キャップジェミニ アジアパシフィック・ウェルス・レポート2017 

2017年11月09日
キャップジェミニは2017年版アジアパシフィック・ウェルス・レポート(APWR)を発刊しました。
アジア太平洋(日本を除く)では、アジア太平洋地域はわずかな減速にもかかわらず、個人富裕層(HNWI)(*1)の人口と資産規模の両面で第1位を維持し、2025年までにHNWI資産総額で40兆米ドルを上回る目標に向かって順調に推移しています。資産管理マネージャーによるHNWI投資は2016年に実に33%も増加しましたが、HNWIが投資利益だけではなく総合的な価値を求めているため、富裕層に対する全体的な満足度は依然として低迷しています。
アジア太平洋地域は他のすべての地域を凌駕し、富裕層人口と資産規模の両面においてHNWIの世界的リーダーであり続けていますが、2016年にはややペースダウンし、人口と資産の増加ペースはそれぞれ7.4%と8.2%と、2015年の9.4%と9.9%から僅かに減少しています。

以前は、中国と日本がアジア太平洋における富裕層人口増加を支えて来ましたが、2016年の景気減速により両地域全体に影響がありました。中国は「世界で急速に成長している市場」ランキングの33番目であり、成長率は2015年の16.2%から9.1%に止まっています。日本は、2016年には同市場ランキングの41番目で、2015年の成長率10.9%に対し6.3%に止まっています。とはいえ、中国と日本は、2016年のアジア太平洋地域の富裕層人口の73%、資産総額の68%を占める、依然としてこの地域の2大市場です。

米国のみが個人富裕層の人口で日本(17万1千人)と中国(9万5千人)を上回る33万7千人を2016年に追加しましたが、アジア太平洋は富裕層人口で36万人、資産総額で8,630億ドル、北米をリードしています。キャップジェミニのAnirban Bose(グローバルバンキングおよびキャピタルマーケット担当)は、「新興アジア(*2)が2016年の10.2%を上回る12.9%で成長し、成熟アジア(*3)が6.4%以上になる(2016年には6.9%で達成)場合、2025年までにアジア太平洋地域の個人富裕層資産が40兆ドルを上回ことが予測される」と述べています。
アジア太平洋(日本を除く)のHNWIが保有する資産ポートフォリオは2016年に33%の収益率を達成し、世界のHNWIの24.6%を大幅に上回りました。この堅調な業績は、株式などの流動性の高い資産を5年ぶりに高水準に引き上げましたが、同時に現金配当も増加しました。株式および現金に対するHNWIの配分は、前年比でそれぞれ4.4%ポイントおよび4.3%ポイント増加し、過去5年間で最も高い上昇率でした。

顧客満足度向上の機会
しかし、アジア太平洋のHNWIの全体的な満足度は、資産管理マネージャーの手数料に関する透明性と提供された総合的価値が最大の関心事であったため、やや控えめな結果となりました。アジア太平洋のHNWIでは、高いNet Promoter Score® (*4) (“NPS”, 31.4)を誇っていますが、特定の市場においては、懸念を示す結果となりました。日本(-51.3)、香港(-19.8)、シンガポール(-11.0)、マレーシア(-14.4)の負のスコアは、業界にとって憂慮すべきことです。また、アジア太平洋地域のより若いHNWI(40歳未満)のNPS®は32.0である一方、高齢のHNWI (60歳以上)のNPS®が1.0であり、若年層が高齢層よりも資産管理サービス提供者を推奨する可能性がはるかに高いと言えます。この地域のHNWI保有資産の大部分は、未だに第1世代および第2世代の資産創造者であると考えられています。したがって、高齢層の低いNPSは、特に新興市場で問題になる可能性があります。

アジア太平洋HNWIではオフショア投資に比重
アジア太平洋(日本を除く)のHNWIは、国内市場以外に資産の44.7%を保有し、他地域の41.8%と比較して、比重が大きくなっています。同地域のすべての市場のHNWIは、金融資産の少なくとも3分の1を海外に保有していますが、とりわけ香港には国際的な志向の強いHNWIが集中しています。
アジア太平洋のHNWIは、多様なオフショアの投資先を好んでいますが、全体的に香港とシンガポールが好まれています。例えば、中国、マレーシア、インドネシアのHNWIは香港とシンガポールを、日本、オーストラリア、香港のHNWIは、ニューヨークとロンドンを選好しています。
香港、シンガポールの主要金融センターを中心とする資産管理サービス業界では、アジア太平洋HNWIの様々な要望(オフショア・ウェルス・マネジメント、ハイブリッド (*5)およびセルフ・サービス・アドバイスの提供など)に応え、顧客満足度の向上、新たな収益機会の開拓、BigTech (*6)による混乱の回避を実現するために、デジタル技術への投資を加速させる必要に迫られるでしょう。

アジア太平洋・ウェルス・レポート2017の調査方法
キャップジェミニが発行するアジアパシフィック・ウェルス・レポートは、アジア太平洋地域の個人富裕層(HNWI)、保有資産、および資産管理業界における変化を促す世界的および経済的条件を追跡する、業界をリードするベンチマークです。発行12年目の今回は、世界的なHNWIの視点と行動に関する徹底的な第一次研究から得られた知見が含まれています。 2017年版アジアパシフィック・ウェルス・リポートは、オーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、マレーシア、シンガポール、韓国の9つの中核市場に焦点を当てています。市場規模モデルには、18の国と地域(9つの主要市場及びニュージーランド、カザフスタン、ミャンマー、パキスタン、フィリピン、スリランカ、台湾、タイ、ベトナム)が含まれています。


1.HNWI(個人富裕層)とは、住宅、収集品、消耗品、耐久消費財を除く投資可能資産が100万米ドル以上を所有する個人と定義しています

2.新興アジアには中国、インド、インドネシア、タイが含まれます

3.成熟アジアには、日本、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、香港、台湾、マレーシア、韓国が含まれます

5.Net Promoter、Net Promoter System、Net Promoter Score、NPS®およびNPS®関連の絵文字は、Bain&Company、Inc.、Fred ReichheldおよびSatmetrix Systems、Inc.の登録商標です。Net PromoterScore®( NPS®)は、企業の製品やサービスを他のユーザーに推奨する意欲を測定するインデックス(-100〜100)です。会社の製品やサービスに対する全体的な満足度と顧客のブランドに対する忠誠度を測定する指標として使用されています

5.キャップジェミニは、ハイブリッド・アドバイス・モデルを次のように定義しています。「ライフステージとニーズに基づく資産管理と財務計画機能をモジュラー構造でパーソナライズ化し、利用課金型のサービスにすることで、クライアントに主導権を提供します。これらの機能は、(1)コグニティブ分析主導の自動/セルフサービス・アプローチ(基本的な投資管理など)、 (2)人間主導のアプローチ(複雑な富の構造化など)、(3)資産管理マネージャーのサポートを含むハイブリッド・アプローチの3種類の融合サービスにより、クライアントの要望に応じた形で提供されます。」

6.BigTechは、AlibabaやTencentなど、アジア太平洋地域の金融サービス業界に従来存在しなかった新興のテクノロジー系企業を指す一般用語です

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