“働きがい”についての調査(ビジネスパーソン対象) 

2017年09月04日
日経BP総研は、ビジネスパーソン873人を対象に、“働きがい”について尋ねるアンケート調査を実施しました。

昨今は、労働生産性の向上を目指し、働き方改革への取り組みが活発化しています。重要なのは単なる労働時間の短縮ではなく、従業員・職員が張り合いを持って働き、生産性が高まった結果として、労働時間が短くなることです。そこで本調査では、仕事へのモチベーションが上がる条件や、回答者の現在の心境を調べました。

 調査の結果、張り合いや喜びに直結しないものの働く上で重視するものとしては「勤務地」(61.1%)、「勤め先の安定性」(59.6%)が約6割でトップに並びました。男女間での違いをみると、女性は“時間”や“育児・介護支援”、男性は“人事評価制度”をより重視する傾向にあるようです。

 さらに、働くモチベーションアップにつながるものを尋ねたところ、トップに並んだのは「給与が上がる」と「仕事から達成感を得られる」(いずれも34%)。給与と達成感の両方を求めるビジネスパーソンの実態が明らかになりました。一方、男女間では「自分のやりたい仕事ができる」(男性:38.7%、女性:28.2%)、「プライベートも充実させながら働ける」(男性:20.5%、女性:32.0%)に差がみられ、性別によって異なる重視項目もあるようです。また、金融業とIT関連企業に勤めるビジネスパーソンの「給与が上がる」が回答者全体を10ポイント以上上回り、業種による違いがあることも明らかになりました。

 同じ業界、同じ組織で働いていても、働く上で大切にしていることは人によって様々です。その実態を理解して、一人ひとりのモチベーションが上がる仕組み・体制づくりが、これからの組織成長のために、ますます、求められていきます。

【調査結果ダイジェスト】

(1)張り合いや喜びに直結しないものの働く上で重視する項目のトップ2は「勤務地」「勤め先の安定性」(いずれも6割)。男性と比べて、女性は“時間”や“育児支援”や“休暇”を重視。

(2)働くモチベーションアップにつながるものトップは「給与」と「仕事の達成感」(いずれも34.0%)。女性は“プライベートとのバランス”も大切に。

(3)今の仕事・勤務先で実感できていないものは「給与が上がる」が突出(47.4%)。男女間の差が大きいのは「役職が上がる、昇進する」で、女性は実感できていない。

(4)勤務先に対する満足度が高い人は、今の仕事において「プロジェクト開始から終了までの全プロセスに関わる」「アウトプットに対する評価・成果のフィードバックを受けている」「仕事量が自分の能力に合っている」と感じている。

【調査結果】

[Q1]あなたが働く上で重視するもの(複数回答)

「あなたが働く上で重視するもの」として「勤務先の安定性」「勤務地」をはじめ組織が提供する制度などについて尋ねたところ、「勤務地」と「勤め先の安定性」が約6割でトップに並びました。男女間の差をみると、男性の回答率が高い傾向にあったのは「人事評価制度」と「定年再雇用制度」。ただし、後者は男性回答者の53%を占める50代以上の回答が影響しているようです(下図)。一方、女性の回答率が高いのは「育児支援」「勤務時間帯」「通勤時間」「休暇制度」「福利厚生」「介護支援」でした。ただし、男性でも30代以下は「休暇制度」「福利厚生」の重視度は高めで、性別、年齢によって重視項目の傾向は異なります(下図)。

[Q2]あなたの「働く」モチベーションアップにつながるもの(優先順位の高いもの3つまで)

働くモチベーションアップにつながるものを尋ねたところ、「給与が上がる」「仕事から達成感が得られる」がトップ。ただし、この設問でも男女間での差が生じました。男性の回答率が高いのは「自分のやりたい仕事ができる」。女性がより重視するのは「プライベートも充実させながら働ける」でした。また、「信頼、尊敬できる人と一緒に仕事ができる」は30代以下女性の4割弱が重視しており、30~50代男性の2割強を大きく上回りました。

[Q3]今の仕事や勤務先で実感できていないもの(複数回答)

働くモチベーションアップにつながる項目の中で実感できていないものは「給与が上がる」が5割弱でトップ。これに「役職が上がる、昇進する」(36.5%)、「経営者を信頼、尊敬できる」(27.5%)が続きます。特に女性は、男性と比較して「役職が上がる、昇進する」と実感できていないようです。

[Q4]勤務先に対する満足度別にみた「今の仕事」の評価(複数回答)

勤務先に対する満足度を把握するために、「今の勤務先で働くことを、あなたの知人・友人に薦める可能性」を「10点:ぜひ薦めたい」から「0点:まったく薦めない」の11段階で尋ねました。その結果をもとに、回答者を「満足層(9~10点)」「中間層(7~8点)」「不満層(0~6点)」に分類し、今の仕事に対する意見を分析しました(上図)。
「仕事の進め方やスケジュール管理を任せられている」「自分の経験やスキルを十分に生かすことができる」は差は小さい一方で、「プロジェクトの全プロセスに関わる」「評価・成果のフィードバックを受けている」「仕事量が自分の能力にあっている」「勤務先にとって重要な仕事である」などにおいては差が大きくなりました。組織に対する満足度をより高めるためには、今の仕事の延長線上での活躍のチャンス作りだけではなく、任せる範囲を広げること、新しいことにチャレンジする機会を与えることが重要といえます。


『日経BP総研調べ』

【調査概要】
調査名:働きがいに関するアンケート
調査対象:日経BPメディア読者であるビジネスパーソン
調査実施期間:2017年6月15日(木)~6月26日(月)
調査手法:Webアンケート
回答者数:873人(男性:341人/平均年齢48.5歳、女性:532人/平均年齢 39.2歳)
調査主体:日経BP総研

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日経BP社]
 マイページ TOP