「家電」に関する調査(20歳以上の男女対象) 

2017年06月07日
アサヒグループホールディングスは、全国の20歳以上の男女を対象に「家電」をテーマに調査を実施。皆さんが今気になっている電化製品や、購入時のポイントなどについて聞きました。

【調査結果サマリー】

・8割近くが「今、気になっている家電がある」-若い層ほど購入意欲が高まる傾向
・欲しい家電のトップは「エアコン」-今夏の猛暑到来を予想して、購入意欲が高まる
・「冷蔵庫」「トースター」など白物家電に人気集中!「テレビ」など黒物は下位へ
・買い替え理由は、長年の使用に伴う「安全・衛生・経済面」の不安から
・家電選びは、品質・機能よりも「メーカー・ブランド名」が第一優先!
・あなたは多機能派? それともシンプル機能派? -使い易さ、実用性を検討しながら
・「直にチェック」「十分な説明」「修理対応」など、ネットよりも店頭が安心
・店頭で直にスペックを確かめ、ネットで安く買う「ハイブリッド派」も

【調査結果】

8割近くが「今、気になっている家電がある」-若い層ほど購入意欲が高まる傾向

今、皆さんは何か欲しい家電があるのでしょうか。「結婚時に購入した冷蔵庫が10年経ち、そろそろ買い替え時期になっている。家族も2人増え、たくさん食べるようになったので、500L以上の大型冷蔵庫が欲しい」(女性40代、東京都)など、「今、購入検討している家電がある」と回答した人は30.8%。さらに「購入検討までには至っていないが、欲しいと思っている家電がある」という声も48.3%を数え、全体の8割近くの人びとが「(買う買わないに関わらず、)今、気になっている家電がある」ことが明らかとなりました。自由回答の中には「トースターと炊飯器が欲しい。ほぼ毎日使うものだからおいしく食べたい。夏のボーナスで検討中」(女性30代、大阪府)など、夏のボーナス支給を待ち、家電購入に踏み切りたいという人もいました。

年代別ではいかがでしょうか。「今、購入検討している家電がある」という声を見てみると、70代以上では14.7%と購入意欲が非常に低かったものの、50代で20.3%、30代で37.0%と徐々に増加。さらに20代では51.3%と半数を超え、若い年代ほど「家電の購入意欲」が高まる傾向が見られました。また、シニア層の中には「エアコンがなくても扇風機と団扇があれば何とかなるし、洗濯機がなければ手で洗えばいい。炊飯器がなければ土鍋か、厚手の鍋で炊く。昭和の時代に戻るだけですから」(男性60代、兵庫県)など、「最悪なくても何とかなる」という人もいました。

その反面、「今のところ欲しい家電はない」という声も20.9%を占めました。主な理由は「家電は壊れたら、買い替えればよいと思っている。今のところ壊れていないので」(男性50代、静岡県)など、現在使用している家電で十分という声。さらに「欲しいものを買い替えたばかり」(男性70代、栃木県)など、最近入手して満足しているという人もいました。

欲しい家電のトップは「エアコン」-今夏の猛暑到来を予想して、購入意欲が高まる

8割近くの人びとが「今、気になっている家電がある」ことが判りましたが、皆さんは具体的にどんな電化製品に注目しているのでしょうか。人気が最も高かったのは「エアコン」(22.1%)でした。「今年は猛暑になるという予想なので、高性能なエアコンに買い替えようと思う」(男性30代、静岡県)など、梅雨入り前から夏日が続く今年、夏の猛暑到来に不安を感じて、早めにエアコンの買い替えたいという声。さらに「今年はなるべくエアコンをつけずに節約したいと思っており、少し良い扇風機を買いたいと検討している(女性30代、大阪府)など、4位にも「扇風機・サーキュレーター」(19.0%)が続き、「夏の暑さ対策」は家電購入を促進させる一番の要因と言えそうです。気温の上昇と共にエアコンの販売数も伸びると言われていますが、猛暑が予想される今夏は、需用が一気に拡大して取付け工事が間に合わず、数週間待ちという事態を招く可能性も考えられます。エアコンの買い替えを予定している人は、なるべく早めに注文したほうが良さそうですね。

今、欲しい家電・AVなど電化製品は何?
1 エアコン 22.1%
2 掃除機(ダイソン、ロボット掃除機など) 21.0%
3 冷蔵庫・冷凍庫 19.3%
4 扇風機・サーキュレーター 19.0%
5 洗濯機・洗濯乾燥機 15.2%
6 パソコン・周辺機器(無線LANなど) 14.7%
7 オーブンレンジ・電子レンジ 14.5%
8 炊飯器・精米機 13.9%
9 トースター 10.3%
9 テレビ(4K液晶、ハイビジョン、有機EL、大型画面など) 10.3%
MA(複数回答)/n=784人(「欲しい家電がある」と回答した人)

