実店舗およびオンラインショッピングに対する意識調査(18歳以上の一般消費者対象) 

2017年06月01日
マンハッタン・アソシエイツは、国内の2,000人を超える一般消費者を対象に、実店舗およびオンラインショッピングに対する意識調査を実施しました。

その結果、多くの消費者が、店舗スタッフからの「商品に関するアドバイス」や「商品のお得な情報」の提供を求めていると同時に、オンラインショッピングにおける配送料の存在には大きな抵抗感を持っているという実態が浮かび上がりました。
また、半数以上の消費者が、コールセンターも含めた様々な販売チャネルのいずれにおいても「同等のサービスの質」を期待していることが分かりました。

<調査結果のポイント>

今回の実店舗およびオンラインショッピングに対する意識調査では、主に以下のようなポイントが明確になりました。

1)実店舗の販売員には、消費者に対して付加価値のある提案をするための“情報武装”が求められている。

2)実店舗において欠品が生じた場合の購買機会の逸失を防ぐためには、“全社在庫の可視化”を実現し、商品を提供できる時期を即座に明示できる仕組みを用意する必要がある。

3)販売チャネルごとのサービス品質がいずれも同等レベルであることを期待している消費者の要求に的確に応えるためには、在庫情報や購買履歴のほか、顧客が購入した際の価格、配送手段、配送料など、必要となる“あらゆる情報に即時にアクセス”できる環境を整えることが重要となる。

【調査結果】

設問1)「あなたは買い物をしているときに“店員よりも自分の方が知識(※)がある”と感じることはありますか」
※商品の性能・スペック、価格、お勧めのポイントなどに関する知識

店員よりも「知識がある」と回答したのは47%(常に感じる4% + 時々感じる43%)で、「そう感じたことはない(43%)」と思っている割合と大きな開きはありませんでした。
これは、日本の小売業における店舗スタッフの製品知識は比較的高いものの、まだまだ改善の余地があることを示しているものと考えられます。

設問2)「店員が提供してくれるサービス(情報)として、あなたが最も重要だと思うことを一つだけ教えてください」

店舗スタッフによるサービスの中で圧倒的に期待値が高いのは「商品に関するアドバイス(44%)」で、次に「商品のお得な情報(22%)」と続き、店舗スタッフには今後ますます高い提案能力が求められていることが分かります。
逆に「商品の在庫情報」を最優先に挙げたのはわずかに13%にとどまり、販売形態が多様化する中で、店舗に対しては在庫情報以上に商品に関する情報を求めていることがうかがえます。

設問3)「あなたは、ウェブサイト上で“あなた自身の好みに合った提案(商品の紹介など)”をしてくれるのと同じように、店員から個人にあった提案を受けたいと思いますか」

ウェブサイトがリコメンド機能を使って消費者の好みに合った商品を提示するのと同様なサービスを店舗スタッフに期待するかどうかという設問に対しては、40%が「そう思う」と回答しました。設問2で店舗スタッフからの商品提案を期待しているとさらに多くの消費者が回答していることを考え合わせると、店員に求められるのは、ウェブで実現している過去の購買履歴などをベースにした単純なリコメンドではなく、顧客の趣味嗜好を理解し、親身になった相談が行える高度な情報提供能力であることが想定されます。その場合、販売員には付加価値を高めるためのさらなる情報武装が必要だと考えられます。

設問4)「あなたがオンラインショップではなく、実店舗でお買い物をする理由となるものをすべてお選びください」(複数回答可)

実店舗でショッピングを行う理由を複数回答で聞くと、「実店舗で購入する前に見たり、触れたり、試したりできるから」「すぐに商品が手に入るから」がともに23%となりました。これらの回答はおおよそ予想の範囲ですが、「オンラインショップで購入する前に見たり、触れたり、試したりしたいから」という回答も21%と高く、実店舗を購買前のショールーム的な存在として見ている消費者も少なくないことが分かります。こうしたことから、店舗スタッフには、さらなる付加価値を含むサービスの提供が求められることが見えてきます。

設問5)「あなたは実店舗で自分が欲しい商品の在庫がなかった場合、どうしますか、またはどうしてほしいですか」(複数回答可)

