員会と労働法規委員会の委員企業(計 232社)
・調査時期:2017年5月~6月
・回答状況:
 有効回答数117社(有効回答率 50.4%)。
 産業別:製造業 58社(49.6%)、非製造業 59社(50.4%)
 規模別:社員数5,000人以上 69社(59.0%)、5,000人未満 48社(41.0%)
・正社員の平均年齢と人員構成:
 ①平均年齢 : 41.0歳 (n=113)
 ②回答企業全体を1つの会社と考えた場合の人員構成のイメージ(概算)
  39歳以下 約40%、40~44歳 約15%、45~49歳 約17%、50~54歳 約15%、55~59歳 約10%

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