トップと僅差の2位は「掃除機(ダイソン、ロボット掃除機など)」(21.0%)。「20年弱使用しているため、掃除機が重くて取回しが不便だから」(男性50代、東京都)、「よく吸う音が静かな掃除機が欲しい。騒音がすぐ隣の部屋に響くから」(女性20代、奈良県)など、現在使用中の掃除機に何かしら不満を持つ声が案外多く、「コードレス」「吸引力」「静音」「軽量」等の条件に合う掃除機を求める人が目立ちました。自由回答の中には「ロボット掃除機がほしい。50代半ば、年々掃除機が重労働になってきたので…」(女性50代、兵庫県)など、家事労働の軽減や、時間を有効活用できる「ロボット掃除機」を欲する声も少なくなく、進化する高機能な掃除機の人気の高さがうかがえます。

3位は「冷蔵庫・冷凍庫」(19.3%)。「家の冷蔵庫は小さいので大きいのがほしい」(女性40代、三重県)、「今使っている冷蔵庫がかなり古く、電気代ももの凄くかかるので」(女性40代、栃木県)など、「大型」「省エネ」を重視する声が目立ちました。特に夏場の需用が高まる「エアコン」や「冷蔵庫」は、電気料金にも影響を与えやすく、「省エネタイプの最新モデル」を買った方が得と判断する人も少なくありませんでした。

「冷蔵庫」「トースター」など白物家電に人気集中!「テレビ」など黒物は下位へ

ちなみに2010年に実施した同調査によれば、トップは「地上デジタルテレビ」(40.5%)、2位に「ブルーレイレコーダー/プレーヤー」(26.6%)、3位に「パソコン(ノート、デスクトップ)」(18.6%)が続き、地上デジタル放送の完全移行を控えて、AV機器等がランキング上位を独占していました。ところが今回の調査では「エアコン」「掃除機」「冷蔵庫」「洗濯機」「オーブンレンジ」「炊飯器」など、毎日の生活に欠かせない「白物家電」がランキング圏内を占め、この7年間で消費者のニーズが大幅に変わっていることが判ります。特に今回のランキングで見逃せないのは、9位「トースター」(10.3%)です。「バルミューダのトースター。今まで食べていた物をより、美味しく食べられそうだから」(男性30代、兵庫県)など、極上のトーストが焼けると噂の高級トースター「バルミューダ」を欲する声が多く、掃除機のダイソンと同じく、機能とデザインを兼ね備える「高級家電」に人気が寄せられていることがうかがえます。その一方で、「テレビ」(10.3%)、「ブルーレイレコーダー・HDDレコーダー」(10.2%)、「パソコン」(14.7%)など、趣味・娯楽性の高い「黒物家電」に対する関心はやや低調でした。

2010年調査データ:欲しい家電は?
1 地上デジタルテレビ 40.5%
2 ブルーレイレコーダー/プレーヤー 26.6%
3 パソコン(ノート、デスクトップ) 18.6%
4 洗濯機 14.2%
5 冷凍冷蔵庫 12.1%
6 DVD・HDDレコーダー/プレーヤー 10.7%
7 掃除機 10.1%
8 ホームベーカリー(パン焼き器) 9.4%
9 電子レンジ・オーブン 8.2%
10 3Dテレビ 8.0%
10 炊飯器 8.0%
MA(複数回答)/n=1135人

買い替え理由は、長年の使用に伴う「安全・衛生・経済面」の不安から

決して安い買い物ではない「家電」ですが、どんなことをきっかけに購入や買い替えを考えるのでしょうか。最も回答が多かったのは「最近、調子が悪い(故障した)ため」(65.8%)でした。「10年ほど使っていた掃除機の調子が非常に悪く、買い替え時だと思ったため」(男性20代、福岡県)など、いつ壊れてもおかしくない状態で、早急な買い替えが必要だという声。さらに「洗濯機が旧式なので、洗濯槽などの汚れやカビが酷く、専用の洗剤で掃除してもあまり効果が期待出来ない状態」(男性60代、埼玉県)など、2位にも「長年使用してきて汚れや傷みが目立ってきたため」(32.0%)、3位にも「モデルが古く、かえって電気代が掛かるため(節約)」(26.3%)が続きました。長年の使用に伴い、安全面や衛生面、経済(電気料金)面での不安も高まっていくため、10年一区切りで買い替えを意識する人が多いようです。一般的にモノは愛着を持って長く使い続けることが大事ですが、家電においては、必ずしもそうとは言えないことがうかがえます。

