第7回APEC CEO年次調査(APEC参加21カ国・地域のビジネスリーダー対象) 

2017年11月16日
PwCは、2017年5月から7月にかけ、APEC参加21カ国・地域のビジネスリーダー1,412名を対象に調査を実施しました。回答者は、主たる事業所の所在国以外に平均で6カ国のAPEC諸国に投資する企業の代表者です。回答者の半数は年間売上高が10億米ドルを超える企業に属しています。

PwCが実施した「第7回APEC CEO年次調査」によると、APEC参加21カ国・地域のビジネスリーダーで収益成長に自信があると答えた人の割合は、過去3年間で最高水準に達しています。

APECを構成する多くの国・地域で、貿易政策の不確実性とそれに関連する政治的緊張の高まりにもかかわらず、向こう12カ月の収益成長に大いに自信があると答えたAPECのCEOは37%であり、2016年の28%から増加しました。

PwCは、11月8~10日にベトナム・ダナンで開催されるAPEC CEOサミットに先立ち、APEC参加21カ国・地域の1,400人を超えるビジネスリーダーを対象に調査を行いました。

今回の調査対象となった企業のうち、世界における投資(APEC以外の地域への投資を含む)を来年増額するとした企業は実質50%となり、昨年の43%から増加しました。背景には、APECの企業が地盤を固め、世界経済への影響力を増していることがあります。

投資を増額すると回答したCEOの71%が投資増額分を2018年にAPECに振り向けるとしており、APECのCEOの63%は世界における事業範囲が今後3年間で拡大すると予想しています。

地域別に見ると、最も多くの投資を獲得するのは、ベトナム、ロシア、フィリピン、インドネシア、マレーシアとなる見込みです。また、ベトナム、中国、インドネシア、米国およびタイは、APECのビジネスリーダーの海外投資先上位10カ国に入っています。マレーシアのCEOの89%、ベトナムのCEOの86%が世界で投資を拡大すると回答しています。

本調査では、APECのCEOのほぼ4分の1が貿易環境の制約が強まったことを経験したと認めており、特に外国人労働者の雇用(23%)や国境を越えた財の移動(19%)への関心が高くなっています。

近い将来、CEOの30%が労働力に対する規制が強化されると予想し、4分の1が財の移動への障壁が向こう12カ月以内に引き上げられると予想しています。世界有数の金融センターであるシンガポールのCEOの半数が、労働移動への障壁が向こう12カ月以内に引き上げられるだろうと述べています。

結果として、CEOの過半数(71%)が貿易環境の変化への対応策として、ビジネス・パートナーシップと合弁事業への依存が強まると予想しており、68%が国内または二国間協定締結国での事業拡大を計画しています。

地域レベルでの事業推進への取り組みは引き続き活発化しており、APEC諸国における企業の競争環境を変化させています。CEOは、APEC諸国における大手地域企業との競争激化を認識しており、新興国での競争激化についても3年連続で指摘しています。これらの競争が今や、先進国の既存の多国籍企業との競争にとって代わろうとしています。

CEOの19%は、今後3年から5年における最大の競争相手が新興国の多国籍企業だと考えています。あるいは、最大の競争相手としてAPEC諸国の地域の有力企業を挙げるCEOも22%います。ほぼ3分の1(32%)は先進国の多国籍企業が最大のライバルだと考えていますが、その割合は2014年の41%から低下しています。

CEOの自信が高まる中で、イノベーション主導の成長機会への認識が高まっています。一方でビジネスリーダーの間では、世界での競争に向けた適切なスキルの確保に対し、自らの能力への懸念が高まっています。

自動化は、将来の労働力の増強に向けた戦略の一環として繰り返し唱えられている重要テーマであり、58%が特定の機能を自動化し、40%が機械学習などの新しいテクノロジーに投資しています。従業員が新しい自動化ツールの使用に習熟していると考えるビジネスリーダーは41%に上ります。

ASEANの企業にとって自動化は優先課題であり、「デジタル労働力」の開発は戦略における重要な要素となっています。

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[PwC]
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