「節約意識」に関する調査(20歳以上の男女対象) 

2018年02月14日
アサヒグループホールディングスは、全国の20歳以上の男女を対象に「節約意識」をテーマに調査を実施。

【調査結果サマリー】

・9割以上が「節約を意識している」-景気復調の気配!? 例年よりも意識がやや弱まる
・20代は漠然とした将来不安を抱え、シニア層は年金暮らしの切実な不安を抱える
・節約意識が高い一番の要因は「老後不安」、不安を取り除く「年金制度改革」が急務
・来年秋に導入される「消費税引き上げ」もネガティブ要因、「赤字必至」と不安の声も
・節約策のトップは「節電」、待機電力の削減や、安い電力会社への乗り換えなど
・節約の秘訣は「自炊・家飲み」、今冬の野菜高騰は「冷凍&カット野菜」で乗り切る!
・「通信費」削減意識が高まる、プランの見直しや格安スマホ会社への乗り換えも
・8割以上が「(景気回復を)実感していない」、一番の要因は「給料アップがないこと」

【調査結果】

9割以上が「節約を意識している」-景気復調の気配!? 例年よりも意識がやや弱まる

現在、「節約を意識して生活している」という人はどの位いるのでしょうか。「ローンや借金があるため、その支払いで毎月かつかつ。嫌でも節約しないと生活が成り立っていかない」(女性50代、岡山県)など、「強く意識している」と回答した人は32.5%。さらに「まあまあ意識している」という声も59.2%を数え、程度に違いはあれども、全体の9割以上の人びとが「節約意識を持ちながら毎日の暮らしを送っている」ことが明らかとなりました。自由回答の中から「会社の業績が悪く、給与とボーナスがカットされて年収が100万円減少。そこに車の老朽化に伴う買い替え、子どもの大学の授業料支払い、温水器の故障による修理等…」(男性50代、大阪府)など、給与カットや大きな出費がいくつも重なり、否応なしに節約せざるを得ないという人もいました。

過去同時期に実施した調査データと比較してみると、「強く意識している」(2012年=30.5%、2013年=28.7%、2014年=32.7%、2015年=35.6%、2016年=35.0%、2017年=34.1%、2018年=32.5%)という声は、2015年から34、5%前後の高い数値を推移していましたが、今回の調査では2~3%の減少が見られました。その一方で、「全く意識していない」(2012年=1.3%、2013年=0.8%、2014年=1.0%、2015年=1.2%、2016年=1.0%、2017年=0.6%、2018年=1.3%)という声は、例年1.0%前後を推移していますが、今回調査では2012年に並ぶ1.3%を示しました。依然として「節約意識」の高さは目立っているものの、株価高騰等の企業の業績拡大など明るい材料が、僅かながら数値を弱めた要因と言えるかもしれません。

20代は漠然とした将来不安を抱え、シニア層は年金暮らしの切実な不安を抱える

年代別はいかがでしょうか。「強く意識している」という声は、20代で最も高く44.6%。「20代だと年金の受給年齢や金額の予測がつかないし、まだ見ぬ我が子の教育資金や、いずれ購入する住宅資金を貯めておきたいから」(女性20代、東京都)など、将来不安の多いため、先立つものを蓄えておきたいという若い層からの声。一方で30代では37.4%と急減し、さらに40代で30.8%、50代で30.4%と働き盛りの中年層では「節約意識がやや低下する」傾向が見られました。その上の60代では32.6%、70代以上では35.1%と一転して増加し、シニア層の「節約意識の高さ」をうかがえます。漠然とした将来不安に駆られる20代に対して、シニア層では「一昨年からの年金生活でギリギリの生活をしている。通常の出費以外に冠婚葬祭や医療費など、突発的な支出に備えるために日頃の節約が不可欠」(男性60代、大阪府)など、節約をしなければ、年金暮らしが成り立たないという切実な声も寄せられました。ライフステージに合わせて、節約に対する意識は大きく変化していることが明らかとなりました。

