「いまの政治家に欠けているもの」調査(首都圏在住の18~79歳の男女対象) 

2018年01月25日
リサーチ・アンド・ディベロプメントは、首都圏在住の18~79歳の男女3,000人を対象に実施した自主調査を用い、「政治家に欠けているもの」について分析を行いました。

【調査結果】

■政治家に欠けていると思うものは「庶民的感覚・世間的常識」がトップ。
1996年の「実行力・行動力」から変化。

「いまの政治家に欠けているもの」の最多は「庶民的感覚・世間的常識」。
6 位だった 1996 年と比べると 10 ポイント以上のアップ。
1996 年にトップだった「実行力・行動力」は 14 ポイント下がり 4 位に。(図 1)

■年代で違う政治家に求める資質。
40代以下は“ビジネススキル”の物足りなさ、50代以上は“姿勢”に違和感。

回答者の年代別に「いまの政治家に欠けているもの」をみると、40 代以下で「説得力・交渉力」「経営意識・コスト感覚」が 50 代以上に比べ高い。
50 代以上では、「謙虚さ」が他の年代に比べ高くなっている。

【R&D生活者インサイト】

◇いまの政治家に問われる“人としての信頼感”

「いまの政治家に最も欠けていると思うもの」はこの 20年で「実行力・行動力」から「庶民的感覚・世間的常識」に大きく変化しました。
庶民感覚というと、経済的な側面(金銭感覚)が頭に浮かびますが、「世間的常識」や上位に上がった「責任感」「金銭面の清潔さ」と合わせて考えてみると、ふだん私達の接する人が「信頼できる人かどうか」を判断するのと同じ視点のように思います。
一方 20年ほど前は「実行力・行動力」が特に多く、「金銭面の清潔さ」「責任感」と合わせると、“政治家“というリーダーとしての資質が問われていたようです。つまり、この 20年間で政治家に対する評価軸が「任せられるリーダー」から「人として信頼できる」に変化しているように感じられます。「こんな人に政治を任せてよいのか?」と疑問視される政治家は「リーダーとしてふさわしくないのでは?」というより「人として信頼に欠けるのでは?」と考えられていて、その傾向は特に女性の回答者に顕著に表れています。
また、若年層は 「説得力・交渉力」「経営意識・コスト感覚」といったビジネススキル・感覚を疑問視する声もあります。一方シニア世代では「謙虚さ」や「正義感」といった姿勢・理念に着目していて、年代によって政治家に対する視点が異なることもわかりました。

◇“住む世界”の垣根がなくなりつつある

なぜ、政治家に対する見方が変化したのか。
20年ほど前は、政治家が住む世界と生活者が住む世界は違う、と考えられていたのではないでしょうか。生活者は、庶民的感覚や世間的常識では考えられない政治の世界の“暗黙のルール” の存在をなんとなく感じつつ、 「特殊な世界だから」と消極的ながらも容認してしまっていたように思います。ところが近年「自分たち生活者とは“違う世界”に住む政治家」が「 “同じ世界”に住む政治家 」という見方に変化しつつあるように感じられます。
それは政治の世界だけでなく、今まで「特殊な業界だから」と暗黙の了解下におかれてきた「芸能界のセクハラ」や「医療・介護・学校業界での長時間労働」「ワンオペ育児」といった最近注目されている問題にも言えることのように思います。
かつてはそれぞれの住む世界に垣根がありましたが、その垣根がなくなりつつあり、一部だけで通用する“暗黙のルール”は通用しにくくなっています。代わりに誰もが納得するルールだけが求められていて、その“誰もが納得する”かどうかの判断基準が「人としてどうなのか」ということなのだと思います。

いまの政治家に欠けていると思うもの
1位 庶民感覚・世間的常識 35%
2位 責任感 34%
3位 金銭面の清潔さ 34%
4位 実行力・行動力 28%
5位 将来を見通す先見力 22%


【調査概要】
調査名: CORE2018 マスター調査
調査地域: 首都圏 40km圏(調査地点 200地点)
調査対象: 18~79歳男女個人
サンプル数: 有効回収 3000サンプル (人口構成比に合わせて、性×年代別を割付)
サンプリング手法: 住宅地図を用いたエリアサンプリングで抽出
調査手法: 訪問・郵送併用の自記入式留置調査
調査実施時期: 2017年10月(毎年1回10月実施)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[リサーチ・アンド・ディベロプメント]
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