第17回CEO承継調査(世界の上場企業における時価総額の上位2,500社対象) 

2017年05月16日
PwCネットワークのStrategy&は、世界の上場企業における時価総額の上位2,500社を対象に、CEOの承継についての第17回となる年次調査をまとめました。

調査対象のうち2016年にCEOが交代したのは14.9%、372社でした。

今回および過去17年間の調査から次のような傾向が明らかとなりました。

・CEO交代率は前年より減少 主にM&Aの件数減少により、史上最高だった2015年の16.6%から、2016年には14.9%に減少。日本の交代率(15.5%)は「ブラジル・ロシア・インド」(17.2%)に次ぐ高さでした。

・引き続き、自社・自国に精通したCEOが多数 CEOの87%が本社所在国と同じ国籍でした(2012-16年の平均は83%)。また、76%が本社所在地域以外での業務経験がなく(同67%)、82%が社内からの内部昇格者でした(同77%)。 

・女性CEOの起用は低迷 近年の最高値であった2014年の5.2%と比較し、2016年の女性CEO比率は3.6% と低い水準にとどまっています。ヘルスケア、工業製品、IT、消費財(生活必需品)、通信の5つの業界は、2016年新任の女性CEOがいませんでした。ヘルスケア業界では、過去5年間1人も女性CEOが就任していません。

・日本企業の特徴 日本ではいくつかの顕著な傾向が見られました。

 ・日本は2016年新任CEOの平均年齢は61歳と昨年より1歳上がり、世界平均の53歳と比べて8 歳も高くなっています。
 ・日本人以外のCEO就任は0%(世界平均13%)、3%が他企業からの招聘で(世界平均18%)、他企業でのCEO経験は9%(世界平均21%)、他企業での業務経験は33%(世界平均74%)、MBA保有率は4%(世界平均36%)で 、これらの値はすべて世界で最も低い値です。
 ・新任女性CEOは0% (世界平均3.6%)。


【調査方法】
2016年1月1日時点の時価総額ベースで、世界の上場企業上位2,500社(ブルームバーグに基づく)を抽出。主に各企業からの情報(交代の理由を除く)を基に、2016年にCEOの交代があった企業を特定し、退任するCEOおよび新CEO、ならびに暫定CEOについて、その肩書、任期、性別、会長職、国籍、職務経験などに関する詳細情報を入手した。個々のCEO交代の理由についてはStrategy&が個別に検証を行った。2016年に買収あるいは合併した企業と総株主リターンに関するデータはブルームバーグから入手した。総株主リターンは、地域別に市場調整と年率換算を行い、配当があった場合には配当の再投資分を含む。先進国と新興国の区別は国連開発計画(UNDP)「人間開発報告書2015」の2015年ランキングによる。

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[Strategy&]
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