節約意識が高い一番の要因は「老後不安」、不安を取り除く「年金制度改革」が急務

9割以上の人びとが「節約意識を持ちながら毎日暮らしている」ことが判明しましたが、次にその理由を具体的に見ていきましょう。最も回答が多かったのは「老後の生活不安のため」(48.3%)でした。「50代の後半になり、老後を強く意識するようになりました。子どもたちも未だ定職についていないし、主人も再雇用も受けないといい一気に不安に…」(女性50代、新潟県)、「もう何十年も働けるわけではないので、いかに節約するか考えている」(女性60代、滋賀県)など、年金受給が間近に迫る世代では、限られた家計の中でどうやり繰りできるか頭を悩ませる声。さらに「貯金をしないと将来不安だし、年金もどのくらいもらえるか分からないので」(女性20代、大阪府)など、前述の「年代別の節約意識データ」と同じく、本来は切羽詰まった問題でないはずの若い世代でも「老後を見据えて」という声が目立ちました。10位にも「日本の政治が不安なため」(10.9%)が挙げられ、消費の活性化につなげる意味でも、国民の将来不安や不信を取り除く「年金制度」の改革が急務であることがうかがえます。

「節約」を意識しなければならない理由は?
1 老後の生活不安のため 48.3%
2 長引く経済不況のため 27.9%
3 無駄を排除した「シンプルな生活」を目指しているため 25.3%
4 給与が減少したため 18.6%
5 来年に予定される消費税アップに備えて 15.7%
6 子どもの教育費のため 14.2%
7 自然・環境保全のため 13.4%
8 年末年始に出費が嵩んだため 12.8%
9 「節約する」ことが趣味のため 12.7%
10 日本の政治が不安なため 10.9%
MA(複数回答)/n=2201人(節約を意識している人)

2位は「長引く経済不況のため」(27.9%)。「不況や物価上昇など、生涯の生活を考えるとあまり浪費できない」(男性30代、大阪府)など、年始早々、バブル期並みの経済回復がニュースを賑わす一方で、個人の懐においては依然として不況が続いているという声。さらに「転職して、給与とボーナスが大きく減少したため。今後の日本の人口減少が避けられない以上、経済が拡大するとは考えられず、節約するしかない」(男性50代、福島県)など、4位にも「給与が減少したため」(18.6%)が続き、年金も収入も期待出来ず、目の前の暮らしをなんとか凌ぐのに精一杯という人が目立ちました。また自由回答の中には「必ず大不況が来るため」(男性30代、東京都)など、つい先日もアメリカ株の暴落で日本市場も大きな煽りを受けましたが、こうした市場の動きを「近い将来の大不況の予兆」として危機感を募らせる人もいました。

来年秋に導入される「消費税引き上げ」もネガティブ要因、「赤字必至」と不安の声も

「年金(老後の暮らし)」「経済」「給与減少」に加えて、もう一つネガティブな要因で目立ったのは、5位の「来年に予定される消費税アップに備えて」(15.7%)です。「年金での生活は今でもギリギリ、消費税が10パーセントになると赤字が必至」(女性80代、島根県)など、「消費税アップ」で生活の圧迫が免れないという声が寄せられました。特に高所得者ほど税の割合が高くなる「所得税」と異なり、「消費税」の場合は、低所得者ほど所得に占める税金の割合が高くなるという「逆進性」が大きな問題とされています。格差拡大を助長することにも繋がりやすく、軽減税率によるカバーなど、税の不平等をどう解消していくのか、今後の動向が気になる人もきっと多いことでしょう

「節約意識」をネガティブに捉える声の一方で、3位には「無駄を排除した『シンプルな生活』を目指しているため」(25.3%)がランクイン。「常にもったいないという思いを持っている。最近、恵方巻の大量廃棄が問題になりましたが、祖父母に育てられたのでモノを大切にすることを教わりました」(女性60代、神奈川県)など、家計に伴う節約生活ではなく、そもそも昔から日本人の暮らしの中にあった「もったいないの精神」でシンプルに過ごしているという声。さらに「無駄を省いて、少ない経費で回っていけばうれしい。少し手をかければ、少ない費用でもいろいろ作れるのでそれも楽しいと思う。」(女性50代、阪府)など、9位にも「『節約する』ことが趣味のため」(12.7%)が続き、「質素倹約=辛い・苦しい」ではなく、むしろポジティブに楽しみながら家計の引き締めを行っている人もいました。華美な暮らしや贅沢よりも、「質素倹約」を美徳とするのは日本人らしい気質とも言えるかもしれません。

