車載用リチウムイオン電池世界市場に関する調査(2017年) 

2017年10月20日
矢野経済研究所は、車載用リチウムイオン電池世界市場の調査を実施した。

<車載用リチウムイオン電池とは>
 本調査における車載用リチウムイオン電池とは、xEV(12V・48VマイルドHEV、ストロングHEV、PHEV、EV)に搭載されるリチウムイオン二次電池(Lithium-ion Battery 以下、LiB)を指す。また、乗用車及び商用車に搭載されるLiBを対象とする。

<車載用リチウムイオン電池市場とは>
 本調査における車載用リチウムイオン電池市場は、2016年まではLiBが搭載されたxEVのメーカー出荷ベースで、2017年以降はxEVの生産ベースでLiB容量を算出した。

【調査結果サマリー】

◆2016年の車載用LiB世界市場は46.6GWh、2017年は57.5GWhの見込
 2016年の車載用リチウムイオン電池(LiB)世界市場規模は、前年比152.6%の46.6GWhと順調に伸長した。各国政府の積極的なEV普及政策により、中国を中心にPHEVとEVの販売が引き続き急拡大したことが大きく貢献している。しかし、2017年は中国政府の補助金の削減、電気バス(EV)向けに対する補助金の支給規準の厳格化により、成長率は鈍化し、2017年の同市場は前年比123.3%の57.5GWhの見込みである。

◆2016年の車載用LiB世界市場は、EV向け車載用LiBが構成比87.3%を占める
 2016年の車載用LiB世界市場をxEVタイプ別でみると、EV向けが40.7GWh(構成比87.3%)、PHEV向けが5.3GWh(同11.4%)、HEV向けが621MWh(同1.3%)と、EV向けLiBの構成比率は上昇傾向にある。EV向けは特に中国においては100~300kWhの大容量LiBパックを用いるEVバスの販売が拡大し、市場を牽引している。PHEV向けもPHEV市場の伸びに比例して成長傾向で推移した。

◆2020年の車載用LiB世界市場は119.7GWh、2025年には254.9GWhに拡大すると予測
 ドイツが2030年から、イギリスとフランスは2040年から内燃機関車の新車販売を禁ずると発表するなど、各国の環境規制が更に厳しさを増している中、自動車メーカー各社のxEV新車投入の動きも早まっている。xEV市場は成長を続ける見通しであるが、xEVへの補助金が徐々に削減されることや、原材料の価格高騰等、xEVを取り巻く多くの課題が完全には解決されないと考え、2020年における車載用LiB世界市場規模は119.7GWh、2025年には254.9GWhと緩やかな成長に留まると予測する。


【調査概要】
調査期間:2017年4月~9月
調査対象:自動車メーカー(日本、欧州、米国、韓国、中国)、車載用リチウムイオン電池メーカー(日本、韓国、中国)
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
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