「大掃除と不用品整理の実態」に関する調査(16~59歳の男女対象) 

2017年11月28日
インテージは、年末に行う大掃除と不用品整理の実態について自主企画調査を実施しました。

インテージでは、年末に大掃除を行う予定の有無や、既婚家庭における夫婦間での意識のギャップ、さらには、不用品整理の方法として、最近注目を集めるフリマアプリの利用実態などを探るべく、16~59歳の男女2,208人を対象に意識調査を実施しました。

【調査結果ポイント】

◆ お掃除関連商品の販売金額は年末12月に平月比149%と大幅増加。「ガラスクリーナー」「住居用クリーナー」などが大きく販売金額を伸ばす
◆ 全体では67.9%の人が今年の年末に大掃除を予定。「未就学の末子を持つ親」層は、全体を15.8ポイント上回る83.7%が大掃除予定ありと積極姿勢
◆ 40代以上女性では、17.7%が「大掃除における夫の協力に対して『まったく満足していない』」
◆ 大掃除で最も面倒だと感じるもの、トップ3は、「キッチンの換気扇・レンジフードの掃除」(39.7%)、「窓や網戸の清掃」(22.0%)、「不用品の処分・整理整頓」(18.6%)
◆ 不用品の処分方法、昨今話題の「フリマアプリ」の出品利用経験・利用意向は若年層、特に女性10代で高い。男女とも30代以上では「ショップ買い取り」も積極活用

【調査結果】

販売データに見る大掃除関連消費。12月はお掃除関連商品の販売金額が平月比1.5倍に

年末の大掃除の実態を、まずはインテージが保有する全国小売店パネル調査(SRI)のデータから確認してみます。お掃除関連の消費は、実際に年末に高まっているのでしょうか。
2016年1年間のデータで確認してみると、お掃除関連商品の販売金額は1月から7月にかけて徐々に増加した後、やや減少。10月にふたたび増加した後、大掃除時期の12月に大幅に増加していることがわかります。1~11月までの月平均と比較すると、12月は1.5倍程度の増加となっており、12月の大掃除需要が確認できます。

また、さらに細かなカテゴリ単位で12月の伸び率を見てみると、特に大きく販売金額を伸ばすのは「ガラスクリーナー」(645%)で突出して高く、「住居用クリーナー」(326%)、「住居用ワックス」(312%)、「化学雑巾」(209%)などのカテゴリが続きます。また、それらに比べると伸び率は小さいものの、「バス用クリーナー」「トイレ用クリーナー」等も平月比140%程度と販売金額を伸ばし、窓の掃除、住居全般の入念な掃除やワックスがけなど、普段はなかなか手が回らない部分を中心に、年末に掃除を行っている様子が販売データからも確認できます。
ちなみに、「トイレ用クリーナー」「パイプ用クリーナー」などは夏場の匂い対策を気にしてか7月に向けて販売金額の増加が見られ、夏場のお掃除関連商品の販売金額増加の要因となっています。

Point:
・お掃除関連消費は、12月に1年の中で最も高まり、平月(1~11月平均)比で149%販売金額が増加
・日常の掃除ではなかなか行き届かない範囲や、ふだんよりも入念な掃除を年末に行うために、「ガラスクリーナー」「住居用クリーナー」などが特に販売金額を伸ばす

年末の大掃除、未就学児のいる家庭で特に積極的。ライフステージ特有の意識が影響か

販売データを使って12月のお掃除消費を確認したところで、ここからは自主企画調査の結果から、大掃除に関連した生活者の意識・実態に迫っていきます。はじめに、今年の年末に大掃除をする予定がある人はどのくらいいるのか、「大掃除の予定」について聞いてみました。

全体では、67.9%の人が「今年の年末に大掃除をする」と回答し、過半数の人が大掃除をする予定であることがわかりました。さらに、大掃除を“家庭のイベント”という観点から、ライフステージ別に予定有無の割合を見てみると、中高生以下、特に未就学児を末子に持つ家庭では「大掃除をする」と回答した人の割合が83.7%と他層に比べて高く、衛生面や安全面への配慮や、日々家事に忙殺される中で、掃除に十分な時間をあてられない、といった小さな子どもを持つ親ならではの意識・行動の変化が背景にあるものと推察されます。一方で、未婚者、特に40代以上の人では大掃除を行う予定と回答した人の割合が56.0%と全体に比べて低いこともわかりました。