節約策のトップは「節電」、待機電力の削減や、安い電力会社への乗り換えなど

では現在、皆さんが実践している「節約」を具体的に見ていきましょう。最も回答が多かったのは「節電している」(71.7%)でした。「電源は使うときにタップでオンオフしている」(女性30代、東京都)など、待機電力を抑えるため、節電タップを利用いているという声。さらに「小まめに電気は消して、部屋に(家族が)なるべく集まって暖房をあちこち付けない」(女性50代、千葉県)など、出来るだけリビングなどに家族が集まって生活を送ることで、照明・エアコンの節電と共に家族団らんにもつながるという声が寄せられました。また自由回答の中には「東電から少しでも安い企業に変えました」(女性60代、埼玉県)など、「電力自由化」に伴い、安い電力会社を探して契約したという人もいました。

現在、「節約」していることは?
1 節電している 71.7%
2 節水している 53.7%
3 食費を抑えている(なるべく安いものを探す) 52.4%
4 ファッション・衣類を買い控えている 50.5%
5 外食費・飲み代を抑えている 47.9%
6 旅行・レジャーを控えている 31.4%
7 節ガスしている 30.3%
8 電話(ケータイ、スマホなど)・インターネットなど通信費を抑えている 29.6%
9 家電を買い控えている 29.0%
10 美容室・散髪の頻度を抑えている 26.7%
MA(複数回答)/n=2393人(節約を意識している人)

次に2位は「節水している」(53.7%)。「水道料金が高いので洗濯はまとめてしている」(女性50代、大阪府)、「水は出しっぱなしにせず、お台所の洗い物の際はすすぎをまとめて行う」(女性40代、東京都)など、洗濯や食器洗い時の節水を心掛けているという声。さらに「水道代を節約するため食洗機を購入しました」(男性70代、大阪府)、「洗濯機やトイレも節水型にしている」(男性60代、愛知県)など、節水機能の付いた最新家電に切り替えたという声も多く、初期投資はかかるものの、長い目で見れば、その方が節約につながると考える人もいました。現代社会に欠かせないインフラである「節電」「節水」がランキング上位に挙げられた一方で、「節ガスしている」(30.3%)という声は7位に留まりました。昨今ではオール電化住宅も増えているせいか、ガスに対する意識はそう高くないことがうかがえます。

節約の秘訣は「自炊・家飲み」、今冬の野菜高騰は「冷凍&カット野菜」で乗り切る!

「公共料金の節約」以外で多かったのは、3位「食費を抑えている(なるべく安いものを探す)」(52.4%)。「食費は夫婦2人でひと月2万円に抑えている」(男性30代、大阪府)など、毎月の食費を決めて、その範囲内でやり繰りしているという声。さらに「食費については献立を先に考えて買い物する」(女性40代、千葉県)など、店頭での衝動買いや無駄使いをしないため、自宅でしっかりと買い物リストを作ってから出かけるという声も寄せられました。特に今冬は、葉もの野菜の値段が高騰していますが、自由回答の中には「高い野菜をやめて冷凍野菜やカット野菜を利用する」(女性40台、京都府)など、創意工夫を行い、コストダウンに努めている人もいました。同じく「自炊に努めて自分で作れるものは、なるべく外食・中食しない。弁当・マイボトルを持参する」(女性40代、愛媛県)など、5位にも「外食費・飲み代を抑えている」(47.9%)が続きました。「自炊・家飲み」中心の暮らしは、節約生活を成功させる秘訣と言えるかもしれません。

そのほか、「洋服が好きで独身時代は給料のほとんど使っていたが、今は月々の決まった自分のお小遣いが貯まった時に1着買うくらい」(女性30代、群馬県)など、4位「ファッション・衣類を買い控えている」(50.5%)。「美容室には行かず、自分でカット、色染めもしている」(女性60代、鹿児島県)など、10位にも「美容室・散髪の頻度を抑えている」(26.7%)が挙げられ、衣類やヘアカットなど「身なりに関わるもの」を後回しにする人も少なくありませんでした。

