アジアの動画ストリーミングアプリレポート 

2017年09月12日
アプリ市場データを提供するApp Annie(アップアニー社)は、動画ストリーミングアプリ市場の現状を分析した調査レポート『アジアの動画ストリーミングアプリの現状』を公開しました。

その中でも日本は、アイドルとの双方向コミュニケーションを実現した『SHOWROOM』などの実況配信型動画アプリが収益をあげ、AbemaTVなどテレビ局と協業した企業のMAUが過去1年で2倍以上に増加するなど独自の市場様相を見せています。

<サマリー>​

・動画ストリーミングアプリ上位5位の平均セッション時間:日本はアジア市場でNo.1

・動画ストリーミングアプリMAUランキング:YouTubeがAPAC市場で圧倒的人気を見せる中、インターネットTV局のAbemaTVが日本では第2位でMAU前年比100%増と大健闘!

・動画ストリーミングアプリ収益ランキング:各国の上位が動画視聴アプリを占める中、日本は実況配信アプリの収益がTOP!

・エンゲージメント:オンラインファーストアプリが利用時間をリード

【調査結果】

■動画ストリーミングアプリ上位5位の平均セッション時間:日本はアジア市場でNo.1

世界的に動画ストリーミングアプリの需要が高まるにつれ、利用時間はAPACで特に急増しています。APACにおける2016年上半期と2017年上半期の、上位5位の平均セッション時間を比較すると、日本は約9分で首位でした。
また、動画ストリーミングによるデータ通信量も大幅に増加しています。Ericssonによる調査では、動画によるデータ利用は2016年から50%の年平均成長率で増加し、2022年には全モバイルデータトラフィックの4分の3を占めると予想しています。

■APAC市場、グローバル企業アプリ・ローカル企業アプリの競争が激化

動画ストリーミングアプリはAPAC市場だけでみてもこれだけ多くのアプリが存在しています。消費者は豊富な選択ができるようになり、サービスをグローバル展開する企業と、ローカル企業による激しいシェア争いが行われています。
MAUランキング・収益ランキングの比較から各国でそれぞれ特徴がみえてきました。

■動画ストリーミングアプリMAUランキング:YouTubeがAPAC市場で圧倒的人気を見せる中、インターネットTV局のAbemaTVが日本では第2位でMAU前年比100%増と大健闘!

多くのアジア市場で現地企業のプラットフォームと国際的なプラットフォームの両方が上位に顔を出す中、中国では、自国の動画ストリーミングプラットフォームが動画アプリのランキング上位を独占しており、現地企業の強さがうかがえます。
また韓国や日本では、多くのチャンネルを網羅するアプリの利用率が高いという傾向があります。たとえば日本では、テレビ朝日とサイバーエージェントが共同で手がけるAbemaTVが、2017年上半期にMAUを前年同期比で100%以上に伸ばし、韓国ではoksusuがMAUを50%近くまで伸ばしました。一方でグローバル企業もやはり有力で、日本ではAmazon VideoがMAUを150%増やし、韓国ではライブストリーミングプラットフォームのTwitchが400%の増加を記録しています。
モバイル動画ストリーミングサービスの大手各社による競争は今や最高潮に達しており、その結果利用時間と収益が爆発的に伸びているのです。

■  動画ストリーミングアプリ収益ランキング:各国の上位が動画視聴アプリを占める中、日本は実況配信アプリの収益がTOP!

マネタイズモデルも各国で特徴があります。
たとえば中国では、iQIYIなどの長編動画ストリーミングアプリの多くが、有料会員モデルと少額課金モデルの両方を採用し、都度課金を好むライトユーザーをターゲットにしています。トライアル期間が過ぎたユーザーを締め出すのではなく、コンテンツの大半を無料ユーザーと課金ユーザーの両方が視聴できるようにしながら、課金ユーザーには、広告なし視聴・テレビの生放送番組の録画再生・オフライン視聴など、便利な機能を提供しているのです。
また韓国では、pooqなど無料のテレビ放送とライセンス付きコンテンツの両方を提供する総合型のOTT(オーバーザトップ)アプリが、比較的若いユーザーの獲得に成功しています。こうしたアプリは、大半のコンテンツを無料で提供し、有料会員には広告なし視聴・テレビの生放送番組の録画再生・オフライン視聴などの機能を提供しています。
そして日本では『SHOWROOM』が安定した収益性を誇っています。『SHOWROOM』とは、少額課金システムを採用し、ライブ動画の視聴を通して直接配信者と双方向のコミュニケーションがとれる実況配信アプリです。視聴者はギフトアイテムなどを動画配信者に贈ることで自分への注目度を高め、動画配信者と直接コミュニケーションをとることができるのです。

■  エンゲージメント:オンラインファーストアプリが利用時間をリード

調査対象のAPAC市場すべてで、オンラインファーストの動画アプリがユーザーあたり月間利用時間でテレビ事業者の動画アプリをリードしました。
シンガポールなどの成熟市場では、2017年上半期に、オンラインファーストとテレビ事業者の両方で、ユーザーあたり月間平均利用時間が最大になっています。さらに韓国でも、動画ストリーミングユーザーの月間平均利用時間が、2017年上半期に前年同期比で50%増加しました。しかし、利用時間の増加を牽引したのはインドなどの新興市場で、オンラインファーストのプラットフォームによる動画アプリの月間利用時間は、前年同期比で170%という驚くべき増加を示しました。
オンラインファーストプラットフォームでは、Netflix、Amazon Video、Viuなど、大ヒットした映画やテレビ番組をライセンス配信している長編動画専門企業が今もエンゲージメントの向上に大きく貢献しており、APACでは外出中の動画視聴が拡大する状況が整いつつあります。
一方でテレビファーストのアプリもいくつか上位にランクインしています。たとえば、日本のTVerは多くのチャンネルを網羅し、OTT(オーバーザトップ)方式の統合サービスと直接競合しています。こうしたテレビに対応するサービスは、既存の視聴者基盤を効果的に活用しており、さらに多くの企業が追随するでしょう。

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