Point:
・今年の年末に大掃除をする予定がある人は全体で67.9%で、過半数が大掃除を予定
・小さな子どもを持つ親では大掃除を予定している人の割合が8割強と高く、大掃除消費のターゲットやコミュニケーションを考える上でのヒントになる可能性あり

夫や妻の協力・貢献満足度は男女で大きな差。大掃除に対する意識が評価の分かれ目

全体では7割弱の人が行う予定あり、と回答した年末の大掃除。では、既婚家庭では、大掃除における夫や妻の協力・貢献に対して、どのように感じているのでしょうか。
夫や妻の協力・貢献への満足度を聞いてみると、『満足している計』(「とても満足している」+「満足している」)の割合が多かったのは30代以下の男性で、87.9%とほとんどの人が妻の協力・貢献に対して『満足している』と回答していました。一方で、『満足していない計』(「満足していない」+「まったく満足していない」)の割合が多かったのは40代以上の女性で、52.2%と半数以上の人が『満足していない』と回答、さらには17.7%が「まったく満足していない」と回答しました。年代別では、男女ともに年代が高い層では不満度が高い傾向が見られ、また男性に比べて女性で不満度が高いことが明らかとなりました。

 ではなぜ、既婚女性は夫の協力・貢献に「不満」と感じているのでしょうか。その理由を自由回答で聞いた結果を見てみると、「不満」と感じる理由としては、「そもそも大掃除を手伝わなければと思っていないのが不満」のほか、手伝ってはくれたものの「いい加減にやるので二度手間になる」といった回答が見られました。また、「子どもの面倒を見てくれるだけでも違う」という声も挙がり、掃除をするという直接的な協力だけでなく、家族で大掃除をしようという姿勢も相手の満足度を左右する要素となっていることがわかります。
「満足」と回答した人の理由には、「率先してやってくれる」、「高い場所・重いものをやってくれる」などが挙がり、不得意とする部分に対する協力姿勢も評価のポイントになっているようです。

Point:
・女性40代以上の半数以上が、夫の大掃除への協力・貢献に対して不満
・不満と感じる理由は、「そもそも手伝わない」、「いい加減にやる」などが挙がり、一方で、満足と感じる理由には、「率先してやってくれる」「高い場所・重いものをやってくれる」などが挙がる。家庭のイベントとして大掃除に臨む姿勢も満足不満足の印象の分かれ目に

大掃除で面倒なのは、「レンジまわり」と「窓・サッシまわり」。生活の知恵で上手に対処

年末年始の大掃除というと、日常的な掃除に加え、普段はなかなか手がまわらない部分の掃除など、様々なことがその対象となります。では、そんな中で生活者が特に面倒だと感じていることは何なのでしょうか。
面倒だと感じると回答した人の割合が最も高かったのは、「キッチンの換気扇・レンジフードの掃除」(39.7%)で突出して多く、続いて「窓や網戸の掃除」(22.0%)が挙がり、日常的に掃除が行き届きにくい場所や掃除が難しい場所が上位にあがっています。またその次には「不用品の処分・整理整頓」(18.6%)が挙がり、新しい年を迎える上でキレイな空間、寛げる空間をつくるためには、掃除だけなくモノを整理整頓する「断捨離」も欠かせないようです。

さて、面倒なこととして上位に挙がった、「キッチンの換気扇・レンジフードの掃除」や「キッチンのガス(IH)レンジの掃除」、また「窓や網戸の掃除」などは、普段あまり行わないこともあり、汚れが蓄積、行うとなるとやはり時間も労力もかかるもの。では、生活者はそれらに対してどのようなお掃除のコツ・テクニックで対処しているのでしょうか。自由回答で聞いた中から、これらに関連するものを見てみます。
「油汚れ」に対するコツ・テクニックで多かったのは、「重曹」を使って油を落とす、という方法。その他には、「つけ置き」や、関連して「キッチンペーパーでパック」など、長い時間をかけてこびりついた頑固な油汚れに対して、少しでもラクに落とすために様々な工夫をしているようです。
また「窓ガラス・網戸」に対するコツ・テクニックとしては、「窓ガラスは新聞紙で拭く」、「網戸は衣類用ブラシ・歯ブラシで汚れを落とす」などが多く挙がり、日用品をうまく活用し、生活の知恵を取り入れて対処しているようです。