「通信費」削減意識が高まる、プランの見直しや格安スマホ会社への乗り換えも

過去3年間の同調査を比較してみたところ、特に目立ったのは「節水」(2015年=52.5%、2016年=47.1%、2017年=48.1%、2018年=53.7%)で、昨年よりも5%以上も増加していることが判ります。家族の多い家庭ほど使用量の増える水道ですが、その料金は年々高くなる印象があります。その一番の理由は、高度経済成長期に整備の進んだ上下水道の老朽化が進み、改修や交換費用が嵩み、それが料金に反映されているためだと言います。水は生命に関わるライフラインだけに、なかなか思い切って削りにくいものですが、節水意識の高まりが過去データの推移から明らかとなりました。

「水道料金」以外で、節約意識が高まっているのは「電話(ケータイ、スマホなど)・インターネットなど通信費を抑えている」(2015年=16.8%、2016年=16.8%、2017年=27.8%、2018年=29.6%)です。2015年と比べて12.8%、昨年よりも1.8%増加し、家計を大きく圧迫するスマホなど「通信費」の拡大に対し、節約のメスを入れ始めたご家庭が増えたことが分かります。自由回答の中には 「ネットは容量制限があっても、安めのプランで」(女性40代、香川県)、「固定費を見直すため格安スマホにした」(女性50代、東京都)など、思い切ったプランの見直しや、大手キャリアから格安会社への乗り換えたという声が多数寄せられました。現代生活においては、家計に占める通信費の割合をいかに減らすか、が大きな課題となっていることがうかがえます。

8割以上が「(景気回復を)実感していない」、一番の要因は「給料アップがないこと」

年始早々、日経平均株価が26年ぶりにバブル期並みの高値を付け、雇用の上では求人倍率が高水準で推移し、企業の採用意欲が高まっています。こうした好景気の兆しが見える中で、皆さんは「景気の上向き」を実感しているのでしょうか。「会社の業績もリーマン以降最高の収益で賃金・ボーナスも前年比増え、確実に景気はよくなっていると思う」(男性50代、静岡県)など、「実感している」と回答した人は4.1%。自由回答の中には「株高の恩恵があった」(男性60代、神奈川県)など、株でひと儲けしたという人もいました。

「実感派」がごく僅かであったのに対して、「あまり恩恵を受けている実感はない。 オリンピックで景気が良くなるとは思うが、自分にまで影響があるとは思っていない」(女性50代、愛知県)など、「(良くも悪くも)今までと変わらない」と回答した人は半数近い45.8%。「給料に反映されないので実感しません」(女性30代、静岡県)など、景気回復の実感が得られ得ない一番の要因は「給与アップがないこと」という声が目立ちました。業績が拡大しているとはいえ、将来不安からか内部留保を賃金に回す企業は、まだそう多くないことがうかがえます。

さらに「日銀の金融緩和で、お金がダブついているのは一流企業だけ。庶民の暮らしは逆に苦しくなっているように感じる。この状態が続けば、第二のバブル崩壊は確実に起こる」(男性60代、大阪府)など、「むしろ悪くなっている」というネガティブな声も35.7%を占めました。自由回答の中には「働き方改革の名の元に残業が規制されて、身入りが減っている」(男性40代、滋賀県)、「実態経済に則していない。あくまでも、アメリカの株価の影響を受けているに過ぎない。東京五輪までがピークで、その後は人口減少や内的、外的要因によって悪くなる」(男性30代、埼玉県)など、金融政策や働き方改革等が日本経済に悪影響を及ぼすのではないかという懸念の声も多く、2020年の五輪後に大不況の到来を予想する人もいました。兎にも角にも「実感を得ている」という人はひと握りで、全体の8割以上の人びとが「今までと変わらない」「むしろ悪くなっている」という印象を持っていることが明らかとなりました。


【調査概要】
調査対象:全国の20歳以上の男女
有効回答数:2,432人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2018年2月7日~2月13日

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