実店舗に足を運んだ際に、もし自分が欲しいと思う商品の在庫がなかった場合の対応を複数回答で尋ねてみると、「帰ってからオンラインショップで注文する(27%)」「店員がすぐに近隣店舗の在庫状況を調べてほしい(26%)」「店員がすぐに発注し、自宅への配送、または店舗での取り置きの手続きをしてほしい(22%)」の3つに対するニーズがほぼ同程度に高い割合となりました。このことから、小売業には、実店舗での欠品を防ぐ努力が必要になると同時に、万が一欠品がある場合でも、すべての販売ネットワーク上の全社在庫を可視化することで、いつならば顧客のもとに届けられるかを即座に提案出来るならば、ビジネス機会を逸失しない可能性があることを示しています。

設問6)「あなたは、同一ブランドの店舗、ウェブサイト、カスタマセンターなどがあった場合、形態・場面を問わず、同等のサービスの質を期待しますか」

同じブランドで多様な販売チャネルが存在する場合に、同等のサービス品質を期待すると回答した消費者は55%と半数を超えました。これからは、オンラインサイトだからお届けまでに多少の時間が生じるとか、実店舗だから在庫にムラがあるといったような言い訳が許されない時代になっていくことが予想されます。特に今後は、カスタマセンターで返品や商品変更などの要求に対応することも多くなるものと予想されることから、購入時の価格なども含めたすべての履歴情報へのアクセスができる環境の整備が必要になるものと思われます。

設問7)「あなたは、同一ブランドで買い物をする際、複数の形態(店舗、ウェブサイト、コールセンターなど)を利用したことがありますか。ある方は複数の形態間でサービスの質に差を感じたことはありますか」

同一ブランドによる多様な販売チャネルが展開されることが多くなった現在の状況において、チャネル間でのサービスレベルに差があると感じたことがあるとする消費者は41%に達しています。(いつも感じる 6%、たまに感じる 35%)まだ半数にも満たない数値となっていますが、小売業のオムニチャネル戦略が今後さらに拡大していく中で、こうしたブランドに対する消費者の違和感への対策は必須のものとなる可能性があります。

設問8)「あなたは、オンラインショップあるいはコールセンターで商品を注文する際、配送料を支払うことに抵抗を感じることはありますか」
 
配送料を顧客にどの程度負担してもらうかという議論は、小売業にとって不可避のものとなっていますが、今回の調査では、配送料に何らかの抵抗を感じることがあると回答した消費者は実に79%にも上りました。(いつも感じる 40%、商品によっては感じる 39%)
物流会社におけるドライバー不足や受取人不在による再配達の問題などが噴出する中で、配送料を利益の中でどう負担していくかといった問題が、今後の小売業にとって大きな課題のひとつとなっていくことが予想されます。

設問9)「あなたが、オンラインショップやカタログ、携帯電話のアプリ、コールセンターなどから商品を注文する場合、「配送」に関して良いと思うものをすべてお選びください」(複数回答可)

注文した商品の配送や受取方法に関する条件について複数回答で尋ねたところ、何らかの方法で「無料配送」を希望する回答の合計が全体の82%となりました。日本の消費者は配送料に対して非常にセンシティブであることが見て取れます。
・店舗以外の住所への無料配送(3営業日以上かかる可能性あり)27%
・注文翌日店舗への無料配送 21%
・注文翌日店舗以外の住所への無料配送 23%
・オンラインで注文し無料で同日店舗受け取り 11% 

設問10)「小売業のサービスとして、その企業のブランドの好感度向上につながると思うものをすべてお選びください」(複数回答可)

小売企業のブランドにつながると思うサービスを複数回答で尋ねると、「いつも一貫した質の高さ 24%」「注文後の配送の早さ 16%」「親切で頼りになるスタッフ 15%」などが上位に位置付けられました。
配送の迅速さに加えて、今後も店舗スタッフによる対応を含めた顧客サービスの品質向上が、企業ブランドの拡大に大きく寄与する可能性があることがうかがえます。


【調査概要】
実施期間:2017年3月1日〜2日
実施方法:インターネットによるアンケート
調査対象:2,000名を超える18歳以上の一般消費者

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