人工知能(AI)を試験的あるいは大規模に取り入れている企業に対する調査(9カ国、7つの業界・分野の企業のエグゼクティブ対象) 

2017年09月07日
キャップジェミニは、人工知能(AI)を試験的あるいは大規模に取り入れている収益5億ドル以上の企業約1000社を対象に調査を実施、その結果を『Turning AI into concrete value: the successful implementers’ toolkit 』として発表しました。この調査では、83%の企業がAIが「企業内で新たな役割が生まれた」とAIによる成長機会を強調、また3/4の企業がAIの実装に直結して「売上が10%伸びた」として、AIによる短期的雇用の喪失と売上減少に関する懸念を否定しました。

雇用の創出

9カ国、7つの業界・分野の企業のエグゼクティブを対象に行った今回の調査では、AI技術の結果として、4/5(83%)の企業で雇用創出が認められたという結果となりました。特にシニアレベル - 2/3がマネージャーまたはそれ以上の職種での雇用創出です。さらにAIを大規模に実装した企業の3/5以上(63%)が「AIが企業内の雇用を破壊することはなかった」と回答しています。

また今回のレポートでは、管理レベルでの雇用創出の傾向に加えて、企業がAIを「従業員がルーティンワークや管理業務に費やしている時間を減らして、さらなる価値を提供できるようにするための手段」としてとらえていることが明らかになりました。回答企業の大半(71%)がAI投資を活用すべく従業員のスキルアップや再教育、新しいスキルの習得を積極的に開始しています。大規模AI実装企業においては、その大多数が「AIは複雑な作業を簡単にする」(89%)、「インテリジェントマシンは業務において人間と共存する」(88%)ことを確信しています。

AI導入企業はカスタマーエクスペリエンスを重視

ハイテクに精通した企業はAIを使って売上を増やし、業務を拡大し、カスタマーエンゲージメントを促進し、ビジネスインサイトを生成します。実際に、調査に回答した企業の3/4が、AI技術の活用を始めてからすでに10%の売上アップを認めています。AI導入企業にとって、カスタマーエクスペリエンスはフォーカスするポイントであり、企業の73%が「AIが顧客満足度を高める」、65%が「将来の顧客離れを減らす」と確信しています。

活かせなかった機会

一方、多くの企業でいまだAI投資をビジネス機会で活かせずにいることも今回の調査で明らかになりました。企業は、技術者の管理の下、課題の多い困難なAIプロジェクトを優先して行い、下に位置する簡単で実り多い課題や容易に解決できる問題を見失っています。調査に回答した企業の半数以上(58%)が「Need to do」(やるべきこと)を実施する、あるいはカスタマーサービスのように複雑性/利益性の高いプロジェクトを実施することにフォーカスしています。その一方で、「Must to do」(やらなくてはならないこと)であり、複雑性は低いのに利益性の高いAIの実装については、46%しか展開していませんでした。もし企業が両方の問題に同時に取り組めば、より高いビジネス利益を実現できるはずです。たとえば、多数の「Must to do」のユースケースを実行する企業は、平均26%まで顧客離れを減らすことができます。

従来型セクターがリード

すでに確立され高度に規制された業界がAIをリードしています。電気通信の49%、小売の41%、銀行の36%では大規模かつ最高度のAI実装が行われていますが、自動車(26%)および製造(20%)業界はAI実装企業の中で最も低い活用率となりました。

業界・分野間だけでなく国・地域間でもコントラストがはっきりと現れました。AI実装企業の中で、インド企業では半数以上(58%)がAIを大規模に使用しています。オーストラリア企業は49%で僅差でした。ヨーロッパ諸国のスペイン(31%)、オランダ(24%)、フランス(21%)はAI技術の使用において低いランク付けとなりました。これは、市場においてこの技術を採用する準備が整っていないことを示しています。


【調査方法】
キャップジェミニのデジタル・トランスフォーメーション・インスティテュートのリサーチは、人工知能が企業に与える機会と利益についてのインサイトを提供します。今回の調査は9カ国(オーストラリア、フランス、ドイツ、インド、イタリア、オランダ、スペイン、イギリス、アメリカ)、7つの業界・業種(自動車、銀行、保険、製造、小売、電気通信、ユーティリティ)のグローバル企業、スタートアップ企業、ベンダーにおいてAIに取り組んでいるエグゼクティブ(シニアマネージャー以上)を対象とし、回答者993名の意見および考えをレポートにまとめました。調査対象は収益5億ドル以上の企業、調査実施期間は、2017年3月から6月です。

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