インターネット教育に関する実態調査(中学校と高校の「生徒」と「教諭」対象) 

2017年06月20日
ドメイン名の登録管理を行う日本レジストリサービス(JPRS)は、中学校と高校の「生徒」と「教諭」それぞれ 400 名(計 800名)を対象に「インターネット教育に関する実態調査」を実施し、この度、その調査結果をまとめました。

調査の結果、デジタルネイティブ世代である中学校・高校の生徒で URL やドメイン名を意識している人が少ないことが明らかになりました。また、インターネットの基本的な仕組みなどを教える情報教育の担当教諭への調査では、授業に自信を持てていない教諭が一定数存在することが分かりました。その要因として、情報教育に使用する教材が不足していることなどが考えられます。

【本調査のポイント】

■ 生徒の URL に対する意識について
~ インターネット利用時に、URL を意識しない生徒は約 7 割 ~
インターネット上に数限りなく存在する Web サイト。そこでは「URL(Uniform Resource Locator)」と呼ばれるインターネット上の住所(文字列)が重要な役割を果たします。しかし、スマートフォンでインターネットに触れることが大半の中学生・高校生にとって、URL への意識が薄れつつあることが分かりました。生徒に対し、「インターネットを利用する際に URL を意識するか」と聞いたところ、“スマートフォンや携帯電話の利用時”は 75.5%が意識せず、“デスクトップパソコン・ノートパソコンの利用時”でも 69.8%が意識していないことが明らかになりました。また、「URL の.jp が日本を表すことを知っているか」との問いには「知らなかった」と回答した生徒は41.5%に達しました。このような結果となった要因としては、スマートフォンなどのブラウザーでは URL が非表示になるなど、意識する機会が失われていることなどが考えられます。

■ インターネットの仕組みの授業について
~ ドメイン名を授業で教えていない教諭が 3 割超 ~
教諭に対する調査では、「情報教育」に対する課題を抱えている教諭が少なからず存在することも分かりました。中学校・高校で「情報教育」を担当する教諭 400 名へのアンケートでは、教諭の 35.6%がメールアドレスやWeb サイトの URL を構成する「ドメイン名は授業で教えていない」と回答し、また、18.5%は「インターネットの仕組みを教えていない」とも回答しました。

■ 「情報教育」に関する教材について
~ 教材に満足していな教諭が約 4 割 ~
過去 5 年以内に情報教育の授業を担当したことがある教諭に、授業で使用する教材への満足度について聞いたところ、36.8%が「満足していない」と回答しています。学校種別で見ると、「教材に満足してしない」と回答した割合は“高校の教諭”が 31.5%であったのに対し、“中学校の教諭”は 42.0%と 10.5 ポイント高く、より初歩的な内容を教える中学校での情報教育に使用する教材が不足しているという実態が明らかになりました。

■ 「情報教育」担当教諭の授業への自信について
~ 「自信を持って教えられている」教諭は 4 割以下 ~
別の質問では、情報教育を担当している教諭の抱える不安も見えてきました。調査時点で「情報教育」を担当している教諭 276 名に対し、「授業を行うにあたり、自信を持って授業を行えているか」を聞いたところ、「自信を持って教えられている」と回答した教諭はわずか 38.4%という結果となりました。これは、「情報教育」が中学校では技術・家庭科の一科目、高校では「情報科」として必修教科となっているにもかかわらず、専任ではない教諭が担当することが多く、前述の通り情報教育の教材が不足していることが一つの要因だと考えられます。


【調査概要】
調査タイトル:インターネット教育に関する実態調査
調査対象:
 中学校・高校で「情報」を担当している・していた(5 年以内)教諭 400 名
 中学校・高校の生徒 400 名
有効回答数 : 800 サンプル
調査期間:2017 年 5 月 20 日~5 月 22 日
調査方法:インターネット調査
調査会社:株式会社クロス・マーケティング

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[日本レジストリサービス]
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