家電を購入検討するきっかけは?
1 最近、調子が悪い(故障した)ため 65.8%
2 長年使用してきて汚れや傷みが目立ってきたため 32.0%
3 モデルが古く、かえって電気代が掛かるため(節約) 26.3%
4 生活の快適さ・利便性(時短など)を求めて 24.9%
5 余暇・娯楽・趣味の充実のため 9.3%
6 テレビや広告などで見て物欲がそそられたため 9.0%
7 健康・エコのため 7.9%
8 最新機能が付いたモデルが発売されたため 6.9%
9 ワンランク上の調理や味が実現できるので 4.0%
10 新居に引越しをする(したので) 3.7%
MA(複数回答)/n=942人

次に4位は「生活の快適さ・利便性(時短など)を求めて」(24.9%)。「共働きなので、家事炊事になるべく時間をかけたくない。そこで(家電の買い替えは)時短、利便性、生活品質の向上という理由が多い」(男性40代、東京都)など、仕事や子育てに日々追われる忙しい現代人にとって「最新家電=暮らしを支える強い味方」と言えそうです。さらに「『世界一美味しいご飯が炊ける』という評判を聞いて、特に不具合はなかったのですが、高級炊飯器を購入した」(男性70代、愛知県)など、9位にも「ワンランク上の調理や味が実現できるので」(4.0%)が挙げられました。「手間が省ける」「時間短縮できる」などの効率向上のほか、調理家電においては、「本格的な料理を家庭で実現できる」という点に魅力を感じている人も少なくありませんでした。

そのほか、「ホームベーカリーは趣味として作ってみたいから」(女性30代、京都府)など、5位に「余暇・娯楽・趣味の充実のため」(9.3%)。さらに「高血圧症なので、日々の健康管理のために血圧計が欲しい」(男性60代、大阪府)など、7位にも「健康・エコのため」(7.9%)が続き、趣味・娯楽から健康管理に至るまで、家電が担っている役割は多岐に渡っていることが判ります。もはや家電なしには、私たちの暮らしが成り立たないことがうかがえます。

家電選びは、品質・機能よりも「メーカー・ブランド名」が第一優先!

家電購入の動機を見てきましたが、次に皆さんが商品選定時に重視しているポイントを見ていきましょう。最も回答が多かったのは「製造メーカー名」(50.7%)でした。「広く知られている有名メーカーで値段の折り合いがつけば買う」(男性40代、兵庫県)、「国産(日本メーカー)のものをと思ってしまう」(女性50代、広島県)など、信頼できるメーカーの商品を選ぶという声。また、自由回答の中には「何となくメーカーを揃えたいから、家の中の家電が同じメーカーになる」(女性40代、広島県)など、同じメーカーで買いそろえて、統一感を出したいというこだわりを持つ人もいました。同じく10位にも「ブランド名」(13.0%)が挙げられ、品質や機能よりも「メーカー・ブランド名」が第一優先とされていることがうかがえます。

家電購入時に重視するポイントは?
1 製造メーカー名 50.7%
2 価格の安いもの 39.8%
3 操作性・使い易さ 38.6%
4 消費電力 24.0%
5 メンテナンス・掃除のし易さ 18.2%
6 多機能なもの 17.7%
7 設置スペースのサイズと、それに耐えられる重量 15.9%
8 機能が少なく、シンプルなもの 15.5%
9 インターネットや情報誌の口コミ・評価 13.9%
10 ブランド名 13.0%
MA(複数回答)/n=938人

2位は「価格の安いもの」(39.8%)。「使いやすくて安い物が良い。高くてすぐに壊れたら嫌なので」(女性30代、群馬県)など、機能はそこそこでも、丈夫で安いものを支持する声。さらに「消費電力はコストの面からも、エコな観点からも1番気になる」(女性40代、千葉県)など、4位にも「消費電力」(24.0%)が続き、購入時、購入後の家計負担も判断材料の一つ。特に「消費電力」は、毎月の電気料金にも関わるため、購入時の投資がやや高くても、長い目でみれば安くつくこともあります。一般的にはコストといえば、購入時の店頭価格に左右されがちですが、購入後の消費電力を合わせたトータルコストで、商品購買を検討する人も少なくないようです。

あなたは多機能派? それともシンプル機能派? -使い易さ、実用性を検討しながら

「メーカー名」「価格」「消費電力」に続き、3位は「操作性・使い易さ」(38.6%)。「機械に強くないので、操作性のシンプルなもの。」(女性50代、愛知県)など、マニュアルを熟読せずとも、主要機能が操作できる使い易さを重視する声。さらに「使いやすさと自分の希望する機能が充実していること」(女性50代、山形県)など、6位に「多機能なもの」(17.7%)が挙げられ、多機能かつ操作性の良い商品を欲する人が目立ちました。その一方で、「沢山の機能があっても使い切れないので、シンプルなものが良い」(女性50代、東京都)など、8位に「機能が少なく、シンプルなもの」(15.5%)もランクインし、「多機能派」と「シンプル機能派」に好みが大きく分かれました。例えば、オーブンレンジは、様々な調理に対応する高機能モデルも多いですが、実際に購入してみると「あたためチン」しか使わなかったという例もよく聞きます。「多機能」は非常に魅力的ですが、「実用性」のある機能か否かを見極めることも、家電選びの大事なポイントと言えそうです。

