夏の食卓東西ランキング(20-59歳の男女対象) 

2017年08月01日
インテージは、独自に保有するデータ、および自主企画調査から、夏場に食卓に上がるメニューの実態を分析しましたので、その結果をご紹介します。

猛暑と言われている2017年夏。暑い夏には食欲も減退し、お腹は空くけれど食べたいものが思い浮かばない、そんな毎日の献立に悩む方も多いことと思います。そこでインテージは、1年365日を通じて食卓データを収集している『キッチンダイアリー』から、6~8月の期間に食卓に並ぶメニューを抜粋し、東西のエリアで比較をしながらその傾向を探りました。

[ポイント]

◆ 夏の食卓ランキング、1位、2位は京浜、京阪神ともに「冷奴」「そうめん・冷麦」で夏の定番がランクイン
◆ 「冷やし中華」は地域で呼び名に違い。北海道では「冷やしラーメン」、京阪神では「冷麺」とも
◆ 「ゆで豆」「酢の物」など東西の食卓登場率に差が見られたメニューは、地域で食シーンに違い
◆ 食に関する驚きや発見。地域で異なる「雑煮の具・味の違い」や、料理の呼び名の違いなど経験あり

【調査結果】

夏の食卓登場メニューランキング、3位以降で東西に違いが

北海道から沖縄まで全地域で気温が高く暑い日が続いている今年の夏。みなさんのご家庭では、夏になるとどのようなメニューが食卓に上がるでしょうか。夏の食卓実態を探るため、まずはインテージが独自に保有する「キッチンダイアリー(京浜・京阪神・東海1,260世帯の食卓日記調査)」で、2016年夏(6~8月)の京浜エリアと京阪神エリアの食卓登場メニューランキングを確認してみました。

すると、1位は「冷奴」、2位は「そうめん・冷麦」で京浜、京阪神ともに共通で、夏場のメニューとしてお馴染みのものが上位にあがる結果となりました。また3位以降を見てみると、「野菜のぬか漬け」(京浜4位、京阪神4位)、「そば(冷)」(京浜6位、京阪神7位)、「うどん(冷)」(京浜8位、京阪神5位)などは京浜、京阪神で食卓登場率に大きな差がなく、順位もあまり変わらない結果となっています。一方で、京浜では「ゆで豆(枝豆、そら豆など)」や「冷やし中華」の食卓登場率が京阪神に比べて高く、京阪神では「酢の物」や「卵豆腐」の食卓登場率が京浜に比べて高いなど、京浜、京阪神で食卓登場率が2倍以上異なるメニューもあり、順位にも違いが見られます。「夏になると食卓に上がるメニュー」と聞いて、みなさんいろいろなものを思い浮かべるかと思いますが、どうやらそのメニューは住んでいる地域によって違いがありそうです。

Point:
・1位、2位は京浜、京阪神ともに「冷奴」「そうめん・冷麦」で夏の定番がランクイン
・「ゆで豆」「冷やし中華」「酢の物」「卵豆腐」などは東西で食卓登場率に違いが

夏の定番「冷やし中華」。西で食卓登場率が低い背景に意外な事実!

毎年夏になると、スーパーやコンビニ、飲食店では「冷やし中華はじめました」のポスターが張り出され、夏の麺料理の定番メニューとなっている「冷やし中華」。誕生秘話は諸説あり、“中華”と銘打ってはいますが、日本発祥の料理とされています。冷やした中華麺に野菜やハム、錦糸卵などの色とりどりの具材をのせて、冷たいかけ汁を掛けて食べる夏の麺料理として日本各地で食べられています。

ところが、 「夏の食卓登場メニューランキング」では、東で5位にランキングするも西では8位にとどまり、食卓登場率は東西で2倍近くの差があります。その理由を探るべく自主企画調査を実施し、写真を見て料理名を回答してもらったところ、意外な事実がわかりました。なお、前項の「夏の食卓登場メニューランキング」は「キッチンダイアリー」でデータを収集している「京浜」「京阪神」のデータをそれぞれ「東」「西」として作成しましたが、この先でご紹介する自主企画調査は対象エリアを全国に広げ、エリアごとの傾向もあわせて見ていきます。

