シニア層を意識・価値観から11のタイプに分類(60~79歳のシニア層対象) 

2017年09月27日
アサツーディ・ケイ(ADK)は、全国の60~79歳のシニア層を意識・価値観から11のタイプに分類した「新シニア11(イレブン)」を開発しました。
 多様化するシニア層を捉えるためシニア層を独自調査をもとに11のタイプ(男性5、女性6)に分類しました。そこから見えてきたのは、新しい「シニア」の姿です。男性シニア層では、従来の活発で現役志向が強い「アクティブシニア」とは性質が異なる、オタク気質でファッション感度が高く、こだわりを持った購買力の高い新たな層が出現しています。ADKではこの層を「オタクティブシニア」(オタク+アクティブ)と名づけ、新しいシニアの先駆けとして注目しています。

■トピック

1. 新たなシニア像を浮き彫りにする11タイプとは?
2. 60代シニア層のオタク化!? 男性60代前半はおよそ半数が「オタク」を自認 
3. 男性60・70代シニア層のタイプ分類の中に購買力のある「オタクティブシニア」が出現
4. 「オタクティブシニア」は今後ますます増加する可能性

内容の詳細

1. 全国60・70代シニア層を意識・価値観で11のタイプに分類 ADK『新シニア11(イレブン)』(男性5タイプ、女性6タイプ)

<男性5タイプ>

1 エネルギッシュシニア 構成比:25%
■いつまでも強い向上心を持った現役志向派
・現役意識 ・向上心が強い
・社交的でグループのリーダ的存在 ・異性からもてたい
・流行やファッションには疎い ・株式投資に積極的

2 オタクティブシニア 構成比:28%
■オタク気質を持ち、流行感度の高い自分こだわり個性派
・オタク気質 ・個性重視 ・マイペース
・人見知り ・流行関心 ・情報感度高い
・ファッションへの関心高い ・新商品感度高い

3 MYスタイル趣味人シニア 構成比:10%
■社交的で仲間を大事にする良識派
・社交的、友たち付き合いを大切にする
・趣味活動が活発 ・無理をしないでマイペース
・知識欲旺盛

4 俺流清貧シニア 構成比:26%
■近所のお世話役。昔かたぎの硬派シニア
・近所付き合い大切 ・地域社会活動
・コンサバ ・無理したくない ・妻との関わりを大切にする

5 世捨てシニア 構成比:10%
■現状に安住し開きなおる無気力派
・新しいことへの関心希薄 ・社交性が乏しい
・向上心が低い ・地位にこだわらず好き勝手に生きたい

<女性6タイプ>

1 パワフルマダム 構成比:24%
■アクティブ消費リーダー
・流行関心 ・情報感度高い ・ファッション感度が高い
・グループの情報源 ・趣味にお金をかけている
・株式投資に積極的 ・地域活動に活発
・異性からもてたい ・美容意識高い

2 フレンドリー趣味女 構成比:15%
■社交的で好奇心旺盛な悠々自適派
・趣味活動が活発 ・友人関係が豊富
・ボランティアなど積極的 ・財テク興味
・目新しいことが好き

3 マイペース美的シニア 構成比:15%
■美にこだわる個性重視派
・いつも自分らしくいたい ・マイペースで個性的 ・他人と異なるこだわり ・社交的だが自分の意見もきちんという
・ファッション/美容意識が高い

4 ザ・おふくろ 構成比:29%
■家族思いのニッポンのお母さん
・コンサバ ・フォロアー ・周りの空気に流される
・地域行事は大事 ・自分のことより家族のこと

5 身の丈ウーマン 構成比:7%
■まわりに流されない質素倹約派
・マイペース
・地位や財産にこだわらず好きなことをしたい
・流行に流されず自由でいたい ・社交性が乏しい
・一人で過ごす時間

6 脱力シニア 構成比:10%
■現状に安住し開きなおる無気力派
・新しいことへの関心希薄
・社交性が乏しい ・向上心が乏しい

2. 60代シニア層のオタク化!?男性60代前半はおよそ半数が「オタク」を自認
 「オタク」を自認しているシニア層(自分には「オタク」的なところがあると思う)は最近5年(2012→2017年)で大幅に増加。男性では60代前半で31.4(2012)→ 48.3%(2017)と17ポイント増加。60代後半で26.5→39.4%と13ポイント増、女性では60代前半で25.2→40.9%と16ポイント増、60代後半で21.4→31.0%と10ポイント増、特に男性60代前半は半数に届く勢いをみせています。

3‐1. 男性60・70代シニアのタイプ分類の中に「オタクティブシニア」(オタク+アクティブ)が出現
 シニア層のオタク化が進む中で、シニア層を11タイプ(「新シニア11」)に分類した中に、流行感度が高く、こだわりの強い・自分の世界を持つ「オタクティブシニア」が出現しています。

3‐2. オタクティブシニアの4割は、「オタク」を自認
 シニア層のタイプの中で「オタク」を自認(自分には「オタク」的なところがあると思う) している割合を比較すると、「オタクティブシニア」は男性60・70代平均より13ポイントも高く、他のタイプを 大きく引き離しています。

