コーヒーとタバコとの相関関係に関する調査(20歳以上の男女対象) 

2017年10月30日
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)と甲南大学経済学部教授 森剛志(以下 森研究室)は、NTTコム オンラインが運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」の登録モニターのうち、20歳以上の男女約1000名対象に、コーヒーの飲用とタバコの関係について調査を実施しました。

総括
調査ではコーヒーの飲用状況や、コーヒー店の利用者層と喫煙の関係、さらに喫煙により生じるタバコの害の喫煙・非喫煙者の意識について傾向を分析しました。平均的な日本人は一日約1.7杯コーヒーを飲み、喫煙者・男性・高所得者が多く飲むことがわかりました。調査方法により数値にばらつきはあるものの、この数値は、全日本コーヒー協会が隔年ごとに調査を行っている結果(1日1.6杯, 2016年)とおおよそ同じ数値であります。

週に何回コーヒー店に行くかについては、「全く行かない」人が過半数を占め、週1日程度が全体の3割。平均値でみると、日本人は10日で1回程度(=0.11×10)コーヒー店を利用しており、喫煙者・男性・高所得者が多く利用する結果でした。興味深いことに、喫煙者は非喫煙者の2倍の頻度でコーヒー店を利用しており、喫煙者は5日に1回以上(=0.2×5)、非喫煙者は10日で約1回(=0.1×10)利用していることが結果から伺えます。

平均的な日本人はどれくらいの時間タバコの煙にさらされているかについては、「ほぼない」が全体の約7割で一番多く、週「1~5時間」が全体の約2割で続きます。つまり全体の3割にあたる人々は、毎週どこかでタバコの煙に1時間以上さらされており、コーヒー店を利用する人の方が利用しない人に比べて約2倍長い時間タバコの煙にさらされているという結果です。これは、日本ではまだまだコーヒー店での完全禁煙化が不十分であることが影響していると考えられます。最後に最新の計測法で、肺がんや受動喫煙までを含めたタバコの害に対する喫煙者と非喫煙者の重視/軽視の違いについて明らかにしました。

【調査結果のポイント】

(1) 日本人は1日何杯コーヒーを飲むのか?
一日3杯のコーヒーは長寿の秘訣とは指摘する研究報告がある(Freedman N D. et al.(2012))。はたして平均的な日本人は何杯コーヒーを飲むのか。集計した結果(表1-1)、1日1杯~2杯が一番多く、それぞれ全体の約2割であった。3杯となると全体の16%となり、さらにそれ以上飲む人は約1割であった。

1日あたりに飲むコーヒーの平均値を性別・喫煙・年代別・所得別に集計した結果(表1-2、表1-3、表1-4)、コーヒーは喫煙者・男性・高所得者が多く飲むことがわかった。表1-2をみればわかる通り、男性で1.9杯/日、女性で1.6杯/日であることがわかる。男性の方がやや多い。また表1-3から、喫煙者で2.2杯/日、非喫煙者で1.6杯/日となっており、喫煙者の方が多くコーヒーを飲むことがわかる。同様の集計を所得別にも行った結果(表1-4)、所得が高い人の方が多くコーヒーを飲むことがわかった。全体でみると、年収1000万円以上になると一日2杯以上コーヒーを飲む。つまり、平均的な日本人は一日約1.7杯コーヒーを飲み、喫煙者・男性・高所得者が多く飲むのである。データにより数値にばらつきはあるが、全日本コーヒー協会は隔年ごとに調査を行い日本人のコーヒーの需要を『コーヒーの需要動向に関する基本調査』でまとめている。それによれば、2016年の調査では日本人は1日1.6杯(週11.09杯)となっている。今回の調査でもおおよそ同じ数値である。

(2) 日本人は週に何回コーヒー店に行くのか?
では、平均的な日本人は週に何回コーヒー店に行くのだろうか。集計した結果(表2-1)、「全く行かない」人が過半数を占め、週1日程度が全体の3割となった。

1日あたりのコーヒー店利用の平均値を性別・喫煙・年代別・所得別に集計した結果(表2-2、表2-3、表2-4)、コーヒー店へは喫煙者・男性・高所得者がより多く行くことがわかった。表2-2をみればわかる通り、日本人は10日で1回程度(=0.11×10)コーヒー店を利用しているが、男性の方が女性より利用頻度が多い。また表2-3から、喫煙者は非喫煙者の2倍の頻度でコーヒー店を利用しており、喫煙者は5日に1回以上(=0.2×5)、非喫煙者は10日で約1回(=0.1×10)利用していることがわかる。同様の集計を所得別にも行った結果(表2-4)、所得が高い人の方が多くコーヒーを飲むことがわかった。特に、年収800万円以上になると、2~5日に1回以上(=0.2×5)コーヒー店を利用していることがわかる。つまり、平均的な日本人は10日で1回程度(=0.11×10)コーヒー店を利用しており、喫煙者・男性・高所得者がより多く利用するのである。ただし、年齢別のコーヒー店の利用状況を見てみると、年齢別の統計的な差は見られなかった(表2-5)。