全国的には「冷やし中華」が最も一般的な呼び方ですが、実は地方によって呼び方が異なるのです。京浜をはじめ、多くのエリアで大半を占め、またすべてのエリアで最も多く使われている呼び名は「冷やし中華」ですが、北海道では「冷やしラーメン」が34.9%、京阪神では「冷麺」が25.8%、また中国、四国、九州でも一部、「冷麺」と呼んでいることがわかりました。つまり、“西の食卓に冷やし中華があがらない”のでなく、“呼び方が「冷麺」と変化していた”のです。ちなみに京阪神では、“冷麺”のことは何と呼ぶのでしょうか。こちらも写真を呈示して料理名を回答してもらったところ、多くのエリアで「冷麺」が大半を占め、京阪神でも「冷麺」が74.4%と最も高い結果となりました。ちなみに「冷麺」は、中国や四国では「見たことがない/わからない」の割合が2割を超えており、エリアによって浸透状況が異なることもわかりました。

エリアによって呼び名が変わる「冷やし中華」。旅行や出張などで慣れない土地の飲食店を訪れる際には、想像していたものと異なるメニューが出てくる可能性もありますので注意が必要です。

Point:
・“冷やし中華”を、京阪神では25.8%が「冷麺」、北海道では34.9%が「冷やしラーメン」と呼んでいる
・「冷麺」という呼び名は京阪神のほか、中国、四国、九州でも使われている

東西で異なる食卓ランキング、食シーンや、「食べない」人の割合にエリア差

東西の「冷やし中華」食卓登場率の背景には、地域による呼び名の違いがあることがわかりました。ここからは、「冷やし中華」以外で京浜と京阪神で特に違いの見られた「ゆで豆」「酢の物」「卵豆腐」の3つのメニューについて、食卓に登場するシーンの違いなど、食卓登場率の背景を自主企画調査の結果から探っていきたいと思います。

まずは、京浜で食卓登場率が高くランキング3位の「ゆで豆(枝豆、そら豆など)」。夏の晩酌には欠かせないメニューとして思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。「ゆで豆」を食べるのシーンを見てみると、すべてのエリアで「晩酌のつまみ・あてとして」、次いで「夕食のおかず、付け合せとして」が高く、主な食卓登場シーンに京浜、京阪神で違いは見られませんでした。それ以外の食シーンを見てみると、「朝食のおかず、付け合せとして」は「京阪神」で0.7%に対し「京浜」では2.9%と小さい数字ながらも高く、京浜では食シーンがやや広いことがわかります。一方で、「この料理は食べない」と回答した人の割合は「京浜」で12.6%に対し「京阪神」では17.3%とやや高く、そもそも「ゆで豆」を食べない人が京阪神では京浜に比べて多いことがわかります。さらにエリアを広げて見てみると、「おやつ・間食として」が「東北」「関東」「北陸」などで高くなっています。南東北地方を中心に「ずんだ餅(枝豆を茹でて薄皮を剥いて潰し砂糖と食塩を混ぜて作った餡を餅にまぶす郷土菓子)」が食べられていることからもわかるように、これらのエリアでは「ゆで豆」=「おやつ・間食」としての感覚が他のエリアに比べて強く、身近なメニューとして食べられているのかもしれません。

次に、京阪神で食卓登場率が高くランキング3位の「酢の物」について見ていきます。主な食シーンは「夕食のおかず、付け合せとして」がすべてのエリアで突出して高く、その他には「晩酌のつまみ・あてとして」、「昼食のおかず、付け合せとして」などが挙がっています。京浜、京阪神の比較で見てみると、「夕食のおかず、付け合せとして」は京阪神で74.4%と京浜(60.9%)と比べて高く、一方で「晩酌のつまみ・あてとして」は京浜で20.7%と京阪神(13.9%)と比べて高くなっています。お酢の食欲増進効果もあり、夏の定番メニューとなっている「酢の物」ですが、その位置づけが京浜、京阪神で異なることがうかがえる興味深い結果となりました。

