ERP市場動向に関する調査(2017年) 

2017年08月07日
矢野経済研究所は、国内のERPパッケージライセンス市場に関する調査を実施した。

<ERPパッケージとは>
 ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージとは、財務会計、人事給与、販売管理、生産管理などの基幹業務データを統合する情報システムを構築するための基幹業務管理パッケージソフトウェアを指す。また、本調査におけるERPパッケージライセンス市場では、基幹業務の一部機能のみを持ち、ERPパッケージのモジュール(構成要素)となるパッケージソフトウェアも対象とした。

【調査結果サマリー】

◆2016年のERPパッケージライセンス市場は前年比4.4%増、伸び率はやや減速
 2016年のERPパッケージライセンス市場は1,130億4,000万円(エンドユーザ渡し価格ベース)、前年比4.4%増となった。2015年及びここ数年の伸び率と比較するとやや減速となった。2016年は法制度の改正や何らかのトレンドに影響されることのない年であったが、ユーザ企業の景況感は底堅く、ERPへの投資は継続しており、単なる老朽化によるシステム更新のみではなく、経営環境の変化に対応するため、経営基盤であるERPを見直すユーザ企業が増えており、ERP市場の成長を支えている。こうした傾向は今後も底堅く、2017年の同市場は、前年比4.8%増の1,185億円(同ベース)になると予測する。

◆ERPパッケージベンダーは、業績の明暗が分かれる傾向が見られる
 ERPパッケージベンダーは、市場平均以上の成長を遂げた企業と、特段のマイナス要素があるわけではなくても売上高が横這いやマイナスになった企業とに、明暗が分かれる傾向が見られた。業績好調な企業は、コンセプトを刷新した新製品の提供や、情報システム更新や企業グループでの一括導入などの需要を丁寧に拾うことができる販売力など、製品や販売、サービスに特長を持つ。市場の伸び率が鈍化しているなかで強みを発揮するためには、そうした特長を持つことが重要となっていると考える。

◆クラウド化が本格化、さらなる進展が見込まれる
 2016年以降、クラウドの利用が本格的に拡大している。導入スピードの早さ、運用コストの削減、コンプライアンスを確保しやすいなどのクラウドを利用するメリットが、ユーザ企業の規模を問わず幅広く評価されている。ERPパッケージベンダーが提供するクラウドサービスの種類も増加しており、今後もクラウド化は一層加速すると予測する。


【調査概要】
調査期間:2017年4月~7月
調査対象:ERPパッケージベンダー
調査方法:当社専門研究員による直接面談

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[矢野経済研究所]
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