婚活関連サービス市場予測2018 

2018年01月09日
TOBEは、恋愛結婚学研究所と共同で2017年度の婚活・恋愛関連市場の総括と2018年の予測を実施しました。

【2017年度の婚活・恋愛関連市場】

1関連指標の推移
①生涯未婚率
総務省統計局『国勢調査報告』により算出した、人口統計資料集(2016)によると、2010年時点では、50歳時点での未婚率(生涯未婚率)は、男性20.14%、女性10.61%。

2015年の『国勢調査報告』によって算出した、2015年の未婚率は、男性23.37%、女性14.06%でした。生涯未婚率は今後も上昇を続ける見込みであり、婚活支援サービスの必要性は一層増すと想定されます。

②出生率
厚生労働省が発表した2016年の人口動態統計によると、1人の女性が生涯に何人の子どもを産むのかを推計した合計特殊出生率は1.44となり、前年度の1.46と比較し、ほぼ横ばいを維持しました。

また、2017年12月22日に厚生労働省が発表した動態統計の年間推計(※1)によると、国内で生まれた日本人の赤ちゃんは94万1千人で、100万人を2年連続で下回り、統計の残る1899年以降、最少を更新する見通しとなっています。

合計特殊出生率は、2005(平成 17)年には過去最低である 1.26まで落ち込んだ後、近年微増傾向が続いていますが、未だ少子化に歯止めがかかったとは言えない状況です。

2婚活関連サービス(※2)上場企業の業績推移
婚活関連サービスを提供する、上場企業の業績推移は下記の通りです。

【株式会社IBJ】(※3)(結婚相談所、婚活パーティ、他)
2016年12月期 売上高 5,268百万円 営業利益 1,111百万円
2017年12月期(予想)売上高 9,413百万円 営業利益 1,441百万円

【パートナーエージェント株式会社】(※4)(結婚相談所、他)
2016年3月期 売上高 3,644百万円 営業利益 445百万円
2017年3月期 売上高 3,812百万円 営業利益 204百万円

【株式会社ツヴァイ】(※5)(結婚相談所、他)
2016年2月期 売上高 3,890百万円 営業利益 146百万円
2017年2月期 売上高 3,763百万円 営業利益 50百万円

【株式会社リンクバル】(※6)(街コン運営、街コンポータルサイト他)
2016年9月期 売上高 2,144百万円 営業利益 294百万円
2017年9月期 売上高 2,652百万円 営業利益 464百万円

3婚活関連サービスの推移
リクルートブライダル総研は、2016年に結婚した人の11.3%が婚活関連サービスを用いて結婚しているとの調査結果を発表しました。(※7)

2016年に結婚した人の11.3%は婚活サービスで相手を見つけており、年々増加傾向とのこと。

婚活サービスによって結婚した人の割合(婚姻年別)の推移は、既婚者ベースで、4.7%(2013年)→6.7%(2014年)→8.3%(2015年)→11.3%(2016年)

また、婚活サービスに対するイメージと考え方について、若年層ほど、ポジティブなイメージを持っていることも調査結果から示唆されています。

今回、婚活に取り組む人が出会いの手段として利用する「婚活パーティ」「結婚相談所」「マッチングアプリ」「相席ラウンジ」について、Google Trendsによって2017年1月から、2017年12月までの1年間のトレンドを調査しています。

さらに各事業者が発表している、各サービスの利用者数等を調査し、評価に加えました。

①婚活パーティ・イベント
「婚活パーティ」の推移については、2017年度は大きな変動は見られませんでした。(図1)

大手結婚相談所を含む各社が婚活パーティ事業に参入しています。株式会社IBJのイベント事業(婚活パーティ「PARTY☆PARTY」と合コンセッティング「Rush」)の月次動員数は、2016年平均で4.2万人だったところが、2017年平均では5.2万人と月間約1万人の動員増となりました。

株式会社リンクバルのイベントECサイト『街コンジャパン』のイベント掲載数は、2016年9月期の年間掲載数45,399と比較し、2017年9月期の年間掲載数は、96,962と前期比で倍以上に増加。また、同会員数は、2016年9月の733,361人と比較して、1,068,765人と、前期比45.7%増加しました。

株式会社パートナーエージェントのファスト婚活事業、『OTOCON』による婚活パーティの延べ参加者数は、2017年3月期で、136,491人と前期比111.7%
と倍増しました。

一方、株式会社ツヴァイのイベント事業は、2016年2月期と比較し、売上高が前年比78.3%の159百万となりました。

非上場企業に目を向けると、婚活パーティを掲載するポータルサイト「オミカレ」は、会員数が1年間で約3倍となる17万人に到達しています。(※8)

婚活パーティ事業全体としては、市場は引き続き伸長していると考えられます。Google Trendで目に見える推移が無かったことについては、「婚活パーティ」という言葉自体がすでに広く浸透し尽している、ことが示唆されます。

②結婚相談所
「結婚相談所」のワード人気度は、2017年度は7月から8月にかけて急激に上昇しています。これはテレビ朝日系列で7月28日から9月1日にかけてテレビドラマ『あいの結婚相談所』がオンエアされたことによるものと考えられます。

