リチウムイオン電池主要4部材世界市場に関する調査(2017年) 

2017年10月17日
矢野経済研究所は、リチウムイオン電池主要4部材世界市場に関する調査を実施した。

<リチウムイオン電池主要4部材とは>
スマートフォンなどの情報通信機器の電源やEV、PHEV等の動力源として搭載されるリチウムイオン電池は、十数点以上の部材点数及び材料から構成されるが、本調査では、正極材、負極材、電解液(電解質)、セパレーターの主要4部材を対象とする。なお、本調査結果は全て米ドルベースで算出しており、2013年は1USD=97.8円、1116.97ウォン、6.16元、0.75EUR、2014年は1USD=105.9円、1152.93ウォン、6.14元、0.75EUR、2015年は1USD=121.0円、1129.94ウォン、6.23元、0.90EUR、2016年以降は1USD=108.8円、1207.70ウォン、6.64元、0.94EURで換算した。

【調査結果サマリー】

◆2016年のリチウムイオン電池主要4部材世界市場規模は前年比140.1%の98億7,745万ドル、2017年の同市場規模は約130億ドル規模の見込
 2016年のリチウムイオン電池(以下、LiB)主要4部材世界市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比140.1%の98億7,744万9,000ドルと推計した。2016年で車載用LiBセル向けを含む中大型LiBセル向けの出荷数量が民生小型機器用LiBセル向けを上回る形となり、市場成長の牽引役のシフトが明確となった。2017年以降も引き続き車載用LiBセル向け材料需要が拡大する見通しで、民生小型機器用LiBセル向けは穏やかな成長率での推移が続くと予測する。原材料コストの上昇を主要因に価格が上昇トレンドとなった部材も見られ、2017年の同市場規模は、約130億ドルの規模を見込む。

◆LiB主要4部材市場においては引き続き中国優勢、日韓の今後は日欧米OEM動向に依存
 2016年のLiB主要4部材のほとんどで、引き続き中国メーカーが存在感を高めており、2017年以降も中国内需拡大への対応で中国LiB部材メーカーが出荷を伸ばしていくと考える。日韓LiB部材メーカーは日韓LiBセルメーカー向け供給をメインとしており、今後は日韓LiBセルメーカーが主要顧客としている日欧米自動車メーカー(OEM)の欧州xEV市場等での成長に依存する形で出荷増となる可能性が考えられる。

◆部材、品質基準で異なる需給バランス、車載用LiBセル向け品にはタイト感
 2017年以降もLiB主要4部材の全てで今後の大型案件の獲得を目指し、設備投資を優先させている状況が見られるが、部材毎に生産能力と実需のギャップは異なる。なお、車載用LiBセル向けに採用可能なハイグレード品(特に電解液、湿式セパレーターのハイグレード品)に関しては、今後も需給状況はタイト感が続く可能性もあると考える。


【調査概要】
調査期間:2017年3月~9月
調査対象:リチウムイオン電池部材メーカー(日本、韓国、中国、欧州等)
調査対象部材:正極材、負極材、電解液・電解質、セパレーター
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

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[矢野経済研究所]
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