(3) 週に何時間タバコの煙にさらされているか?
平均的な日本人は主にどれくらいの時間タバコの煙にさらされているのか。集計した結果(表3-1)、「ほぼない」が一番多く、全体の約7割であった。次に多いのが、週「1~5時間」であり、全体の約2割であった。つまり、全体の3割にあたる人々は、毎週どこかでタバコの煙に1時間以上さらされているのである。

タバコの煙にさらされている時間(週あたり)の平均値を性別・喫煙・年代別・所得別・コーヒー店利用別に集計してみた。果たして受動喫煙格差はあるのか。興味深いのはコーヒー店を利用する人の方が、利用しない人に比べて約2倍長い時間タバコの煙にさらされているということである(表3-2)。利用しない人は週平均で2.5時間なのに対して、利用する人は4.7時間となっている。これは、日本ではまだまだコーヒー店での完全禁煙化が不十分であることが影響していると考えられる。その他の結果(表3-3、表3-4)からは、喫煙者・男性がタバコの煙にさらされている時間が長いことがわかった。男性の方が女性より受動喫煙時間は長いが、60歳以上で急激に低下する(表3-3)。所得については、結果ははっきりしない(表3-5)。喫煙者については、受動喫煙の時間が長いのは、低所得者と高所得者2つのこぶがある。1日約1時間以上タバコの煙にさらされるのは、喫煙をしている低所得者と高所得者であることが分かる。

ここで、非喫煙者・過去喫煙者・喫煙者の3つグループを、週1時間以上どこかでタバコの煙にさらされている「受動喫煙あり」グループと、そうではない「受動喫煙なし」グループに分けてみる。全体でみると「受動喫煙あり」グループは全体の約3割であり、一方の「受動喫煙なし」グループは全体の約7割である。

興味深いのは、非喫煙者は75%が「受動喫煙なし」グループに属し、過去は喫煙者であった人たちも81%が「受動喫煙なし」グループに属するのに対し、喫煙者は約3割しか「受動喫煙なし」グループに属さない。つまり、タバコを吸わない人たちは「受動喫煙なし」の吸わない者同士の空間を共有し、吸う人たちは「受動喫煙あり」のタバコを吸う者同士の空間を共有してグループ化している。 コーヒー店の例でいえば、喫煙者がいるコーヒー店は、非喫煙者には避けられている可能性がある。ヨーロッパでも、完全禁煙化したことで飲食店が売り上げをあげたという実証研究が報告されており、今後の日本に示唆を与えてくれそうである。

(4) 喫煙者には「受動喫煙」というタバコの害は、軽視される
タバコを吸うことの害としては、肺がんになったり、寿命が短くなったりするリスクの他に、他人への迷惑(受動喫煙)などいくつかの害が想定される。ベスト・ワースト分析で、主な「タバコの害(7項目)」のどの項目を重要視し、また軽視するのかを分析した結果(表4-1)、喫煙者は、非喫煙者に比べて「受動喫煙」を軽視する傾向があることがわかった。ベスト・ワーストスコア(Best-Worst score、以下BWスコア)は、大きな値ほど重要視し、小さくなる(マイナス)ほど軽視することを表している。

分析の結果(表4-1)をみると、全体では、「肺がん」(1位)を最も重要視し、続いて「慢性閉塞性肺疾患(呼吸しづらい)」(2位)、「周りの禁煙者への迷惑」(3位)である。この順番は、非喫煙者でも変わらない。しかしながら、喫煙者は非喫煙者に比べ、「周りの禁煙者への迷惑」については大きくランキングを下げていることがわかる。喫煙者が重要視する順番は、「肺がん」(1位)、「慢性閉塞性肺疾患(呼吸しづらい)」(2位)の順番は変わらないものの、3位は「寿命の短縮」、4位は「身体機能の低下」であり、「周りの禁煙者への迷惑」は5位にまで落ち込む。喫煙者では、他人への迷惑よりも、自分の「寿命の短縮」や「身体機能の低下」の方を重要視するという結果であった。


【調査概要】
調査対象:「NTTコム リサーチ」登録モニター
調査方法:非公開型インターネットアンケート
調査期間:平成29年9月13日(水)~平成29年9月20日(水)
有効回答者数:1145名
回答者の属性:
【性別】:男性:48.9%、女性:51.1%
【年代】:20代:7.8%、30代:17.8%、40代:21.5%、50代:24.6%、60代以上:28.3%

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