続いて、酢の物と同様に京阪神で食卓登場率が高くランキング10位の「卵豆腐」について見ていきます。主な食シーンは「夕食のおかず、付け合せとして」がすべてのエリアで高く、その他には「晩酌のつまみ・あてとして」「昼食のおかず、付け合せとして」などが挙がっています。興味深いのは、「この料理は食べない」と回答した人の割合で、京阪神では27.5%に対し、京浜では42.5%と高く、5人中2人はそもそも卵豆腐は「食べない」と回答しています。京浜、京阪神以外のエリアを見てみると、「この料理は食べない」の割合は四国、九州がいずれも43.1%と高く、一方で最も低い北陸では22.5%となっています。日本では江戸時代以降作られるようになったと言われる「卵豆腐」。夏場の定番メニューと思っている人も多いかと思いますが、その感覚はエリアによって違いがありそうです。

Point:
・「ゆで豆」は京阪神でやや食シーンが幅広い。東北を中心に「おやつ・間食」としても食べられている
・「酢の物」は京浜と京阪神で位置づけに違い。京阪神では「夕食のおかず」、京浜では「晩酌のつまみ」
・「卵豆腐」は京浜では「食べない」が42.5%。四国、九州も「食べない」の割合が高い

【番外編】 「食に関連する地域の違い」で驚いたことや新しい発見があったこと

「冷やし中華」の呼び名がエリアによって変わることがわかりましたが、これに限らず、「食」に関して驚きや新しい発見をする機会も多いのではないでしょうか。調査の最後に、特に夏のメニューに限定せずに『「食に関連する地域の違い」で驚いたことや新しい発見があったこと』を聞いてみると、たくさんの驚きエピソードが挙がってきました。

冷やし中華のように、エリアで『呼び名が違う』系では、「メロンパンを『サンライズ』と呼ぶ」、「唐揚げを『ザンギ』と呼ぶ」、「鶏肉を『かしわ』という」などが「初めて知ったときは驚いた」という声とともに挙がりました。また、『味付けや具材が違う』系では、正月定番料理である「お雑煮」に関連するエピソードが多く、「具だくさん」か「シンプル」か、「醤油ベース」か「味噌ベース」かなど、結婚をきっかけに「家庭の味」の違いに驚いたという声が多く挙がり、香川県出身の男性と結婚した女性からは「香川県の雑煮があんころ餅に白味噌の甘さで驚いた」という声も聞かれました。

【「食に関連する地域の違い」で驚いたことや新しい発見があったこと(自由回答より一部抜粋)】

・ 神戸では一般的なメロンパンはサンライズと呼び、メロンパンはアーモンド型をしたしっとりしたパンの事を言う。(女性30代、京都府)
・ザンギ(から揚げ)が、東京では通じなかった。(男性40代、北海道)
・鶏肉を大阪でかしわと呼ぶこと。(女性50代、神奈川県)
・結婚してお正月のお雑煮がかなり違った。私の実家は東北で、具だくさん入りだが、主人は東京下町で、小松菜、鶏肉、三つ葉だけの、シンプル。(女性50代、東京都)
・香川県の雑煮が、あんころ餅に白味噌の甘さたっぷりなのに驚いた。(女性30代、兵庫県)
・はんぺんというと黒はんぺんが普通だと思っていたが、白はんぺんが普通だった。(女性50代、静岡県)
・北海道の赤飯だけ甘納豆を使った甘い赤飯だとは知らなかった。(女性30代、北海道)
・冷やし中華にマヨネーズをかけない人たちがいること。(男性30代、愛知県)

Point:
・「食に関する地域の違い」の驚きや発見を聞いてみると、「呼び名の違い」や「具・味付けの違い」などが挙がる
・特に土地の色が出る「お雑煮」は結婚をきっかけに違いに驚いたという声が散見


【キッチンダイアリー】
京浜、京阪神、東海地区1,260世帯のパネルモニターによる食卓実態動向のトラッキングサービス。毎日の食卓で食材がどのように調理され、どんな家族に、どんなメニューで食べられているのかについてのデータ収集を継続的に行ない、京浜、京阪神、東海地区での食卓実態動向を明らかにしている。

【インテージのネットリサーチによる自主企画調査データ】
調査地域:全国
対象者条件:20-59 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を2015年度実施国勢調査結果にあわせてウェイトバック
標本サイズ:n=1600
調査実施時期: 2017年7月7日(金)~2017年7月10日(月)

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