そのほか、「毎日の掃除を考えて、掃除がしやすいものを選ぶ」(女性50代、東京都)など、5位に「メンテナンス・掃除のし易さ」(18.2%)、7位に「設置スペースのサイズと、それに耐えられる重量」(15.9%)が続き、掃除や部屋の模様替えも想定して、家電選びをする人もいました。

「直にチェック」「十分な説明」「修理対応」など、ネットよりも店頭が安心

私たちの暮らしにネットショッピングは欠かせない存在となっていますが、では家電購入の場合はいかがでしょう。皆さんが家電を買い求める時に、リアルショップ(店頭)とネットショップ(通販)、どちらで買うことが多いのでしょうか。「家電の特徴を(店員さんに)聞いたり、質問することができるので、リアルショップに信頼性がある」(女性50代、山形県)など、「断然リアルショップで買う」と回答した人は37.8%。さらに「どちらかといえば、リアルショップで買う」という声も40.5%を数え、全体の8割近くの人びとが「リアルショップ派」でした。ネット時代にも関わらず、リアルショップが支持されるのは、なぜでしょうか。主な理由を見てみると「100パーセント家電量販店へ行く。必ず自分の目で確認してから購入する」(女性50代、兵庫県)、「店員さんの説明を聞いて納得した上で購入する」(女性50代、新潟県)など、高額である家電の場合、ネット上の情報のみでは不安だという声も多く、十分な説明による納得感や、商品の使用感などを直に確かめたいという人が目立ちました。さらに「ネットは、初期不良があった場合の交換が面倒」(男性50代、京都府)、「故障時に家電量販店での修理受付がスムーズ。修理依頼のため、メーカーの修理受付に電話すると長時間待たされてイライラすることが多いため、リアルショップで購入している」(男性40代、宮城県)など、修理・メンテナンス対応の良さから、リアルショップの支持派も少なくありませんでした。

店頭で直にスペックを確かめ、ネットで安く買う「ハイブリッド派」も

その反面、「どちらかといえば、ネットショップで買う」(17.3%)、「断然ネットショップで買う」(4.4%)という声も2割以上を占めました。主な理由は「家電は実店舗よりネットが安いからネットで買うことが多い」(女性30代、大阪府)など、人件費や店舗を必要としないネットショップのほうが断然安いという声。さらに「その場の衝動で買うのではなく、レビュー等を見て冷静に判断出来るから」(男性30代、兵庫県)など、ネットなら商品比較やレビュー等をしっかりと調べてから買えるという人も目立ちました。また、自由回答の中には「まず店頭でカタログを収集してスペックを確認し、現物を操作し、最後にネットで価格を調べてからお買い得な商品を買う」(男性50代、兵庫県)など、リアルショップとネットショップを巧みに利用しながら、商品選びを行う「ハイブリッド派」もいました。


今回は「家電購入」をテーマに、いま皆さんが注目している最新家電などについて聞いてきました。「今、購入検討している家電がある」「購入検討までには至っていないが、欲しいと思っている家電がある」という声は8割近くを占め、とても多くの人びとが「最新家電」に高い関心を寄せていることが明らかとなりました。特に欲しい家電ランキングの上位には「エアコン」「掃除機」「冷蔵庫」「トースター」などが挙げられ、「白物家電」に人気が集中。前回2010年に実施した同調査では、「地デジ」「ブルーレイ」「ノートパソコン」などの黒物家電が上位を占めてしたことから、この7年で「嗜好・趣味性の高い家電(=黒物)」から「家事を支える実用性の高い家電(=白物)」へと市場がシフトしていることがうかがえます。中でも「ダイソンの掃除機」「バルミューダのトースター」「ロボット掃除機」など、家電の高級志向、高付加価値化も高まっており、単に家事労働を短縮する道具という視点から、一歩進んでワンランク上の暮らしを実現するパートナーへと、家電に対する捉え方が変わってきているように感じます。現在、人工知能を搭載するロボットの開発が急速に進んでいますが、近い将来には暮らしを便利にするだけに留まらず、時に私たちを癒し、時に叱咤激励してくれる、まるで家族のようなパートナーロボットが各ご家庭に常駐される日も案外近いかもしれませんね。


【調査概要】
調査対象:全国の20歳以上の男女
有効回答数:1,006人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2017年5月31日~6月6日

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[アサヒグループホールディングス]
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