Jリーグ マネジメントカップ 2016(Jリーグ所属の全クラブをビジネスマネジメントの側面からランキング) 

2017年09月28日
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA)は、2017年7月にJリーグから公表された53クラブの2016年の財務情報を中心に、ビジネスマネジメント(以下、BM)における重要なテーマであるマーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況の4つをそれぞれのステージに分けて数値化し、J1、J2、J3全クラブのビジネスランキングを発表します。

2016 年のBM ランキングは、J1は浦和レッドダイヤモンズ、J2はレノファ山口FC、J3は栃木SCがそれぞれ第1位となりました。

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、本データ分析結果が多くのステークホルダーにより活用されることで、クラブマネジメントの質の向上に寄与していきたいと考えています。また同時に、ベンチマークを含めたデータ分析が、発展途上のスポーツビジネスという領域を大きく発展させる有効なツールになると考えています。

【数値化方法】
マーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況に対して、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーが独自のKPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)を設定しております。各KPIは以下の通りです。 

マーケティング:平均入場者数、スタジアム集客率、新規観戦者割合、客単価
経営効率:勝点1 あたりチーム人件費、勝点1あたり入場料収入
経営戦略:売上高・チーム人件費率、販営費100万円あたり入場料等収入、グッズ関連物販利益額
財務状況:売上高、売上高成長率、自己資本比率

・上記KPIに基づいてリーグ別にランキングに応じたポイントを付与(J1の第1位は18ポイント、J2の第1位は22ポイント、J3の第1位は13ポイントで、順位が1つ下がるごとに1ポイント減らす)
・最終的に4つのステージの累計ポイントによってランキングする。
・BMポイントが同率の場合、マーケティング、経営効率、経営戦略、財務状況の順で順位が上のクラブを上位クラブとする。
・Jリーグからの開示情報が一部精緻化されたことに伴い、今回よりKPIに「グッズ関連利益額」を追加している。

【J1,J2,J3の「Jリーグ マネジメントカップJ-League Management Cup 2016」ランキング結果】

◆J1

J1 1 位の浦和レッドダイヤモンズの勝因はリーグトップの安定した入場者数
浦和はマーケティング分野では第4位、経営効率、経営戦略分野ではともに第1位、財務状況分野では第2位と安定した成績を収め、吹田スタジアムの稼働で勢いに乗るG大阪を僅差でかわし、2014年シーズン以来、2度目の優勝となりました。
好成績を牽引した要因は安定した入場者数であり、それが多くのスポンサー収入やグッズ販売につながったと考えられる。中でも特筆すべきはグッズ関連物販利益の規模であり、他クラブを圧倒しています。一方で、新規観戦者割合や集客率等には課題も抱えており、今後どのようなBM施策が行われていくか、注目されます。

◆J2

J2 1 位はFM(フィールドマネジメント)でJ2昇格初年度のレノファ山口FC
山口 はマーケティング分野で第2位、経営効率、経営戦略、財務状況分野ではともに第1位となり、昨シーズンのJ3での優勝に続き、昇格初年度でのJ2優勝となりました。
山口は2014年にJFLに加入してから毎年、J3、J2へと順調に昇格してきており、それがBM面にも好影響を与えています。一方、2016年はJ1への昇格を果たせなかったため、来期はJリーグ加入後初めて昇格がないなかで迎えるシーズンとなり、BM施策の真価が問われるシーズンとなります。今後の動向に注目です。

◆J3

J3 1 位は新規参入の勢いを活かした栃木SC
栃木はマーケティング分野で第1位、経営効率、経営戦略分野ではともに第3位、財務状況分野では第7位となっており、BMポイントでは大分と並んだものの、我々が重要と考えるマーケティング分野で大分を抑え、僅差での優勝を勝ち取っています。

栃木および大分はともに2016年からJ3に降格したクラブだが、フィールドマネジメント(以下、FM)面では大分が第1位でJ2昇格、栃木は第2位で最終的にJ3残留と明暗は分かれました。とは言え、降格はクラブとサポーターの団結力を醸成する機会と捉えることもできます。これをバネとしたBM施策の強化を通じた来シーズンの飛躍が期待されます。

Jリーグのビジネスはリーグだけで実施しているものではなく、加盟しているクラブにおけるビジネスの積上げに拠るところも大きい。今後クラブチームのマネジメントは、いかに強く、魅力的なフットボールを実現するかというFM面だけでなく、いかにビジネスとして収益を上げ、また事業拡大をするための原資を確保するかというBM面にも比重を置いていくことが求められています。

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