Point:
・大掃除で最も面倒なのは、「キッチンの換気扇・レンジフードの掃除」で約4割が人が面倒と回答
・日常的に掃除が行き届きにくい場所・掃除が難しい場所は、日用品の活用など生活の知恵を上手く取り入れ少しでもラクにする工夫を実践

不用品、「フリマアプリで出品経験あり」は男女ともに若年層で高く、今後の活用にも積極的

前項で、面倒な大掃除の3位にランクインした「不用品の処分・整理整頓」。今回の調査ではこれに関連して、最近話題の「フリマアプリ」のほか、「インターネットオークション」、「リサイクルショップや中古品買取店」について、出品利用経験や、今後の活用意向を聞いてみました。
まず利用経験を見てみると、全体では「リサイクルショップ」の利用経験が40.2%と他の方法と比べて高く、「ネットオークション」は12.9%、「フリマアプリ」は9.8%が利用経験ありという結果になりました。

2013年に「メルカリ」がリリースされるなど、ここ数年で生活者に広がった「フリマアプリ」。全体での利用経験は1割弱ですが、性別、年代別で差があり、男性に比べて女性、特に10~20代の若年層では利用経験率が2割程度と高くなっています。利用意向を見ても、女性10代では34.0%が今後活用したいと回答しており、若年女性が利用に積極的であることがわかります。一方で、同じく生活者間のネット取引となる「ネットオークション」を見てみると、こちらは女性に比べて男性、特に30代以降で利用経験が高く、利用意向も同様の傾向が見られます。
ネット取引に対して、「リサイクルショップ」というリアルの手段を見てみると、利用経験は女性10代を除いて「ネットオークション」「フリマアプリ」よりも高く多くの人が経験しています。また男性30代以上、女性20代以上では3割以上が今後も不用品の出品に活用したいと回答しており、「ネットで」「手軽に」が注目を浴びる現在においても、リアル店舗が不用品整理の方法として役割を担っていることがわかります。

Point:
・不用品の処分・整理整頓の方法として、話題の「フリマアプリ」は出品利用経験・利用意向ともに若年層で高く、特に女性10代は利用経験・意向ともに他層に比べて高い
・「ネットオークション」は利用経験、意向ともに男性30代以降で高く、この層では「ネットオークション」の利用意向が「フリマアプリ」を上回る
・男女ともに、40代を中心に年代が高い層では、「リサイクルショップ」の利用経験・意向ともに高い

ネット出品とリアル店舗への持ち込み、「発送の手間」「商品価値」で判断し使い分け

不用品の整理整頓の実態として、性年代別で利用経験は異なるものの、「ネットオークション」や「フリマアプリ」といったネットの手段だけではなく、リアル店舗も活用していることがわかりました。では、それぞれの方法は、不用品を処分する上でどのように使い分けられているのでしょうか。自由回答の結果から、その使い分けを見てみると、ネットとリアル店舗の使い分けとして多く挙がったのは、「発送が難しいかどうか」「高く売れるかどうか」という声。生活者同士でやりとりができることの簡便さがメリットのネットですが、サイズの大きな商品など、そのメリットを享受できない品物に関しては、店舗に持参して買い取りをしてもらうという人が多いようです。また、商品価値や相場を見極めながら、できるだけ高い価格で引き取ってもらうような使い分けも行われているようです。

Point:
 不用品処分の方法について、ネット出品とリアル店舗への持ち込みには「発送が簡単か」「高い金額で売れるか」などを基準に判断

「インテージ調べ」

【調査概要】
・調査手法 インターネット調査
・調査地域:全国
・対象者条件:16-59歳男女
・標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
・ウェイトバック:性年代構成比を、2015年度実施国勢調査データをベースに、人口動態などを加味した2017年度の構成比にあわせてウェイトバック
・標本サイズ:n=2,208
・調査実施時期:2017年11月10日(金)~2017年11月15日(水)

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