第23回 MONEX グローバル投資家サーベイ 

2017年06月15日
マネックス証券は、2017年5月29日から6月5日にかけて第23回「MONEX グローバル投資家サーベイ」を実施しました。
 グローバル調査では前回調査(2016年11月~12月実施)に比べ日本・米国・中国(香港)の各地域の個人投資家の米国株に対する期待が大きく低下したことが特徴的でした。
 また、今回は近年注目が大きく高まっている「仮想通貨」への投資状況や、トランプ政権とロシアの不適切な関係の疑惑が指摘されている「ロシアゲート疑惑」が投資に与えた影響について特別調査を行いました。

【主な調査結果】

1.グローバル調査結果 調査対象:日本、米国、中国(香港)の個人投資家
(1-1)3地域の世界の株式市場DI(注2)は地域ごとに結果がまちまち
 各地域の個人投資家に今後3ヶ月程度の世界の株式市場に対する見通しを尋ねたところ、各地域で結果がまちまちとなりました。中国(香港)の個人投資家は前回調査からDIが10ポイントの上昇となりました。一方で日本の個人投資家は30ポイントの大幅な悪化、米国の個人投資家は横ばいとなりました。3地域ともDIはプラスで世界の株式市場に対する見方はポジティブですが、各地域で傾向が分かれています。

【世界の株式市場DI】
日本:     (2016 年12 月)37→(2017 年6 月)7(前回比-30 ポイント)
米国:     (2016 年12 月)16→(2017 年6 月)16(前回比0 ポイント)
中国(香港): (2016 年12 月)23 →(2017 年6 月)33(前回比+10 ポイント)

(1-2)3 地域の個人投資家とも米国への期待が前回調査から大きく低下
 今後3ヶ月で株価の上昇が最も期待できる地域について、日本と米国の個人投資家は「米国」と回答した割合が前回調査と同様に最も高く、一方で中国(香港)の個人投資家は「アジア(日本を除く)」への期待が最も高くなりました。3 地域の個人投資家に共通している点は、前回調査から米国への期待が大きく低下したことです(日本:61.7%→35.9%、米国:83.0%→55.8%、中国(香港):56.3%→33.0%)。ロシアとの不適切な関係の疑惑が指摘されるなどトランプ米大統領の政策実行能力に対して不安が高まったことが米国への期待を下げたのかもしれません。

【今後3ヶ月のマーケットへの期待度】
日本:(米国:35.9%、欧州/英国:20.3%、アジア(日本を除く):20.3%、日本:23.5%)
米国:(米国:55.8%、欧州/英国:28.7%、アジア(日本を除く):13.9%、日本:1.6%)
中国(香港):(米国:33.0%、欧州/英国:14.7%、アジア(日本を除く):46.0%、日本:6.3%)

(1-3)魅力ある業種、3 地域とも「テクノロジー」が首位に
 業種別魅力度ランキングで日本・米国・中国(香港)の個人投資家とも「テクノロジー」が首位となり、3地域ともテクノロジー企業への注目が高まっています。米国では、アルファベット(グーグル)やアマゾン・ドット・コムの株価が揃って1,000ドルを突破し上場来高値を更新するなど、テクノロジー企業の好調さが際立っています。また、AI(人工知能)の台頭が連日のようにメディアで取り上げられていることもあって、個人投資家のテクノロジー企業への期待は非常に高まっているといえそうです。

(1-4)仮想通貨への投資 実行しているのはまだ少数
 「ビットコイン」などが話題となっているいわゆる「仮想通貨」への投資について調査を行いました。日米の個人投資家で既に仮想通貨に投資しているのは3%程度、中国(香港)でも10%程度とまだまだ実際に投資を行っている人の割合は低いことがわかりました。米国・中国(香港)の個人投資家の2割程度は「仮想通貨を知らなかった」と回答しており、投資はせずともほとんどが仮想通貨を知っている日本の個人投資家とは大きな差がありました。

(1-5)ロシアゲート疑惑が投資行動に与えた影響
 トランプ政権とロシアとの不適切な関係の疑惑が指摘されている「ロシアゲート疑惑」が個人投資家の投資行動に与えている影響を調査しました。米国と中国(香港)の個人投資家はロシアゲート疑惑が「比較的早期に落ち着くと思う」と回答した割合が最も高く、比較的楽観的なことがわかりました。それに対して日本では半数近くが「問題はより深刻化すると思う」と回答しており、警戒感を強めています。ロシアゲート疑惑を受け、投資方針を変更した個人投資家の割合は、投資方針を変更しなかった個人投資家の割合に比べて各地域とも低くなりまし
た。中でも米国では投資方針を変更した割合が約6%とほとんどの個人投資家の投資行動に影響を与えていませんでした。
 さらに、「投資方針を変えた」と回答した個人にどのように変えたかを尋ねたところ全ての地域で「リスク資産を減らした」との回答が多く、全体としては、リスク回避的な投資行動を強めた個人投資家の割合が高くなりましたが、中国(香港)の個人投資家は「リスク資産を増やした」割合が他の地域と比べて高くなりました。

2.日本限定の調査結果(四半期に1 度) 調査対象:日本の個人投資家
(2-1)日本株と米国株のDI が大きく低下
 日本の個人投資家の今後3ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)株価の見通しは、日本株DIと米国株DIが前回調査(2017年3月)から大きく低下しました。日経平均株価は2万円を回復、ダウ平均は史上最高値を更新と株価が堅調な中で高値警戒感が強まっているとみられます。一方で中国株DI は改善しました。中国の経済指標が比較的堅調に推移していることが背景にあるのかもしれません。

【日本株DI】(2017年3月)29→(2017年6月)8(前回比-21 ポイント)
【米国株DI】(2017年3月)31→(2017年6月)8(前回比-23 ポイント)
【中国株DI】(2017年3月)-29→(2017年6月)-23(前回比+6 ポイント)

(2-2)欧州関連トピックへの注目が高まる
 前回調査から個人投資家の注目が最も高まったトピックは、欧州の「為替動向」でした。その他にも欧州の「マクロ経済」「政治・外交」「金融政策」などについていずれも注目が大きく高まりました。仏大統領選や英国の総選挙、テロの発生、足元の大幅なユーロ高の進行などが投資家の欧州への注目を高めたとみられます。


(注 2)DI(diffusion index):「上昇すると思う」、「よくなると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」、「悪くなると思う」と回答した割合(%)を引いたポイント


「MONEX グローバル投資家サーベイ」について
 マネックス証券は 2009年10月より、個人投資家を対象として相場環境についての意識調査のアンケートを実施し「MONEX 個人投資家サーベイ」として提供してまいりました。マネックスグループにおいて、日本に加え米国および中国(香港)にも証券事業の拠点ができたことを契機に、当該個人投資家サーベイの調査対象を米国および中国(香港)にも広げ、2011年6月よりマネックス証券、TradeStation Securities, Inc.およびMonex Boom Securities (H.K.) Limited の3社共同で「MONEX グローバル投資家サーベイ」を実施し、日本、米国および中国(香港)の個人投資家の相場環境についての意識を定点観測しております。

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