デジタル技術の導入および試験導入の状況調査(日本を含む世界9カ国の行政機関に在籍する技術担当者対象) 

2017年06月23日
アクセンチュアの最新調査レポート「Emerging Technologies in Public Service(行政機関におけるデジタル技術導入)」では福祉サービス、警察・司法、税務、出入国管理、行政、年金・社会保障といった、市民に直接かかわるさまざまな機関におけるデジタル技術の導入状況が報告されています。

アクセンチュアでは本レポート作成にあたり、日本を含む世界9カ国の行政機関に在籍する約800名の技術担当者を対象にアンケートを実施し、デジタル技術の導入および試験導入の状況を調査しました。デジタル技術には高度なアナリティクスおよび予測モデリング、モノのインターネット化(IoT)、インテリジェント・プロセスオートメーション、動画アナリティクス、生体認証/アイデンティティ・アナリティクス、機械学習、自然言語処理/生成が含まれます。

本調査で行政機関の技術担当者にどのような課題に直面しているかを尋ねたところ、特に多かった回答は「市民ニーズに合わせたサービス提供の改善」、「組織の目的や目標の変化への対応」、「適正なスキルを持つ人材の雇用と人材開発」でした。特に、日本、オーストラリア、シンガポールでは、「サービス提供の改善」がデジタル技術活用における最優先課題に挙げられています。

一方で、市民が行政機関に対応を望んでいる課題(不満に思っていること)にはどのようなものがあると思うかという質問では、以下のような回答が多くみられました。

治安(安全と安心)
各種支援プログラムの財政支援が予測不可能であること
教育/訓練の不足
行政サービスや規制の複雑さ
市民不在の行政サービス策定

本調査の回答者の多くが、こうした課題を解決する方法の一つとして「民間企業で成功を収めたソリューションの応用」を挙げています。また調査対象のすべての国の行政機関が「官民連携による先端デジタル技術の開発プロジェクト」に強い意欲を示していることが明らかになりました。

実際、回答者の4分の3(76%)が「民間企業の成功導入事例を参考にして公共サービスでの連携を計画している」と答えています。また、「市民ニーズにこたえるため、すでに民間企業の協力を得ている」との回答は3分の2(68%)に上ったほか、「より良い行政サービス提供に向けて、官民の協力体制と新たなビジネスモデルの採用に意欲を示している」との回答もほぼ同じ割合(66%)でした。

さらに本調査では、官民連携体制において、プロジェクトの策定、人材の確保、実行可能なビジネスモデルの提供を、民間企業が担当した場合が最も効果を発揮していることも判明しました。

さらに本レポートでは、先進デジタル技術ソリューションの設計・開発において、市民や非営利組織が担うべき役割が存在することも明らかになりました。デジタル技術プロジェクトを検討・試行・実行している回答者の過半数(60%)が「市民やボランティア組織と協力して取り組んでいる」と答えています。一方で、市民と非営利組織との連携がすでに進行中であるものの、そうしたプロジェクトの詳しい調査はほとんど行われていないという実状も明らかになりました。


調査方法
アクセンチュアは日本、オーストラリア、フィンランド、フランス、ドイツ、ノルウェー、シンガポール、英国、米国の9カ国において、市民サービスの創出・維持・拡大および予算・購入・政策決定に関わる、さまざまなレベルの行政機関の技術責任者774名を対象にオンライン調査を実施しました。また、補足調査として対象各国の技術専門家に対し、さらにテーマを掘り下げた定性調査を行いました。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[アクセンチュア]
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