<外食・中食市場調査レポート>2017年第1四半期の動向 

2017年05月22日
外食・中食市場情報サービス『CREST®*1』を提供するエヌピーディー・ジャパンは、外食・中食市場2017年第1四半期(1-3月)の動向分析を紹介します。

2017年2月24日(金)には、プレミアムフライデーが初実施され、経済への好影響が期待されました。また、トランプ氏がアメリカ大統領に就任するなど経済的に大きな影響が懸念される出来事もありました。そのような2017年第1四半期の外食・中食市場はどのような状況だったのか、エヌピーディー・ジャパン(株)が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST®マーケットトレンドレポート*2』から分析を紹介します。

*1   CREST®
外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。 

【調査結果】

外食・中食市場全体の売上は1%増

外食・中食市場全体の2017年第1四半期の成長率(図表1)をみると、売上(市場規模)は、5兆87億円で対前年同期比1%増となりました。前期(2016年第4四半期)に引き続き2期連続のプラス成長となりました。客数は横ばいで、客単価が1%上昇したことで売上が伸びました。

多くの業態で食機会数がプラス成長

業態別の食機会数*3の成長率(図表2)をみてみると、全体の27%を占めるシェア1位のスーパーマーケットの成長がマイナスとなりました。CVS(コンビニ)は1%未満の小幅成長となり、これまで好調だった小売の成長が鈍化しています。一方でFF+セルフ型カフェは、大幅増となりました。居酒屋はマイナスですが、これまでの大幅マイナスから、ほぼ横ばいまでに回復しました。これは、WBC(ワールドベースボールクラシック)(3/6~3/19 1次ラウンド/2次ラウンド、3/20~23 決勝ラウンド) の1次/2次ラウンド日本戦がすべて19時スタートだったことから、観戦でスポーツバーなどが盛況だったことが好影響となったと考えられます。

*3  食機会数
外食・中食を利用した延べ食機会(朝/午前間食/昼/午後間食/夕/夜間食)数

朝食と午前間食が伸びる

食機会別の成長率(図表3)をみると、朝食と午前間食が大きく成長しているのが分かります。2016年に4期連続でプラス成長だった午後の間食と夜の間食は、今期はマイナス成長となりました。間食の伸びをけん引していたCVSとスーパーの成長鈍化が一因ですが、食機会数の推移をみてみると(図表4)、依然2015年の水準より高い値であることが分かります。


日銀は4月定例会で、日本経済は輸出の堅調さを背景に緩やかな成長軌道にあるが、同時に景気の緩やかな回復や労働市場の逼迫にもかかわらず個人消費は慎重でインフレ期待は萎みつつあるとの判断を示しましたが、外食・中食に対しても消費は依然慎重であるといえます。外食業態が伸びれば小売りが伸び悩むなど、業態やシチュエーションによってプラスマイナスが相殺され、市場全体の客数は伸び悩んでいます。

50年後に日本の人口は8808万人に減少するという推計も出されましたが、このような人口減少社会では胃袋の絶対値は減少する一方です。いかに他から客を奪うのかを考えるとともに、ライフスタイルや嗜好の変化を知り、イベントを盛り上げる商品や消費者にとって魅力的な商品で消費者の財布のひもを緩めていく策を考えることが重要となります。今回伸び悩んだ間食などのようにプラスアルファで消費を促すことのできる食機会をさらに成長させ続けるのも1つの方法となるでしょう。

「NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン調べ」

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[エヌピーディー・ジャパン]
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