それ以外の時期では大きな変動は無いものの、テレビドラマの題材で、結婚相談所が使われていることは、婚活に関する一般的な関心が高まっているものと示唆されます。

上場企業各社の、結婚相談所サービスの在籍会員数については、

株式会社IBJ
5.84万人(2016年12月)⇒5.91万人(2017年11月)(※9)

株式会社パートナーエージェント
11,984人(2016年3月期)⇒12,193人(2017年3月期)(※10)

株式会社ツヴァイ
32,220人(2016年2月期)⇒30,293人(2017年2月期)(※11)

と在籍会員数は企業によって、増加・減少が見られます。

③マッチングアプリ

「マッチングアプリ」のワード人気度は、この一年間で上昇傾向にあります(図3)。国内最大級のマッチングアプリ『Pairs』のユーザー数推移(※12)は、2012年11月リリース以降、増加を続け、2014年6月に会員数100万人突破、以降200万人突破(2015年2月)、300万人(2015年10月)、400万人(2016年5月)、500万人(2016年12月)、600万人(2017年8月)とさらに成長を続けています。

また、株式会社ネットマーケティングが運営する『Omiai』は2017年11月末現在、262万4千人(※13)、サイバーエージェントグループの株式会社マッチングエージェントが運営する『タップル誕生』も2017年8月に会員数が250万人を突破しました。(※14)

その他にも、With、イブイブ、Matchbook、ユーブライド、ゼクシイ恋結び、海外企業が運営するTinderなど、さまざまなマッチングアプリが利用されています。

④相席系居酒屋・相席ラウンジ
相席系居酒屋を訪問する客層は、男女ともに20代・30代の層が中心となっていますが、最近ではより幅広い年齢層の方が利用するようになっています。

現在はそういった幅広い顧客のニーズを反映し、顧客層の年齢を高めに設定し、高級感を特徴にした店舗や、居酒屋形態だけではなく、カフェスタイルや、ラウンジ、バー系などさまざまなタイプの出店が次々とされております。

「相席屋」を運営する、株式会社セクションエイトも全国30店舗以上の相席屋以外に、相席バー形態の「The Public stand infinite bar」や相席ラウンジ形態の「FIX LOUNGE」など様々なタイプの店舗を展開しています(※15)。

特に、相席ラウンジのGoogle Trend推移を調査すると、5月および11月に大きく人気度が上がっています。これは、テレビ局の番組で相席ラウンジの特集が組まれたことに起因するものと考えられます。

【2018年度の市場予測】
前項を踏まえ、2018年度の婚活関連サービス市場を下記の通りに予測します。

①市場概要
生涯未婚率・結婚率の指標が低迷を続けており、いまなお改善を要求されていること、そして、関連上場企業の業績が上昇基調であること。この2点から、サービス提供機会はさらに拡大すると予想され、民間企業による婚活関連サービス市場は、2018年度も拡大する見込みです。

②婚活関連サービスのトレンド
婚活パーティ・イベントについては引き続き開催数・参加者数が増加しました。しかし、Google Trend推移では人気度が頭打ちで漸減傾向であることから、すでに利用者層への浸透は終了していると考えられます。

今後はサービスレベルの向上や、パーティ企画の差別化などによる、参加者の満足度の向上が求められるフェーズになると予想されます。

結婚相談所については、テレビドラマ等の影響で利用者層にあらためて認知が広がっていますが、上場各社の会員数についてはほぼ頭打ちとなっています。

新規顧客の獲得のため、サービスの質や成婚率などの成果がより求められるでしょう。

マッチングアプリは、Google Trend推移によると人気度はさらに増加しています。まだまだ利用者拡大の余地があると考えられます。既存の大手アプリの会員数は増加を続けている一方、新しいアプリが次々と登場しており、提供各社による会員の獲得競争が激しくなりそうです。

相席系居酒屋・ラウンジについては、2017年は相席ラウンジがテレビ番組に複数回取り上げられるなど、ブームが起こりました。一方で、新しい業態や趣向を凝らした店が次々と立ち上がるなど、このジャンルも顧客の奪い合いが激しくなっていくことが予想されます。


(注)
※1 厚生労働省のホームページより引用
※2 婚活関連サービス事業者とは、主な事業として「結婚相談所」「婚活パーティ」「街コン」を運営している事業者を指す
※3 株式会社IBJのIRより引用。
※4 株式会社パートナーエージェントのIRより引用
※5 株式会社ツヴァイのIRより引用
※6 株式会社リンクバルのIRより引用
※7 ブライダル総研の調査資料より引用
※8 オミカレのサービスサイトより引用
※9 株式会社IBJの月次データより「オフライン会員数」を算出
※10 株式会社パートナーエージェントの決算報告資料より抜粋
※11 株式会社ツヴァイ決算報告資料より抜粋
※12 株式会社エウレカのサービスページより引用
※13 株式会社ネットマーケティングの月次IRニュースより引用
※14 株式会社マッチングエージェントのホームページより引用
※15 株式会社セクションエイトのホームページより引用

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