「CFOサーベイ 2017」経営環境及び課題認識等の調査(上場日本企業を中心とした111社対象) 

2017年09月28日
デロイト トーマツ グループは、CFO(Chief Financial Officer: 最高財務責任者)の課題認識に関する「CFOサーベイ 2017」を実施した。本サーベイは、デロイト トーマツ グループが開催したCFO向けのカンファレンスである「CFO VISION 2017」に参加した上場企業を中心とした約120社のCFOを対象に実施したもので、2013年の初回から今回で5回目となる。

デロイト トーマツ グループは、CFO(Chief Financial Officer: 最高財務責任者)の課題認識に関する「CFOサーベイ 2017」を実施した。本サーベイは、2017年8月30日に「CFOプログラム」の一環としてデロイト トーマツ グループが開催したCFO向けのカンファレンスである「CFO VISION 2017」に参加した上場企業を中心とした約120社のCFOを対象に実施したもので、2013年の初回から今回で5回目となる。今回は111社のCFOよりご回答頂いた。 

【調査結果】

1.CFOとしての課題認識
(1)グローバル化において対応すべき課題
グローバル化が進む中、CFOが認識している課題(複数回答)は、例年に引き続き「グローバル化をリードする人材の獲得・育成」が最多、次いで「経営資源の最適分配と収益性の向上」となり、上位2つは2016年の回答順位から変動はなかった。その一方、前年度回答数が減少した「世界に通用する商品・サービスの開発」(40.5%)が前回(27.3%)より増加し、国内景気が安定したことを背景に世界へチャレンジする日本企業の姿勢が再燃しているようにうかがえる。(図1-(1))

(2)CFOにとっての重要課題
CFO自身が取り組むべき重要な課題は、「企業価値最大化を達成する投資マネジメントの徹底」が72.1%で、5年連続で最も多い回答となった。次いで「会計や財務オペレーションの効率化」に38.7%の回答が集まり、昨年(29.3%)、一昨年(20.7%)と比べ徐々に課題感が高まっていることが読み取れる。(図1-(2))

2.今後の日本企業のポジションに対する認識
今後の日本企業のポジションについては、54.1%のCFOが「グローバル競争が激化し、相対的に低下する」と回答しており、2016年(64.6%)よりやや減少した。一方で、「現状と変わらない」と回答したCFOは36.0%、2016年の回答(26.3%)と比べると増加、且つ、他の選択肢への回答が集まらなかったことから、日本企業のグローバル競争力について好転していないことがうかがえる。(図2) 

3.CEOや事業部門のビジネスパートナーとしてのCFOの役割
87.4%のCFOが「ビジネスパートナーとしての役割を果たしている」と回答し、そのうち「役割を十分に果たしている」は16.2%、「役割を一定程度果たしている」は71.2%となった。「役割をあまり果していない」の回答が20.2%に上った昨年からはやや改善しているが、一定の貢献にとどまり期待役割を十分には果たしていないという認識が多くのCFOにあることが分かった。この傾向は、経理・財務部門全体としても同様で、「役割を一定程度果たしている」との回答は71.2%に上る中、「役割を十分に果たしている」との回答は9.9%にとどまっている。(図3)

4.デジタル化の進展に対するCFOの認識
(1)デジタル化の進展に対するCFOのスタンス
本年のカンファレンステーマである「CFO Agenda in a Digital World」に関連し、デジタル化の進展に対するCFOの認識をうかがった。目まぐるしくデジタルトランスフォーメーションが起こっている昨今の経営環境において、「デジタル化の進展は自社にとって「機会」である」と回答したCFOは89.2%、「デジタル化の進展は自社にとって「脅威」である」と回答したCFOは8.1%と、多くのCFOはデジタル化の進展を前向きに捉えていることが分かった。(図4-(1))

(2)デジタル化への取り組み状況
同業他社と比較した自社のデジタル化への取り組みの進捗については、「一定の進捗があるが、同業他社からやや遅れている」と回答したCFOは46.0%で「他社とそん色ないレベルで進んでいる」(41.4%)をわずかに上回った。「他社に先んじて取り組んでいる」と回答したCFOは2.7%にとどまり、積極的に新たなテクノロジーを実装するというよりは、他社の進捗具合を見ながら取り組みを進めている企業も多いのかもしれない。(図4-(2))

(3)デジタル化の影響範囲
デジタル化の進展が自社の経営にもたらす影響の中で最もインパクトがあるものとして、「ビックデータを活用した見通しの作成など、事業管理のあり方の変化」が最も多く28.0%の回答を集めた。「AIによる分析や判断など、経営判断のあり方の変化」が23.4%と続き、人間がテクノロジーを利用してこれまでの事業のあり方、進め方を大きく変革することに注目が集まっていることがうかがえる。(図4-(3))


回答企業の内訳
アンケートの対象企業である上場日本企業を中心とした111社
■売上高
1,000億円未満 : 2.7%
1,000億円以上~5,000億円未満 : 28.8%
5,000億円以上~1兆円未満 : 22.5%
1兆円以上~5兆円未満 : 37.9%
5兆円以上 : 8.1%

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[デロイト トーマツ]
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