中学生男女が選ぶ『2017年 流行語』 

2017年11月28日
スプリックスは、スプリックスの運営する個別指導塾『森塾』に通う中学生生徒を対象に「『2017年の流行語』に関するアンケート」を実施いたしました。

「中高生男女の流行語ランキング」

中学生男子
1位 「それな」 7.4%
2位 「神ってる」「卍(まんじ)」 4.9%
3位 「だるい」 2.5%
4位 「35億」「ワンチャン」 1.9%
5位 「ジャスティス」 1.2%

中学生女子
1位 「それな」 18.6%
2位 「卍(まんじ)」 10.6%
3位 「とりま」 3.2%
4位 「ワンチャン」 2.7%
5位 「ジャスティス」「あーね」 2.1%

【調査結果サマリー】

1.男女とも1位は「それな」!他にも上位に「卍(まんじ)」「とりま」「あーね」など、SNS活用を意識した短ワードがランクイン。

2.いずれも、SNSのスピーディーなタイムラインの流れを意識した、「入力が簡単」で、話の流れを止めない「肯定的なニュアンス」が特徴。これらのワードは、SNSを離れ、中学生の日常会話にまで広がりつつある。

3.テレビを中心としたマスメディア発の流行語もランクインしているが、数は少なく、スマートフォン普及の低年齢化による中学生層でのSNSの台頭という「メディアの主役交代」を感じさせる結果となった。

【調査結果】

1. SNSでの返信を意識した短ワードが上位に。
  「タイムライン型コミュニケーション」の時代を反映。

男女とも1位は「それな」、他に「卍(まんじ)」「とりま」「あーね」などの短ワードがランクイン。グループの「タイムライン」を意識し、「返信のスピード感」と「肯定的なニュアンス」が重要に。

スプリックスの調査によると、中学生の流行語1位は男女とも「それな」(同意表現)。他にも「卍(まんじ)」(意味多様)、「とりま」(とりあえずまあ)、「あーね」(納得表現)など、SNSでの返信を意識した短ワードが上位にランクイン。

SNSの普及により、インターネット上のコミュニケーションがメールをベースとした一対一型から多人数によるグループ型に移行する中で、タイムラインとして話題が流れるスピードが速くなり、長文での返信ではその時々の話題の流れに乗り遅れてしまう懸念が、こうした返信スピードを重視した短ワード化を促進していると考えられる。他にもランクインはしなかったが、「り」(了解)、「マ?」(マジ?)などの短ワードが多用される。この世代のコミュニケーションは、SNSから発達し、彼ら、彼女らの実際の日常会話にまで表出しつつある。

コミュニケーションの「タイムライン化」がもたらしているもう一つの傾向は、上位ワードの「肯定的なニュアンス」である。「それな」(同意表現)、「あーね」(納得表現)などは、相手側の発言にポジティブな返答を行うためのものであり、これも、ある程度親しい間柄とはいえ、多人数が見るタイムラインの中で相手の発言に対してネガティブな返答を差し挟むことで、それまでのトークの流れを止めたり、「空気を読めない」といった周囲の評価・評判を受けてしまうことを避けたいという心象が現れていると考えられる。実際に、中高生のコミュニケーションでは、ネガティブな「つらい」状態を表現する際も「つらみ」と語尾を変え表現することで、柔らかい印象を演出することが意識されるなど、ネガティブな印象を少しでも避けたいという志向性が見て取れる。

そんな中にあっても、中学生男子の3位には「だるい」がランクインしており、男子中学生にとって、世の中のあらゆるものを「だるい」と総括するポーズは昔から変わらない普遍的な共通感覚であることが見て取れる。

2. スマートフォン保有の低年齢化により、
  高校生から中学生へと時間差で「タイムライン型」ワードの普及が進む。
  中学生においてもテレビからSNSへとメディアの主役が交代

ランクインした各ワードは、高校生においては、数年前より既に利用されているものが多数。中学生でのスマートフォン普及率の上昇がこれらのワードの時間差での中学生への普及を促進している。従来主流だったテレビ発流行語の減少は、中学生においてもメディアの主役が交代しつつあることを感じさせる。

今回、スプリックスの調査によるランキング上位ワードは、高校生においては既に数年前から流行しだし、常用されているものが多い。これらのワードが時間差で中学生に普及していく背景には、スマートフォン保有の低年齢化によるものと考えられる。中学生においてもスマートフォンを持っていることが当たり前となり、SNSの実際の活用が進む中で、これらのワードの低年齢化が時間を置いて進行していると考えられる。

今回ランクインしたワードの中では、従来、中学生層で強いと考えられてきたテレビ発の流行語は数としては少なくなっており、言葉の流行の前提となる「共通体験」が、中学生においても既にマスメディアであるテレビの前ではなく、スマートフォンのスクリーンの前へと移行しつつあることが感じられる。

音楽の世界では、既に、どの年代も知っているような時代を映したヒット曲というものが失われて久しいが、時代を映し出すはずの「流行語」の世界でも、マスメディアの影響力低下と共に、世代ごとの断絶は今後益々進んでいくのではないだろうか。こうしている今も、インターネットの世界の中で、大人の世代にはわからない、ある世代だけに圧倒的に通用する「2017年の流行語」が密かに生まれているのかもしれない。


【調査概要】
・期間:2017年4月
・対象者:スプリックス運営の個別指導塾『森塾』首都圏校舎にお通いの中学生男女
・有効サンプル数:350s
・調査手法:自己記入式アンケート(自由回答を元にアフターコーディング)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
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