ストレスチェックに関する調査(ストレスチェックの責任者対象) 

2017年09月14日
アデコは、改正労働安全衛生法で義務付けられているストレスチェックの責任者300人を対象に、「ストレスチェックに関する調査」を実施しました。ストレスチェックは、2015年12月より、従業員が50人以上いる事業場で毎年1回実施することが義務付けられており、今年、制度の施行から3年目を迎えました。

〈主な調査結果〉

・6割以上の回答者が「職場でのメンタルヘルス対策に関わる課題・悩みがある」と回答
・「職場でのメンタルヘルス対策に関わる課題・悩み」としてもっとも多く挙げられたのは、「休職者の増加」(46.7パーセント)
・約7割の回答者が、「努力義務である集団分析(組織診断)も実施した」と回答
・4割以上の回答者が、「勤務先で『心の健康づくり計画』を策定している」と回答し、9割以上の回答者が『心の健康づくり計画』を認知
・「勤務先が『働き方改革』に関する活動をしている」と回答したのは約5割(53.3パーセント)で、残りの半数(46.7パーセント)は「働き方改革」に関する取り組みを行っていないと回答
・「働き方改革」に関する活動でもっとも多く実施されていたのは、「残業削減」(78.8パーセント)

〈調査結果詳細〉

(1)6割以上の回答者が「職場でのメンタルヘルス対策に関わる課題・悩みがある」と回答
ストレスチェックの責任者に対して、「職場でのメンタルヘルス対策に関わる課題・悩みはありますか」と質問したところ、全体の6割以上にあたる61.3パーセントが「ある」と回答しました。「ない」と回答した31.0パーセント、7.7パーセントは「わからない」と回答しました。多くの企業で、職場のメンタルヘルスに関する課題や悩みを抱えていることが伺える結果となりました。

(2)「職場でのメンタルヘルス対策に関わる課題・悩み」としてもっとも多く挙げられたのは、「休職者の増加」
「職場でのメンタルヘルスに関わる課題・悩みがある」と答えた回答者に対し、どんな課題や悩みがあるのかを質問したところ、もっとも多く挙げられたのは「休職者の増加」(46.7パーセント)でした。2番目に多かったのは「従業員の生産性・士気の低下」(44.6パーセント)、次いで「メンタルヘルスに関する誤解や偏見が顕在・潜在化している」(35.3パーセント)という結果となりました。

厚生労働省によると、2000年に36件だった精神障害等による労災認定件数が2016年には498件と、この16年間で約14倍に増えています。今回の調査の結果からも、メンタルヘルス不調による休職者の増加への対策の必要性が明らかとなりました。

(3)約7割の回答者が、「努力義務である集団分析(組織診断)も実施した」と回答
「会社では、努力義務である集団分析(組織診断)は行いましたか」と質問したところ、約7割にあたる65パーセントが「はい」と回答しました。また、25.3パーセントが「実施したことはないが、今後実施する予定」と回答しました。一方、「実施したことはなく、今後も実施する予定はない」と回答したのは7.0パーセントでした。企業の多くが、ストレスチェックから一歩進んだ従業員のメンタルヘルス対策に関心を持っていることが伺えます。

(4)4割以上の回答者が、「勤務先で『心の健康づくり計画』を策定している」と回答
「こころの健康づくり計画」とは、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等による ケア」そして「事業場外資源によるケア」の 「4つのケア」を継続的かつ計画的に行うためのプランで、厚生労働省が企業に対して策定を推進しています。

今回、「自社で『心の健康づくり計画』を策定されていますか」と質問したところ、「策定している」と回答したのは全体の約4割にあたる43.0パーセントでした。「現在は策定していないが、今後策定する予定」と答えた回答者も28.0パーセントいました。「『心の健康づくり計画』がどのようなものか知らない(聞いたことがない)」と回答したのは5.3パーセントで、ストレスチェックの責任者の9割以上が『心の健康づくり計画』を認知していました。

(5)「勤務先が『働き方改革』に関する活動をしている」と回答したのは約5割(53.3パーセント)で、残りの半数(46.7パーセント)は「働き方改革」に関する取り組みを行っていないと回答
厚生労働省は、「働き方改革」を「一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジ」と位置付け、長時間労働の是正を始めさまざまな取り組みを進めています。しかし、今回の調査で「自社で『働き方改革』に関する活動はされていますか」と質問したところ、「活動している」と回答したのは53.3パーセントにとどまりました。「現在は活動していないが、今後活動する予定」(27.0パーセント)、「現在は活動しておらず、今後も活動する予定はない」(8.7パーセント)、「活動したいが、どのようにしたら良いかわからない」(9.7パーセント)、「『働き方改革』がどのようなものか知らない(聞いたことがない)」(1.3パーセント)を合わせると46.7パーセントとなり、約半数は現在「働き方改革」に関する取り組みを行っていないことがわかりました。より多くの企業が「働き方改革」に向けた取り組みを進められるよう、さらなる支援が求められます。

(6)「働き方改革」に関する活動でもっとも多く実施されていたのは、「残業削減」(78.8パーセント)
「『働き方改革』に関する活動をしている」と答えた回答者に対し、「どのような活動をされていますか」と質問したところ、もっとも多く挙げられた回答は「残業削減」(78.8パーセント)でした。二番目に多かったのは「ノー残業・早帰りデーの設定」(55.0パーセント)、次いで「フレックス導入」(48.1パーセント)という結果となり、労働時間の管理に関する取り組みが上位を占めました。


【調査概要】
調査対象:日本全国のストレスチェックの責任者(従業員50人以上の事業場に勤務)
サンプル数:300名
調査方法:インターネット調査
実施時期:2017年7月28日~30日

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[アデコ]
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