3‐3. 「オタクティブシニア」は特に60代前半に多く、団塊世代(68~70歳)の下の年代が新たなシニア像を形成!?
 「オタクティブシニア」の年齢構成比をみると、60代前半が36.8%と他のタイプと比べて若いシニア層が占めています。60代前半でオタクを自認する人が増加していることをあげましたが、この影響でオタク気質のある新たなタイプが出現したと考えられます。

3‐4. 「オタクティブシニア」はやや非社交的。こだわり・個性が強く自分の世界を持っているタイプ
 「オタクティブシニア」はコミュニケーションに対して、「友人・仲間とのコミュニケーションは常に大切にしたい」のTOP2BOX(非常に+ややあてはまる)は66.2%で男性60・70代全体(同年代平均)75.4%よりも8ポイントほど低くなっています。同様に「隣近所の人とよく会話する」は28.6%と同年代平均より14ポイントも低く「オタクティブシニア」はシニア層の中でもやや社交性が乏しい傾向がみられます。また、「人とは異なる自分だけの強いこだわりを持っている方だ」は64.1%と同年代平均よりも17ポイントほど高く、「周囲の反対があっても自分の個性を大切にしたい」は75.2%と同年代平均よりも13ポイントほど高くなっています。
 また別データで、大切にしていることは何かを複数回答で聞くと「一人で過ごす時間」が49.1%と同年代平均(43.2%)よりも6ポイント高くなっています。こだわりが強く、個性を大切にする、いわゆる個人の世界を持ち、人との付き合いにおいてもオープンではないタイプであるといえます。

3‐5.「オタクティブシニア」はオタク気質だが新商品好きで流行・ファッション感度が高く、購買力も高い
 「オタクティブシニア」は「新しいことやものはすぐ取り入れてみる」のTOP2BOX(非常に+ややあてはまる)は38.5%で、男性60・70代全体(同年代平均)25.8%よりも13ポイント高くなっています。同様に「新製品の情報はこまめにチェックする」は41.0%と同年代平均よりも17ポイントも高く、シニア層の中で新しいもの好き、新商品好きのタイプであることが窺えます。また、「ファッションやおしゃれに気を遣っている」は43.2%と同年代平均よりも21ポイント高く、「ファッションの流行は早めに取り入れる」は24.4%と同年代平均よりも16ポイント高く、ファッションへの関心も他シニア層と比べ高くなっています。さらに「流行に関心が高い方だ」は35.0%で同年代よりも19ポイント高くなっています。新商品好き、ファッションにも興味があり、流行感度が高いなど購買ターゲットとして有望な層であることが窺えます。

4. これからのシニアは「アクティブシニア」から「オタクティブシニア」へ!

■新たなシニア像「オタクティブシニア」
 これまで団塊世代(1947~1949年生)を中心にしたアクティブシニアがシニア市場を牽引してきました。健康食品・サプリメントや旅行関連の商品サービス、スポーツジムなどを中心に体力や気力も充実したアクティブなシニア層に向けて数多くの商品・サービスが生み出されてきました。今年で団塊世代の年長者も70代に入りますが、アクティブさはまだまだ健在のようです。今後もアクティブシニアが有望ターゲットであることは変わりませんが、団塊世代の下の世代が60代に加わり、男性ではアクティブシニアとは異なる購買力のある有望なシニア層が今回の調査からみられました。これが今回ご紹介したオタク気質で流行感度の高いこだわり・個性の強い「オタクティブシニア」にあたります。アクティブシニアとは異なる特性を持った「オタクティブシニア」、今後注目のターゲットになるのではないでしょうか。

■「オタクティブシニア」が出現した背景
 「オタクティブシニア」は60代前半が多いですが、今の60代前半(1952~1957生まれ)はしらけ世代やポスト団塊と呼ばれていた世代で「何を考えているかわからない」「覇気がない」など三無主義(無気力・無関心・無責任)などと云われ団塊世代とは対照的に捉えられてきました。子どもの頃には核家族化が進み、カギっ子と呼ばれはじめた世代です。テレビ漫画や戦隊もの、学園ドラマを見て育った世代でもあります。そんな団塊世代とは異なる特性を持った人たちがシニア層に入り、今後、シニアターゲットの捉え方も少しずつ変わっていくかもしれません。70年代サブカルチャーが開花し、その後オタク文化が勢いを増したことから、これからもこのようなシニアのタイプが徐々に増えるのではないかと考えられます。

■今後のシニア層の「メディア」接触は?
 メディア接触においては、これまでシニア層はどちらかというとマス媒体中心でした。一方でオタクティブシニアのスマートフォンの所有率をみると68.4%と同年代平均59.9%よりも8ポイント以上高く(ADK生活者総合調査60代)、他のシニア層よりスマートフォンが日常的に使われていることが窺えます。また、こだわりが強くオタク気質であることから、ネットのレアな情報のニーズも高いことが想定されます。今までのシニア層と比べ、ネットやSNSの役割も変わり、今後ますますこれらの情報が重要になってくると考えられます。

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